ひとりでも反対を貫く
政党や党派に属さず、議会で「一人会派」を立ち上げる女性地方議員が増えている。政策への意見が同じなら他の政党や党派と行動を共にするが、納得できなければ、たとえ一人になっても反対を貫く。これからの新しい政治への風穴になる可能性もある。
増える無所属女性議員
自治省の昨年の調査によれば、都道府県議会の女性議員は百五十八人で前年より五十九人、市区町村議会は三千七百十四人で七百四十三人増加した。
前者は過去四年間の平均年間増加数の三十倍、後者は七倍という飛躍的な増加で、女性を地方議会に送ろうという市民運動が盛り上がった一昨年四月の地方統一選挙の成果だ。そのうち、無所属女性議員は前者で十七人、後者で二百七十二人増加した。
東京都議会議員に初当選した福士敬子さんは、石原都知事の国会議員時の秘書が副知事になる議案に「活動や実績が都民にわかりにくい人事だ」と、ただ一人反対した。また神奈川県藤野町議会議員の大村よし子さんは、町議会での国旗掲揚議案に「国旗・国歌法成立の経緯に納得できない」と他の議員二人で反対した。
市民の声を代弁
こうした動きに対して、議員仲間からは「たった一人の反対のために議事進行が手間取る」と嫌味を言われたり、採決時に他の議員全員が着席する中、一人反対を表明するために起立するしんどさを感じることもある。しかし、二人とも市民運動や生協活動からの転身で、市民の気持ちを代弁しているという自負があり、支持してくれる市民も多く、その行動には迷いがない。
昨年、東京で開催された日本婦人有権者同盟や全国地域婦人団体連絡協議会などの主催するシンポジウムにパネラーとして参加した二人に会場からも激励が寄せられた。
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