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スペーサー
自衛隊ニュース   1101号 (2023年6月15日発行)
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ノーサイド
北原巖男
相互信頼

 6月7日、韓国のユン・ソクヨル政権は、同政権の外交・安全保障戦略を示す「国家安全保障戦略‥自由、平等、繁栄のグローバル中枢国家」を発表しました。昨年5月の政権発足以来初めてです。(「国家安全保障戦略」の内容に関する以下の記述は、各種メディアの報道等に基づくものであることをご容赦願います。)
 北朝鮮の核・ミサイルを安全保障上最優先の脅威と位置づけ、韓米同盟や韓米日の安保協力がかつてないほどに重要になっているとして、抑止力強化の方針を示しています。
 日本については、過去を直視し新たな未来を築きあげるとし、韓国と日本は自由や民主主義、人権、市場経済という普遍的価値を共有しており、安全保障や経済などさまざまな分野で協力する近くて重要な隣国として協力の強化を明記しています。そして、日韓首脳のシャトル外交の復活で、関係正常化という目標を目に見える形で達成した旨、唱っています。
 他方、前政権のムン・ジェイン大統領が2018年に公表した「国家安全保障戦略」では、北朝鮮の核の脅威について特別な記述はなく、北朝鮮の非核化に向けたステップとして朝鮮戦争の終戦宣言と平和協定を締結することを挙げていました。
 そして日本に関しては、歴史をありのままに直視するとして、歴史歪曲や独島(竹島)に対する不当な主張に断固として対応するとしていました。
 こうしたことも背景にあったのかもしれませんが、2018年12月20日、海上自衛隊のP-1哨戒機が日本海で韓国海軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーの照射を受けるという、一つ間違えれば大変な事態になりかねない事案が生起しました。
 韓国サイドは、これまで照射の事実を否定。のみならず、事案発生後、韓国軍は、2回警告しても近づいてくる自衛隊機に対しては現場の判断で照射を認めるという、専ら日本向けの指針も策定しました。
 ーー政権は変わりました。
 ーー我が国を取り巻く安全保障環境は、これまでにない厳しさを増しています。
 岸田文雄首相とユン・ソクヨル大統領は、懸案であった徴用工問題を政治決着したことを契機に、シャトル外交等を精力的に実施。日韓関係の急速な改善が軌道に乗ったことを確認し、日韓関係を一層発展させていくことで一致するに至りました。
 韓国政府は、3月には軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄通告を撤回。また5月には、韓国主催の多国間海洋封鎖訓練「アジア太平洋循環訓練」に参加する海上自衛隊の護衛艦が自衛艦旗(旭日旗)を掲げて釜山に入港しました。
 このような経緯の中で、6月4日、第20回シャングリラ会合(IISSアジア安全保障会議)出席のためシンガポールを訪問中の浜田靖一防衛大臣とイ・ジョンソプ国防部長官の間で行われたのが日韓防衛相会談。両国は、相互に価値感を共有する民主国家として、かけがえのない隣国同士なのですが、ここに至るまで約3年半の年月を要しました。
 今回の会談は、(1)地域の安全保障及びグローバルな課題への連携・協力、(2)日韓・日韓米協力の推進の重要性について一致した歴史的な会談となりました。
 そして、両大臣は、日韓防衛当局間の協力を進展させるため、火器管制レーダー照射事案を含む日韓防衛当局者間の懸案について、両国の防衛当局間で再発防止策を含めた協議を加速化することで一致しました。(6月4日防衛省HP)今後、前述の専ら日本向け指針も撤回されていくことでありましょう。
 会談の直後、記者会見に臨んだ浜田靖一防衛大臣の発言は印象的でした。「防衛外交」の神髄に触れた思いがいたします。
 曰く「常にあらゆる危機に対して我々が考えなければならないのは、それを回避するためにはどうしたら良いのか、そのためには、やはり常日頃からのお互いの意思の疎通というのが重要であって、常に外交によってですね、交渉していくということを頭におきながらですね、やっていくというのが大変重要だというふうに思います」そして、韓国側の姿勢について問われた浜田大臣は、「大変お互いにしっかりと、率直に議論をしようという姿勢があったというふうに思います」(6月4日防衛省HP)
 こうした日韓防衛相会談を受け、6月6日に記者会見を実施した酒井 良海上幕僚長。「事実関係を追求するよりも、今後の連携体制を早期に確立することが重要だ」「再発防止策を促進し、日米韓で地域の安定に貢献することが大切。時間という要素は大きく、早期の連携確立が国益に合致する」旨を強調。再発防止策として、「同じ海域で両国の艦艇や航空機が活動する際に、双方が安心して作戦行動が出来る体制構築」を求めました。(6月6日時事通信)
 更に同記者会見に関する産経ニュースは、隊員の心理面について語った酒井海上幕僚長の発言、「十分に踏まえた上での判断。再発防止策が合意できれば隊員にも私の考えを周知する」を報じています。
 浜田防衛大臣・酒井海上幕僚長共に、第一線で任務遂行に取り組んでいる自衛隊員の皆さんに寄り添い、彼らの気持や士気に与える影響なども予め把握したうえで、今回の判断に至ったものと思料致します。
 日韓防衛相会談直後の国会審議。6月6日に開かれた参議院外交防衛委員会における榛葉賀津也委員に対する浜田靖一防衛大臣の答弁です。(参議院インターネット審議中継より)
 「平成30年12月20日の火器管制レーダー照射事案に関する防衛省の立場は、平成31年1月に公表した最終見解の通りであり、今回の会談においても、最終見解を踏まえて議論したところであります。その上で、日韓防衛当局間の協力を進展させるため、火器管制レーダー照射事案を含む日韓防衛当局間の懸案について、再発防止を含めた協議を加速することで一致致しました。今回の会談の結果も踏まえ、引き続き韓国側と緊密に意思疎通を図り、懸案の解決に向けて協議を加速し、精力的に取り組んで参りたい」
 自衛隊OBを含む国民の皆さんと共にこれを支持し、浜田靖一防衛大臣を始め防衛省・自衛隊の皆さんを応援して行こうではありませんか。
 なお、6月6日に開催された国連総会にて、韓国は2024年1月から2年間、アジア枠として非常任理事国に選出されました。今回で3回目。今年から非常任理事国を務めている日本は、来年から米国に韓国を加えて、国連の場にて北朝鮮の核やミサイル開発問題等に精力的に取り組んで行くことになります。
 相互信頼に基づく日韓関係・日韓防衛当局間の協力関係推進の新たなるスタートに、心から力いっぱいのエールを送ります。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


