防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   899号 (2015年1月15日発行)
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~中央即応集団~
魁の風
Central Readiness Force
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南スーダン UNMISS 派遣施設隊
6次隊→7次隊
指揮転移式
 平成26年12月15日、南スーダン共和国の首都ジュバ市内のUNトンピン日本隊宿営地において、南スーダン派遣施設隊の指揮転移式が行われた。第7次要員(隊長・西村修1陸佐)は、第6次要員(隊長・野村昌二1陸佐)から業務を引き継ぎ、国際連合南スーダン共和国ミッション(UNMISS)の任務にあたる。
 第7次要員は、先発(隊長西村1佐以下80名)が11月25日に、続いて主力第1波要員(約150名)が12月5日現地に到着、南スーダン共和国における南スーダン派遣施設隊の業務を申し受け、16日から施設活動を行っている。なお、12月中旬に主力第2波(約120名)が到着し、第7次要員全隊員の南スーダン共和国への入国を完了した。
 指揮転移に当たり、西村1佐は、「7次要員が団結し、各職種の英知・技術を結集して任務を遂行せよ。心のゆとり、時間的な余長を持って南スーダンという慣れない環境下での活動、そして約半年間の長期任務を完遂せよ」の要望事項を述べるとともに、「ここは、アフリカ大陸の南スーダンであるということ、国連の要員として活動するということをよく認識し、東北の部隊らしく南スーダンにおいても粘り強く、真心を込めた施設活動を通して、世界で最も若い国である南スーダンの平和と安定に貢献できるよう、全隊員が汗を流していくことを期待する」と、今後の活動に当たる隊員に対して訓示した。
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年末年始行事
炊事班によるおせち料理も
 南スーダン派遣施設隊は、平成26年12月31日~平成27年1月1日にかけて、南スーダン共和国の首都ジュバ市にあるUNトンピン地区内の日本隊宿営地において、年末年始行事を行った。大晦日には各施設の大掃除を実施し、1年の埃を落とすとともに、新年に向けての環境づくりを行った。
 元旦には、初日の出を前に朝礼を行い、隊長 西村1佐は、「全隊員が心を一つにして団結し、南スーダンでの任務を完遂し、無事帰国を成し遂げよう。南スーダンの平和と安定のため、皆で今年1年怪我をすることなく頑張っていこう」と訓示を述べた。また、同日付で昇任した17名(内2名ウガンダに派遣)は、隊長に申告して、改めてそれぞれの職務における任務完遂を誓った。午後には、厚生活動として各小隊班対抗の書初めや凧揚げを行い、昼食では、炊事班によるおせち料理が振る舞われ新年の始まりを祝った。

日米最先任約20人が会同
横須賀で開催
 統合幕僚幹部最先任渡邊満徳准陸尉は、昨年12月に日米最先任下士官会同(横須賀)を実施し、2015年を迎えるにあたり、将来の下士官交流の展望について、日米同盟の深化を踏まえ、活発な意見交換を実施した。
 日米最先任下士官会同(横須賀)の参加者は、統幕最先任の他、陸自中央即応集団最先任上級曹長早津准尉、海自自衛艦隊先任伍長高橋曹長、海自横須賀地方隊先任伍長関曹長、空自准曹士先任新井准尉、情報本部最先任青柳准尉等が参加した。一方、米側参加者は、在日米軍最先任ジェームズ・ローレント最上級曹長を始め、在日米陸軍最先任エリック・ドスティ最上級曹長、在日米海軍先任伍長ジョセフ・ファーニー最上級兵曹長、第7艦隊先任伍長クリスピアン・アディントン最上級兵曹長、第V海兵隊最先任リー・ボナー・ジュニア最上級曹長、太平洋艦隊先任伍長マルコ・ラミレス最上級兵曹長等、総勢約20人が一同に会した。
 会同に先立ち、米軍第7艦隊司令官トーマス中将との懇談が催され、「即応性を要する情勢の中で柔軟に対応して行くには、異なる軍種間のコミュニケーションが重要である。そして、実際に実行に移していく過程で、専門的知識を持つ下士官の力が必要とされる。こうした観点から日米下士官交流の発展がシームレスな作戦遂行に寄与し、また下士官による指揮官へ適切な助言が可能になる」との訓示を頂いた。会同は、在日米軍最先任ローレント最上級曹長が司会進行役を務め、今後の日米同盟深化に向けた下士官相互部隊研修の推進、及び服務事故防止に対する指導のあり方に関して、活発な論議がなされた。
 会同の最後に在日米海軍司令官クラフト少将との昼食会が行われ、昼食会の中で先任下士官のリーダーシップのあり方について、「良い船は、艦長、副長、先任のトライアングルがしっかり機能している。艦艇における先任下士官の役割は、指揮官に対し高度な専門的知見に基づく助言・補佐だけでなく、若い幹部の教育を兼ねている。さらには服務規律面で副長と連携をとり、高い規律と士気を維持するという重責を担っている。しかし、それは良い意味において特権であり、これを正しく使いこなすことが大切である。軍種による文化の違いはあるが、先任下士官の担う基本は変わらないはずである」とのコメントを頂いた。
 本会同主催者の在日米軍最先任ローレント最上級曹長は、「今後の日米下士官交流の方針と展望について、各軍種同士で話し合いができたことは、非常に有益であった」と述べると共に、参加した日米双方の最先任等に対し謝意を表した。また、統幕最先任渡邊准尉は、「日米双方の最先任に対し、服務に関する情報共有及び意見交換ができ、併せて相互理解と信頼感の醸成に資することが出来たことは大きな成果である」と力強く語った。
 今回、部隊研修を含む日米下士官交流に関して、各最先任下士官が一同に会し、意見交換をすることは初めての取組みであり、2015年に向けた当該活動に関し、下士官自ら積極的な取組みを示した点において画期的な会同であった。こうした会同の積み重ねが信頼を深め、ひいては日米同盟の大いなる礎となると考える。

