防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2012年4月1日号
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入隊・入校予定者激励会
全国各地で盛大に開催
多くの激励受け、力強く決意表明
震災から1年、復興への思いと共に

 協力団体等が主催する入隊・入校予定者激励会が、2月から3月にかけて全国各地で実施され、各地本が支援した。激励会では、田中防衛大臣のビデオメッセージの紹介や先輩隊員からのアドバイスコーナー、音楽演奏会などが催され、自衛隊の将来を担う若者たちの門出を盛大に祝った

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東京地本

 東京地本(本部長・湯浅悟郎陸将補)は3月2日、文京シビックホールで開催された入隊・入校予定者激励会(自衛隊東京音楽まつり)を支援した。東京地本協力10団体が主催し、当日は入隊・入校予定者(家族等含む)約500名と招待者等約850名が来場した。
 今回の激励会は2部構成で、第1部では主催者挨拶に続き、東京地本を代表して湯浅本部長がお祝いの言葉を述べた。今回は入隊・入校予定者を代表して、防衛大学校に入校予定の畑昂希さんと一般曹候補生(海)として入隊予定の本田実里さんの2人がそれぞれステージ上で決意表明を行った。畑さんからは、明治天皇御製の和歌を引用しつつ、先人に対する感謝の気持ちや入校に当たっての決意が述べられ、本田さんからは入隊を決意した心境や入隊後に目指すべき方向性などについて、自らの想いが述べられた。
 続く、先輩隊員による激励メッセージのコーナーでは、昨年入隊した陸海空の先輩隊員4名がステージに登場。4名はそれぞれ司会者のインタビューに答える形で仕事内容や自らの体験談等を披露し、後輩となる入隊・入校予定者を激励した。その後、司会者による祝電披露や田中防衛大臣及び石原東京都知事からのビデオメッセージが放映され、第1部の最後をゲストバンドである専修大学吹奏楽研究会によるマーチング演奏が締め括った。
 第2部では海自東京音楽隊による音楽演奏が行われた。音楽科長・高野賢一1海尉による指揮の下、「東京オリンピックマーチ」など計5曲が披露され、大盛況のうちに終了した。最後に、消灯ラッパのメロディーが会場に流れると、再び先輩隊員4名の勤務風景がメッセージとともにスクリーンに現れ、入隊・入校予定者の1年後の姿を想像させつつ、激励会の幕は閉じられた。終演後、入隊・入校予定者からは、「最後の締めの映像も含めて最高の激励会でした」「春から一般曹候補生として益々頑張ろうと思いました」といった声が寄せられるとともに、父兄からも、「1年後の我が子の成長を楽しみにしたいと思います」といった感想が多く聞かれた。

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千葉地本

 千葉地本(本部長・阿部智1海佐)が支援した激励会は東日本大震災からちょうど1年目の3月11日に行われ、はじめに参加者全員で犠牲者に対して黙祷が捧げられた。
 第1部の激励会では、千葉県出身のマラソン解説者・増田明美さんとJリーグ柏レイソル・北嶋選手からのビデオメッセージが流れたほか、来賓・一般来場者が激励の拍手を送り、入隊予定者の門出を祝った。
 また、部隊を代表して第1空挺団長・山之上哲郎陸将補が挨拶し、福島第1原発から1キロ圏内に住んでいた被災者から届いた手紙を紹介。この中には隊員が家族を発見してくれたことに対する感謝の言葉が綴られていた。山之上将補自身も30キロ圏内で活動したが、被災地・被災者のためにもっと出来たのではないかと悩んでいた中でこの手紙を受け取ったという。「自衛隊という道を選び、本当に良かった、自衛隊としてお役に立てて本当に良かったと心の底から思った」と述べ、そして入隊予定者に「さらに国民の期待に沿えるよう私たちとともに新たな歴史を築いていこう」と語りかけた。
 これらの心温まる激励を受け、入隊・入校者約250名を代表して海自幹部候補生として入隊する保松宏禎さんが謝辞を述べ、「自衛隊員となることに大きな責任を感じると同時に、誇りを持って自衛官としての務めを果たしていきます」と力強く決意を示した。
 第2部では、第1空挺団「空神士魂太鼓」と陸自東部方面音楽隊が音楽演奏会のほか、先輩隊員によるアドバイスや体験談がインタビューで披露された。
 特に会場に感動を呼んだのが、東部方面音楽隊オリジナル曲「明日を描こう」。音楽隊から被災地に向けて応援メッセージが発信したいとの思いから生まれた曲で、作詞・作曲した矢部陸曹長は「故郷を思う心、皆が力を合わせることでどんな困難も乗り越えていける、そんな復興への思いを込めた」と話している。入隊者の熱い決意と復興への思いが重なり、来場者に深い感動を与えた激励会となった。

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神奈川地本

 神奈川地本(本部長・杉山義和1海佐)は3月4日、「神奈川自衛隊音楽まつり」を支援した。入隊・入校予定者を激励する目的で昭和55年に開催されて以来、今回で33回目。
 第1部の入隊予定者激励会では、来賓から祝辞が送られ、黒岩祐治神奈川県知事からは「それぞれの立場で自学研鑽に努め、早く一人前の自衛官となって国民・県民のために貢献してほしい」と激励の言葉が述べられた。また、陸自一般幹部候補生採用予定者の沖升隆志さんが、入隊予定者を代表して「厳しい訓練が待っていると思いますが、同じ志を持つ仲間とともに乗り越えていきましょう」と力強い決意を述べ、厳粛に閉会した。
 第2部の音楽演奏会では、特別出演の海自航空集団司令官・畑中裕生海将による津軽三味線、在日米陸軍軍楽隊や海自横須賀音楽隊などによる演奏で、約2100名の観客を終始、魅了した。
 また、幕間では東日本大震災に伴う災害派遣活動を行った陸海空自衛官各1名の先輩隊員が災派時の服装で登場し、当時の体験を紹介するとともに、入隊予定者らにエールを送った。