雪月花
 携帯電話が一人に一台になったとかの話は何もいまさらという感じだが、1970年頃までは電話は大変な貴重品であり大きな財産だった。電話を新規架設した時は電信電話債券というものがついておりこれの市場が立ち毎日その相場が新聞に掲載されていた。架設者はこの債券を売って電話の購入資金に充当できた、筆者が架設した1965年頃は30万円近くしたと記憶している。今のお金にすれば150万円ほどか?郊外の建売住宅が200万円で手に入れられる金額だった。だが債権業者がすぐに引き取ってくれたのでおつりが来たのではなかったか、架設申し込みから3年も待たされた。今は携帯電話なら電話会社に申し込みと同時に店頭で手に入るようになったのはご承知のとおりだが各家庭に電話が入るようになったのもあれからかなり後だ。筆者の生家のある集落では70戸に1台が割り当てられた。たまたま集落の中心に位置していたため我が家に公共用としてつけられたが呼び出しにおおわらわ。山道や田んぼのあぜ道を走って呼びに行く、当時は市外通話がとんでもない金額だったからみんな必死で走った、掛けてきた人もさぞかしやきもきしたことだろう。そんな時代を経て外国と通話しても無料、写真もただで誰にでも送れる今を誰が想像しただろうか。いまさらながら通信技術の進歩には恐ろしさを感じる。1社独占から複数になった電話会社の中には過剰投資で怪しくなっているところもあるようだが頑張ってもらいたい。日進月歩がめざましいAIの世界は筆者にはなかなか理解が難しい。最近はAIから派生したチャットGPTとかいうものが登場し文書も小説も書くらしい、国会の答弁や裁判の判決も可能だともいう、全国の自治体や大学でも既に導入を決定しているところもある。日本新聞協会は著作権侵害への懸念や映像制作の業界でも、雇用への不安が生じるとして危機感を露わにしている。何もかも機械任せにしていいのか、人間が退化しないか気になるが抵抗しても流れに棹をさすようなものだ。新聞や出版は生き残れるのかちょっと心配だ。

陸・海・空隊員で町会神輿担ぎ支援<市ヶ谷>
 中央業務支援隊修親会及び市ヶ谷駐屯地・基地の曹友会・上曹会・准曹会の有志が集まり、5月21日市ヶ谷駐屯地近隣の町会が実施する神輿担ぎを支援した。
 隊員による神輿担ぎ支援は、中央業務支援隊が創立した平成12年、近隣町会より当時の駐屯地司令に支援要請があったことから、地域との交流・親睦を深め、市ヶ谷駐屯地と基地を身近に感じていただくことを目的に支援を実施してきたが、令和元年以降、コロナ禍により町会行事自体が中止となり、今回の神輿担ぎは4年ぶりの支援となった。
 参加したほとんどの隊員は初めての神輿担ぎであり、法被や半だこ等の着こなしや神輿の担ぎ方等を習った後、町会の担ぎ手と一緒に掛け声と動きを合わせて、威勢よく町内を練り歩いた=写真。
 参加した隊員からは、「初めて神輿を担げて感動した」、「ご利益がありそう」、「とても貴重な経験が出来た」との声が寄せられた。
 市ヶ谷駐屯地・基地は今後も6月と9月に予定されている町会神輿に参加し、地域住民との絆を深めていきたい。

技術を継承 防錆塗装教育
状況の特質を捉えた整備<東北方面後方支援隊>
 東北方面後方支援隊(隊長・山根茂樹1陸佐=仙台)は、5月29日から30日までの間、秋田駐屯地において、「令和5年度防錆塗装教育」を実施した。
 秋田の装備品は、日本海からの海風による塩害と融雪剤の影響で、錆や腐食等の損耗状況が酷く、日々試行錯誤して整備業務を実施している。
 教育を担当した第105施設直接支援大隊第2直接支援中隊(秋田派遣隊)の整備員からの教育により、各部隊の車両整備員等は塗装要領の識能向上を図るとともに、技術の継承がなされた。

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