幹部特修課程「硫黄島現地教育」
「覚悟」に思い馳せ
〈富士学校〉
 陸自富士学校(学校長・武内誠一陸将)は普通科部(部長・冨樫勇一陸将補)を担任として、海上自衛隊第4航空群及び航空自衛隊航空支援集団の支援を得て、幹部特修課程「硫黄島現地教育(昭和54年から実施)」を11月24~30日まで、各職種幹部特修課程学生167人(海上自衛官2人参加)を3グループに区分して実施した。
 同教育は、「硫黄島作戦の実相を現地において研修させ、離島作戦の様相及び教訓事項並びに防御戦闘の特質を理解させるとともに、戦場の実態を深刻に認識させ、死生観確立の資とする」を目的とし、兵団司令部壕をはじめ摺鉢山、元山台地等の各部隊の地下壕及びトーチカ等を研修し、要点において「指揮・統率」、「統合」、「米国海兵隊の上陸要領」等を討議するとともに、築城の状況、戦闘の痕跡等から当時の戦闘の様相を追体験した。また、天山で硫黄島で散華された将兵の慰霊行事を行い、今日の日本の平和と繁栄を感謝するとともに、自衛官として更なる精進を誓った。

コア連隊の戦力化
初の戦闘団対抗方式指揮所訓練
〈中部方面混成団〉
 陸自中部方面混成団(団長・武政賢一1陸佐=大津)は、12月10~16日までの間、中部方面指揮所訓練センターにおいて、隷下各普通科連隊の連隊本部等の指揮幕僚活動能力の向上を目的として、平成25年度末に従来から隷下部隊であった第47普通科連隊が増強改編されるとともに、新たに第49普通科連隊が隷下部隊となって以来初の2個戦闘団の対抗方式による指揮所訓練を実施した。
 同訓練は、団が「真に戦える部隊」を目指し策定した団練成中期計画に基づき、平成28年度の各連隊の訓練検閲実施に向けて、段階的に連隊の任務遂行能力の向上を図るための重要な位置付けにあり、方面管内各諸職種部隊の協力を得て、戦闘団同士の遭遇戦の場を捉えて実施した。
 実施に当たり、統裁官の武政団長は、「戦機に応じた指揮幕僚活動」、「総合戦闘力の最大限発揮」、「安全管理・健康管理の万全」の3点を要望した。
 各連隊は、訓練準備段階から状況修了までの終始を通じ、本訓練の場を最大限に活用し指揮幕僚活動の向上に努め、所期の目的を達成し、平成26年最後の団訓練を締めくくった。
 更に本訓練を通じ、団本部自体の指揮幕僚活動も演練することができ、大変有意義な訓練となった。
 中部方面混成団は、「引き続き、『真に戦える部隊』を目指し、着実に訓練を積み重ねていく」としている。

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