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大阪地本

 大阪地本(本部長・中野成典陸将補)は3月18日、自衛隊協力大阪連絡協議会など5団体が共催する入隊予定者激励会(会場・大阪国際交流センター)を支援した。当日は、入隊入校予定者271名とその家族、協力団体関係者等合わせて853名が出席した。
 来賓代表として大阪府知事松井一郎氏から「いかなる困難に対しても、凛として任務を果たす力を身につけられることを強く願っています」と激励の言葉が贈られると、観覧席からは大きな拍手が沸き起こった。
 その後入隊入校予定者代表8名が登壇し、「大阪の代表として、日本の平和と安全に貢献するため、自衛隊でしっかり頑張りたい」と力強く決意を述べ、第1部が終了した。
 第2部では、元プロボクシング世界ミドル級王者の竹原慎二氏が登場して「僕は人に褒められるとか認められることなどなかったし、上京してボクシングを始めた頃も不安で涙が出そうになった。でも、スタートラインに立ったときに『自分は変わるんだ』と決意して努力を続けた。その結果、初めて人に認めてもらえました。皆さんも自分の決めた道を頑張って下さい」と、現役当時の経験などを交えつつ、厳しい訓練に臨む若人を力強く激励した。
 続いて、信太山駐屯地の隊員有志による「菊水太鼓」と陸自第3音楽隊が演奏を披露すると、会場全体のムードは最高潮に達し、入隊入校予定者の顔からは、新生活に向けた期待とやる気が感じられた。
 大阪地本は「今日の気持ちを忘れることなく、困難に立ち向かって大きく羽ばたいてもらいたい」としている。

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高知地本

 高知地本(本部長・杉本嘉章1陸佐)は3月17日、高知市内のホテル(三翠園)において実施された「平成23年度高知県自衛隊入隊・入校激励会」(主催・防衛協力4団体、共催・高知県)の開催に協力した。今回の激励会では、国会議員を始め、知事、市町村長、県会議員、各市町村議会議長、陸海空自衛隊の部隊長等、協力団体、募集相談員及び学校関係者等325名が出席し盛大に行われた。
 最初に高知地本各事務所長による、入隊入校予定者51名一人ずつの紹介があり、名前を呼ばれた入隊者等は、ステージ上において夢と希望で膨らませた元気な声で返事をしていた。
 激励会は、防衛大臣(ビデオレター)、国会議員及び県知事からの祝辞の他、高知県から入隊した陸海空先輩隊員による歓迎の言葉等の後、会食に移行した。会食中にも、高知県宿毛市出身の豊ノ島関、近代五種で見事ロンドンオリンピック出場権を獲得した山中詩乃陸士長からの激励メッセージ等が披露され会場は大賑わいをみせた。その後、第14音楽隊による激励演奏が流れる中、激励に駆け付けた多くの人が入隊者等とその家族のテーブルを回って祝福・激励する姿が見られ、入隊者等は入隊等に向けた意欲を益々高めるとともに、不安を期待に変えていった様子だった。
 高知地本では、「今後も入隊者等及び同家族との連携を維持し、入隊者等の部隊・学校での活躍を見守っていきたい」としている。

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秋田地本

 秋田地本(本部長・阿部博文1空佐)は2月22日から3月4日にかけて、秋田県内の6つの会場で行われた入隊・入校予定者激励会を支援した。
 今年、難関を突破し、入隊・入校予定者激励会に参加したのは約140名。来賓からの言葉や防衛大臣・秋田県知事のビデオメッセージ、地元出身先輩隊員による激励の言葉及び空自秋田救難隊員・同第33警戒隊員の太鼓演奏による激励は、入隊・入校に対する意欲を鼓舞した。また一部地域では昼食会等も行われ、入隊・入校予定者の父兄及び来賓等が和やかに懇談し、入隊・入校に対して想いを馳せている様子だった。
 入隊予定者の一人は、「高い意識と強い責任感を持った自衛官となり、一日でも早く社会に貢献できるよう一生懸命精進いたします」と述べた。


著名人からもメッセージ
栃木地本

 入隊・入校予定者激励会では、その地にゆかりのある著名人からの激励ビデオメッセージが数多く流された。栃木地本(本部長・小林勇夫1陸佐)では、「とちぎ未来大使」を務めるガッツ石松さん(鹿沼市出身)と手嶋優さん(足利市出身)の協力を得た。
 ガッツ石松さんは国防について熱く語りながら、持ち前のジョークを連発し、地本取材陣を和ませつつ、快く激励メッセージを撮影した。ガッツさんは「自衛隊の事を本当に尊敬しています。東日本大震災での活躍は頭が下がります」と感謝とともに「自衛官として社会人として成長されることを祈っています」と入隊・入校予定者への期待を熱く述べ、結びに「OK牧場!」と付け加えるなどサービス精神に溢れていた。
 また、愛くるしい笑顔で収録に臨んだ手島優さんは、「自衛隊に入隊・入校後には辛いこともあると思いますが、強い精神力で頑張ってください」と話し、ソフトな中にも芯のしっかりしたメッセージを入隊・入校予定者に送った。
 これらの激励のビデオ・レターは3月10日に宇都宮駐屯地で実施された栃木県入隊・入校激励会の会場において上映された。


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