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   2007年5月15日号
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《論陣》
原発企業と隠蔽体質
文化それとも民族性か
 日本企業の不祥事が相次いで表面化している。度し難い隠蔽体質に問題の本質があるのだが、どうやら政界や官界だけでなく経済界ともなると、諸外国から日本の文化それとも民族性なのかと酷評されるかもしれない。国際社会では通用しない落第生だ。この隠蔽体質から卒業しないと、安心・安全な日本にはほど遠いだろう。
 最近の問題企業というと、パロマ工業・リンナイの瞬間湯沸かし器の中毒事故を思い出す。菓子会社・不二家の不良商品販売の発覚、マスコミ界だと関西テレビの資料捏造事件が目立つ。日興コーディアルグループの不正会計問題は、日本の企業風土を露骨に印象付けている。ごまかし・うそがまかり通っている。
 そして「ブルータスよ、おまえもか」と国民の怒りを買っているのが、公然と安心と安全を売り物にしてきた電力会社である。広島・長崎の被爆国民を前にしての反対運動を金力で押さえ込んできた、との経緯がある。それにしても、日本の基幹産業である原子力発電所での危険事故のなんと多いことか。
 データ改ざん・偽装の数々が危険な原発で一般化してきていたのだから、もはや論評に値しないだろう。危険と隣り合わせに生きていている風光明媚な、特に福島県民や福井県民の心臓は恐怖で爆発してしまうだろう。全国17箇所の原発は、特に関東・関西の周辺に設置されていることからも、おのずから危険な原発である事を物語っていよう。
 原子力発電所は、ウランやプルトニウムを核分裂反応させて、その発生エネルギーで蒸気タービンを動かし電力を作り出す。日本では発電量のおよそ3割が原発によって供給される。しかし、恐ろしい危険と隣り合わせでもある。79年の米国・スリーマイル島原発2号炉では,驚くべきことに炉心が溶けるという大惨事が発生して、世界一核保有国の国民を震え上がらせた。86年の旧ソ連のチェルノブイリ原発4号炉では、定期点検で出力を停止する途中の実験で大爆発が起こり、地球全体に放射能被害をもたらした。周辺30キロで人間が住めなくなっている。ガンにおびえている人々は数知れず、という深刻な状況に置かれている。97年の東海再処理工場の爆発も記憶に新しい。
 わが国電力会社の原発事故の数知れない隠蔽の恐怖は、それが事故の再発を確実に約束するからである。それこそチェルノブイリが日本列島を襲うかもしれないのだ。国内の原子力発電所が爆発するという事態は、事故隠蔽の電力会社との事情を知れば想定が可能だろう。
 日本の経営者の資質とも関係している、と指摘する向きもある。
 最高経営者の多くに総務部長出身者が少なくない。彼らは会社の不正や腐敗処理を任務として頭角を現してきたエリートである。このような人物が経営の頂点に立つことの恐怖である。倫理不在の人物だから隠蔽を平然と受け入れてしまいかねない。原発問題の核心だろう。
 彼らには、独占企業としての甘えやおごりも見られる。当局の天下りを受け入れることで、さらに恐いものなしの経営者として本来の好ましい資質さえも著しく劣化させていく。
 現在、地球温暖化という新たな脅威のもとで原発の再評価もなされてきている。しかし肝心要の電力会社が隠蔽を体質的に受け入れていたわけだから、先の統一地方選の高知県東洋町の高レベル放射性廃棄物最終処分場の応募取り下げ候補の圧勝も当たり前だろう。金よりも命なのだから。
 この隠蔽文化を放棄する民族資質の改善が急務であろう。

南極地域観測50年の節目の年
砕氷艦しらせ、無事帰国
《晴海》
 4月13日午前9時30分過ぎ、春霞の中、海上自衛隊砕氷艦「しらせ」のオレンジ色の船体が半年ぶりに、レインボーブリッジの下に姿を見せた。長い航海を物語る様に船体塗装がところどころ剥げていた。
 東京音楽隊の演奏が流れる中、「しらせ」が接岸する晴海埠頭HL岸壁には、乗組員家族の手作りの垂れ幕「任務ごくろうさま」「おかえりパパ」などが掲げられていた。平日にも関わらず沢山の家族が出迎え、船体から嬉しそうに、岸壁の家族に向かって、手を振る隊員の姿が印象的だった。
 横須賀地方総監部(総監・荒川堯一海将)をはじめ報道関係者が見守る中、午前9時43分「1番もやい」がビットにかかり、舷梯が設置された。横須賀地方総監が乗艦の後、部内外関係者や家族等がそれに続いた。
 しらせ飛行甲板で「しらせ」の多大な功績に対し統合幕僚長(代理)から2級賞状が、しらせ艦長(小梅三津男1海佐)に授与された。引き続き、海上幕僚長(代理)が「南極地域観測50周年の節目の年に当たって、輸送任務の完遂により我が国の南極観測事業の発展に貢献した事は誠に意義深いことである。これらは艦長以下、一人一人が与えられた自己の職責を良く理解し、全身全霊を傾け任務遂行に邁進した賜でありその労を多とする。南極行動で得た貴重な体験や教訓を今後の勤務に生かし、更なる発展に努めてもらいたい」と慰労の辞を述べ、帰国行事は無事終了した。

