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"特別なパートナー" 日印防衛相会談
中谷防衛大臣
US—2技術移転協議、「いずも」視察等関係深化 |
中谷元防衛大臣の招待によりパリカール・インド共和国国防大臣が3月29〜4月1日まで日本を訪問し、安倍首相への表敬、日印防衛相会談、護衛艦「いずも」の視察を相次いで行った。1日に行われた「いずも」視察は、3月25日に横須賀基地に就役したばかり(1面参照)の海自最新鋭護衛艦をぜひ見たいとのパリカール大臣のリクエストにより実現し、吉野敦・「いずも」艦長らの解説で、艦橋や格納庫、飛行甲板、更には、同艦の誇る充実した医療、通信設備などを視察した。
▽日印防衛相会談
パリカール大臣の外遊は昨年11月の就任後日本が初めて。中谷大臣が同席した3月30日の安倍首相への表敬では、「私の最初の訪問先が日本なのはインド・モディ首相の"日本重視"の表れ」と訪日の理由を述べ、同日の日印防衛相会談の冒頭で中谷大臣も、「昨年9月の安倍—モディ首脳会談により両国関係は『特別な戦略的グローバル・パートナーシップ』に引き上げられた」と改めて両国関係の重要性に触れ、両大臣は、その強い関係性の下、海洋安全保障をはじめ各分野で日印防衛協力の一層の強化を図る方向で一致した。
「海洋の安定的利用に利益を共用する」(中谷大臣)日印両国だけに近年特に海軍種に関わるの協力・交流が目覚ましいが、今会談でも、防衛装備協力の分野で技術移転に向け話し合いが進められている救難飛行艇US—2に関し早期の進展を図るための努力、二国間海上訓練の継続に関し両大臣が合意した。更には、中谷大臣から、昨年海上自衛隊が参加した印米海上共同訓練「マラバール」への今年の継続参加、今秋開催される自衛隊観艦式へのインド海軍の参加を求める提案があり、パリカール大臣もこれらの実現に前向きに検討するよう約束した。 |
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河野統幕長 デンプシー米統参本部長 会談
日米制服トップ関係強化 |
3月25日、マーティン・E・デンプシー米統合参謀本部議長が防衛省を訪問した。河野克俊統幕長に出迎えられたデンプシー統参長が栄誉礼及び儀じようを受けた後、両者は統幕長室において懇談を行った。
懇談では、相互が置かれている安全保障環境についての認識を共有した上で、将来にわたり自衛隊と米軍の協力関係を強化していく機会について確認した。その中で、日米同盟が役割を果たし続ける事が、両国及びアジア太平洋及び同地域を越えた平和と安全を構築するために不可欠であるとし、国際法の遵守を含めて同盟を強化する事で抑止力を向上させ、地域の安定を図っていくことが重要だという認識を共有した。
また、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の見直しへの取り組みや第2次世界大戦後70周年という節目を迎える本年が、力強い日米関係を象徴する歴史的な年になるとの認識を示した上で、相互運用性の向上や、自衛隊と米軍との関係強化について今後も追及していくことで両者は一致した。 |
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先進技術テーマに平成26年度防衛省シンポジウム
防衛省の取り組み紹介
産官学の識者が議論 |
3月27日、東京都千代田区で「平成26年度防衛省シンポジウム」が開催された。防衛産業関係者や学生等の招待客及び一般応募聴講者等多くの参加者が熱心に耳を傾けた。
今回のテーマは「日本における先進装備の研究開発〜先進技術への挑戦」。主催者である中谷元防衛大臣は「今年は、統合機動防衛力の構築、防衛装備庁の設立等、防衛省改革の節目である」とし、「先進技術の開発が安全保障に最も重要であり、各国に先んじたディフェンス・イノベーションに繋がる活発な議論を期待する」と挨拶を行った。
続いて行われた基調講演では渡辺秀明防衛省技術研究本部長が防衛研究開発の「概要」「現状」「大綱・中期防における方針」「今後の取り組み」を説明。デュアルユース技術に関して「産官学の力の結集を図り安全保障において活用する事が大切だ」等国内外での技術交流の成果を装備品開発にフィードバックさせることの重要性を指摘した。
休憩を挟んで行われたパネルディスカッションでは、角南篤氏(政策研究大学院大学教授兼学長補佐)をモデレーターとして、産官学から5人のパネリストを招き、「デュアルユース技術の育成・防衛省への期待」について討論された。その中で、「産官学がそれぞれの役割を三位一体となって果たす事が必要(上野誠也・横浜国立大学大学院教授)」、「大学の基礎研究と、防衛省や企業の応用・開発とのギャップを埋める事が課題(西山淳一・未来工学研究所研究参与)」、「防衛省には技術安全保障の中核としての活躍を期待(神納祐一郎・三菱重工業技師長)」等の意見や要望が出た。また、聴講者からの質問にあった先進技術実証機については「今年の早いうちに初飛行に臨みたい」と外園博一・防衛省大臣官房技術監は答えた。 |
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