防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2010年5月1日号
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サヘル・ローズさんが講話
自らの戦場体験など語る
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 イラン出身で女優のサヘル・ローズさんが4月13日、この春入省したT・U種採用者ら約160人を前に防衛省講堂で講演した。サヘルさんは、イラン・イラク戦争で家族を失い、養母とともに8歳の時に来日した。数々の苦労を経て、今に至るまでの経緯は自伝「戦場から女優へ」(文藝春秋社刊)で詳しく紹介されている。
 サヘルさんは以前、北関東防衛局でも講演しており、この日も、自身の戦争体験や苦労話を流暢な日本語で、時折り涙声になりながらも熱心に語り、改めて日本の平和の尊さを強調した。聴講した今期入省者らは非常に感銘を受けた様子で、今後の職務に活かしていくことを誓っていた。

会社員18人が部隊研修
《防衛懇話会》
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 防衛懇話会は、防衛省・自衛隊の理解を深めるため本会の法人会員の中堅若手社員18人に対し、3月8日から9日の2日間、陸上自衛隊相馬原駐屯地及び新町駐屯地で、第12旅団の協力を得て防衛オリエンテーションを実施した。
 中堅若手社員一行は、初日は相馬原駐屯地で、第48普通科連隊の隊員の指導のもと、寒風の中、今回初めて基本教練を体験し、日頃の自衛隊の訓練の一端を体得するとともに第12旅団が保有する装備品の展示及び訓練展示を研修した。特に、第12旅団の特性である空中機動力について、CH―47JAの体験搭乗を通じてその一端を理解した。また、第12ヘリコプター隊、第12偵察隊、第12高射特科中隊、第12通信中隊の部隊指揮官等と懇談を行い、部隊の現状の一端を理解した。
 2日目はあいにくの雪時雨の中であったが、新町駐屯地で、同駐屯地に所在する第12後方支援隊、第12対戦車中隊、第12施設隊が保有する装備品の展示及び訓練展示を研修するとともに、駐屯地内の勤務隊舎や各整備工場を研修し、部隊活動や勤務状況の実情の一端を理解した。
 多くの参加者からは、「貴重な体験をさせていただいてこれからの自分の仕事にこの体験等を生かしていきたい」また、「会社に帰ったらこの体験等について上司・同僚等に話したい」と熱心に話していた。

ふれあいパーティ、カップル誕生も!!
《座間曹友会》
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 座間分屯地曹友会は、3月13日、昨年に引き続き、ふれあいパーティを開催した。
 このパーティは、隊員と神奈川県内の女性社員とのふれあいの場を設け、自衛隊を正しく理解していただくとともに、多くのカップルが誕生することを願い、同曹友会が地域の有力者でもある大滝光弥氏(エイコー産業株式会社代表取締役、相模原地域募集相談員)の支援を得て企画実行したもの。
 緊張の中、自己紹介から始まり、恒例のボーリングゲーム、そして懇談へとパーティは進み、和やかな雰囲気で非常に盛り上がり、「もう少し時間が欲しい」との声が聞かれる中、閉会を迎えた。
 企画した曹友会会長は今回のふれあいの場をきっかけに、多くのカップルが誕生するのではとコメントしていた。

浅井1陸曹が人命救助で感謝状受賞
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 陸自衛生学校教育部の浅井紀雄1曹が3月12日、人命救助の功績により、東京消防庁の新井雄治消防総監から感謝状が贈られた。
 浅井1曹は2月21日、渋谷区の銭湯で急に倒れて心肺停止になった男性を、衆人環視の中で心臓マッサージや人工呼吸をほどこし救護した。
 表彰式は渋谷消防署で行われ、浅井1曹は「消防総監表彰という、こんな立派な賞をいただき、正直驚いています。銭湯での救護処置は、日頃の訓練の成果が自然に出たものです。この賞を励みに、今後とも一層任務に邁進していきたい」と喜びを語った。

ロンドン五輪 期待の星
柔道女子70kg級
國原頼子 3陸尉(新潟県出身、1985年11月生まれ)
《体育学校》
シリーズ3
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 2月4日、國原頼子は柔道ナショナルチーム強化選手として世界選手権等国際大会代表選考としての意味も持つ冬季欧州遠征に出発した。この遠征で、國原に課されたのは、グランドスラム・パリ国際大会、W杯ハンガリー大会、グランプリ・デュッセルドルフ大会の1週間おきの3連戦と、各国強豪選手との合同合宿だ。だが、國原はこの遠征に先立つ、1月、韓国・スォンで行われたワールドマスターズ選手権で足を負傷し、不安な中での出発となった。
 國原は新潟県の黒崎(現在の新潟市)に生まれた。8歳の時、國原は父や兄の影響もあり、地元黒崎柔道連盟の道場で柔道を始めた。小学校の頃は男子も女子も一緒の練習だった。それが、10歳、小学校5年生の頃から、体が大きかったせいか、男子にも勝つようになり、勝つ喜びを覚え、いつの間にか柔道が好きで好きでたまらなくなった。この時の純粋な柔道への思いが今でも國原の柔道を支えているという。淑徳高校に進み、自衛隊体育学校同僚の池田ひとみとともに柔道の甲子園とも称される金鷲旗を制し、淑徳大学4年時に全日本選抜選手権で優勝を飾る。その國原が一躍世界で注目されるようになったのが、北京五輪の興奮が未だ冷めやらぬ平成20年10月に行われた柔道世界団体選手権で、國原の鮮やかな一本勝ちで日本が優勝を決めた試合だ。その後、その年の講道館杯を制し、一躍女子70s級における國原の存在が大きくなった。そして、21年も、グランドスラム・モスクワ大会、ユニバーシアードと立て続けに優勝を飾る。さらに國原の地元新潟で行われた国体では開会式で選手宣誓を務め、試合でも団体戦のキャプテンとしてチームを引っ張り、NHKが全国中継する中、優勝を勝ち取り、一躍新潟県内では時の人になった。
 女子70s級には國原以外にも日本国内には強豪が多く、誰が勝ってもおかしくない状況だ。その中でも、積極的に一本を狙う國原は、日本柔道の美しさを体現する選手として期待されている。この冬季欧州遠征での過酷なスケジュールはその期待の現れだ。試合では積極的な試合を見せていたものの試合後は激痛が走ったという。完全な状態ではなかったが、気迫で最悪なコンディションを乗り切り、パリ国際を銅メダル、グランプリ・デュッセルドルフ大会を銀メダル、世界ランキング3位を堅持したまま遠征を終わらせ、次につなげることができた。今回、苦しみながらも乗り切った國原は新たな進化を遂げるだろう。この春、幹部に昇任した國原3尉に期待したい。(体校渉外広報室・佐野伸寿3陸佐)

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