徳島教育航空群が隊内生活体験支援
 徳島教育航空群(群司令・角田伸吾1海佐)は4月11日から13日までの間、百十四銀行の新入行員の隊内生活体験を支援した。徳島教育航空群は、毎年この時期、百十四銀行の隊内生活体験を支援しているが、今年は初めて女性ばかり59名を受け入れた。香川地方協力本部の広報官は、「女性ばかり60名近くもの隊内生活体験を受け入れた部隊は、全国的にも珍しい」と語っている。
 生活体験の内容は、基地概要及び職種の説明、基本教練、練習機(TC-90)と救難機(UH-60J)の航空機見学、シミュレーター見学、救急法、応急処置法及び結索実習だった。新入行員が特に興味を持っていたのは基本教練であり、警衛隊員6名の指導のもと、停止間、行進間の演練を行い、最終日には全員が号令官を務めるまでになった。
 結索実習、救急法など、各種実習では担当者のユーモアあふれる指導の下、「今度使ってみよう」と、お互いに話し合いながら笑顔で実習に取り組んでいた。また、食事では、隊員食堂が新入行員の女性59名により、カフェのような雰囲気が醸し出され、自衛隊ならではのボリュームたっぷりの食事に「カロリーが気になるけど、とてもおいしい」と、皆が満足した様子だった。
 退隊の日には、「基本教練で身に付けた節度ある動作を今後の接客業務に生かしていきたい」、「団体生活を通じて時間厳守や人を思いやることの大切さが分かった」と、それぞれの思いを語り、多くの隊員が見送る中、笑顔と涙で徳島航空基地を後にした。

東北補給処も
 東北補給処(処長・菊池伯陸将補)は4月4日から6日まで宮城いすゞ自動車株式会社男子新入社員10名の生活体験協力を担任した。
 体験者は、担当教官等(整備部担当)から全般日程を不安げに聞いていたが10キロ行進、体力検定、基本教練等のカリキュラムをこなし3日間の生活体験を終えた。体験者たちは、「時間に厳しい」「大きな声で挨拶したり身の回りの整理整頓など社会人として勉強になりました」とそれぞれに実のある体験を実感していた。訓練終了式では、各人が終了証書(主任教官・高橋令幸3尉作成)を手に「ありがとうございました」と元気よく挨拶、教官一人一人と笑顔で握手した。

イラク派遣を終えて シリーズ
周囲の人々の協力に感謝!!
初の広報任務を無事こなす
空自偵察航空隊 第501飛行隊 1空尉 黒 石 直 樹
 私は、平成18年7月から11月までの間、イラク派遣輸送航空隊司令部総務部広報班長として、クウェート国で勤務しました。4カ月間の派遣期間を通じて事件や事故も無く、任務を完遂し無事に帰国できたことは大きな喜びとなりました。
 エコノミー症候群もかくや、という状態でクウェートに到着した我々を待っていたのは、摂氏50度近い熱気でありました。私が所属した広報班は、マスコミ等の報道機関との対応や調整を行ったり、派遣輸空隊の活動を記録し、それを広く知らしめることが任務であります。また、時には同じ基地内に展開している他国軍の行事などの取材を行ったりすることもあります。クウェート派遣期間中には陸上自衛隊の撤収完了、任務継続によるバグダッド、エルビルへの運航開始、任務運航400回達成などの大きな転換期に立ち会い、それらを記録し本邦に伝える手助けをすることができました。今でも貴重な経験を得たと感じています。
 思い返せばここクウェートの地でもっとも印象に残ったのは、ライトニングF・Mk53(英国製双発ジェット戦闘機)に巡り会えたことでした。業務の間に垣間見ては、かつての勇姿に想いを馳せ、余人には無い満足感を味わうことが出来ました。
 広報という未知のジャンルでの任務を、語学の素養などに少なからず不安を抱きつつ実施してきましたが、私たち広報班員一同が派遣期間を無事に乗り切れたのは、派遣輸送航空隊の関係部署はもちろん、日本で各種支援にあたってくださった方々、また、精力的に協力活動を実施してくれた関係他国部隊等、様々な方々の協力があってのことでありました。今後も多くの航空自衛隊員が、遠くクウェートの地に派遣され、活躍されることと思いますが、派遣隊員の皆様の健康とご活躍を祈念するとともに、我々が受けた以上の支援を心がけたいと思います。皆様に対し改めて、篤くお礼を申し上げるとともに職場の方々には業務多忙の中、温かく送り出して頂いたことに、この場をお借りして感謝したいと思います。
 イラク復興支援に参加して、自分がどれだけ貢献できたのかどうかは分かりませんが、イラクの一日も早い復興を祈念したいと思います。

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