防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   904号 (2015年4月1日発行)
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スポーツよもやま話
根岸直樹
球春ついに到来!
新監督5人の采配に期待
 〈プロ野球〉
 秋、10月まで、いよいよ長丁場のプロ野球ペナントレースが開幕した。各チームとも投・打の弱点を補強し、オープン戦ではそれなりの成果を上げているが、気になるのが、今季から采配をふるう5人の新監督の手腕。5人5色。一体、どんな作戦を練っているのか。
 まず、昨季日本一に輝いたソフトバンク。工藤公康監督(52)が、初めて采配をふるおうとしているが、どうなるのか。「去年の成績を考えると、これ以上の重圧はない」とはいうものの、その言葉とは裏腹に「勝つしかない。投・打とも去年以上に充実しているし、ケガさえなければ…。(一番の戦力ダウンは、選手のケガ)」といってのける。
 評論家としてネット裏にいる間、筑波大学大学院でスポーツ医学を学んだ理論派だけに、その采配ぶりが見物。投手陣に松坂大輔(35)=レッドソックス=が加わったのが大きい。
 楽天の大久保博元監督(48)は、現役時代から奔放なイメージがあると思っていたが、意外にも選手とうまくいっているようで、一緒になって場に溶け込み、笑顔を振りまいて、久米島キャンプでは、朝の散歩で率先して大声を出し、力を入れていた。「超機動力野球」を目指すだけあって「サインプレーには特に力を入れる」という。「打って、走って、どこからでも突破口が見つけられるようにしたい」と話している。
 その楽天・大久保に「絶対に負けられないと息巻いているのが西武・田辺徳雄監督(49)。山梨・吉田高からドラフト2位指名で西武に入団したとき、1位入団は水戸商の大久保だった。以後、米大リーグキャンプ留学、巨人移籍など、時期こそ違え同じような道を歩み、コーチを務めた昨季、監督代行になったのも同様。「どっちが役に立つ男か、勝負してみたい」というように、今季の西武・楽天戦、監督同士からして火花が散ることうけ合いだ。
 ヤクルト・真中満監督(44)は、打撃コーチからの昇格。昨季セ・リーグ最多の667得点をたたき出した強力打線を作り上げた実績がある。「去年はオープン戦から負けグセがついてしまって大失敗。投手陣は専門家=高津臣吾コーチ(47)=にまかせる。とにかく最初から勝ちグセをつけ、本気で勝ちにいく」と話している。
 打撃コーチを経て第19代監督に就任した広島・緒方孝市監督(47)は「投手力を中心に、機動力を駆使した守りの野球で勝負したい。怠慢プレーは一切許さない」と厳しい発言だ。
 それにしても気になるのが新監督を支えるヘッドコーチ、参謀役の存在。これまで何人もの名監督が誕生しているが、そのかげとなって働く腹心のコーチが、果たして新5監督にはいるのだろうか。かつてのV9巨人・川上哲治監督(1920〜2013)には、牧野茂(1928〜84)という名参謀がいて、選手に対し徹底的に「ドジャース戦法」をたたき込んだ。南海時代の野村克也監督(80)にはドン・ブレイザー(1935〜2005)というコーチが「シンキング・ベースボール」で選手に意識革命を起こさせている。
 川上監督は「遺言」(文春文庫)の中で「プロ野球チームの盛衰は、監督の力で99%が決まる」と書いており、野村監督は「勝ちに不思議な勝ちあり。負けに不思議な負けなし」と話している。いずれにしても、新5監督のこの一年の采配、とくと見届けてみたい。

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(「栃の芽」誌提供)

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