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   2005年8月1日号
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スポーツよもやま話
やはり本塁打こそ野球の華
松中も清原も強気
 「飛ばないボール?そんなものはない。打つヤツは打つ。飛ばないなんて言うのは、打てないヤツらのひがみや」。今季、プロ野球は「低反発球」使用に踏み切った。3分の2シーズンが過ぎようとしているが、本当に本塁打は減っているのか。
 本紙5月1日号で、ボールが飛ばなくなった影響が出ているか、華(はな)がなくなる野球が面白くなくなってしまうのか、巨人・清原和博選手に質問をぶつけてみた。そのとき清原ははっきりと言い切っている。それが冒頭の発言。
 清原はいま故障がちで、フル出場できずにいる。持ち前の勝負強さも、打率2割ちょっとという不振が続いて苦しんではいるものの、本塁打争いだけは上位に食い込んで頑張っている。通算では500本を越え、生涯4位の山本浩二(広島、536本)を猛追中だ。
 清原だけではない。両リーグ本塁打争いはいま佳境を迎え、大物打ちの打者に対するスタンドの声援は盛り上がる一方だ。
 結論は「飛ばないボール」の影響は、ほとんど出ていないということ。野球の華(はな)はいまが盛りと咲き乱れている。セは清原を含め新井(広島)金本(阪神)多村(横浜)ラミレス(ヤクルト)小久保(巨人)ローズ(同)、パは松中(ソフトバンク)ズレータ、城島(同)カブレラ(西武)小笠原(日本ハム)…。フルスイングの一発が夏の夜空に爆裂する。
 7月15日の西武戦、松坂を打ちくだいた3連発で勢いに乗り、目標を連続三冠王にしぼる松中信彦選手は「目標はただ一つ。日本一奪回だ」と言いながらも「日本記録の55本(王、ローズ、カブレラ)を更新することが、オレを育て、使い続けてくれる王監督への恩返しと思っている。体重もふえた(96キロから100キロ)。狙いダマを決め、体重をかけて振り切れば、どんなボールでも飛び方は同じ」と話している。
 ちなみに、今季の最長飛距離本塁打は、6月3日の対横浜戦(西武インボイスドーム)で打ったカブレラの推定180メートル弾。平均飛距離130メートルのカブレラは「ドームでなければ200メートル打つ自信がある」と豪語している。
 大リーグではミッキー・マントル(ヤンキース)が1960年9月10日、タイガースタジアム(デトロイト)で場外に運んだ一発(193メートル)が、ギネスブックに世界最長飛距離弾として記載されている。マントルは51年3月、南カリフォルニア大とのオープン戦で660フィート(201・2メートル)を記録したと伝えられているが、日本にも200メートル時代が到来する可能性はある。
 低反発ボール使用の今季も、ファンは豪快な一発に酔いしれる。やはり本塁打は「野球の華」なのだ。

雪月花
 和歌山県串本に久しぶりに行った。向かいの大島と串本の仲を取りもっていたあの「民謡串本節」の巡航船がなくなり、橋でつながっているのにびっくりしながらトルコ記念館を訪ねた。周辺は整備され、ひと昔前とは大きな違い、観光客も増えたということだ。途中の空自のサイトや官舎棟は以前のままだったが…。明治23年、明治天皇への表敬を終えたトルコ海軍のエルトゥールル号が帰国の途中、ここ大島沖で遭難し、特派大使海軍大将オスマン・パシャ以下587人が命を落とした。日本海軍は翌年、生存者69人をトルコ本国に送り届けた。以来、日ト両国の親善は他に例をみないほどの仲になっている。平成12年、トルコ大地震での仮設住宅の搬送に、海自の「ぶんご」「ときわ」「おおすみ」が国緊法により出動した。3万4千`、61日間の航海だった。イスタンブールの港についた時は小中学生から一般人らが両国の国旗をふりながらの熱烈歓迎で記者も同行をしたが、眼頭が熱くなったことを今でもおぼえている。子どもたちはエルトゥールル号のことは学校で教えられておりよく知っているということだった。500戸の仮設住宅を陸揚げした後の上陸研修では海自の若い隊員たちに、トルコの人たちは熱かった。土産物屋では買った物と同じものをもう一個プレゼントしてくれたり、タクシーは料金を取らなかったということも聞いた。あの時避難テントの学校でありながら顔いっぱいの笑顔を向けてくれた子どもたちもきっと元気に立ちあがっていることだろう。それにしても今、日本海周辺ではいろんな波が立っている。一番日本に近い国々とは最も仲良くしなければならないはずなのにもどかしさをおぼえる。(所谷)     

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