防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年8月1日号
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練艦隊、移民100周年式典に参加
ブラジル・サントス
皇太子殿下御前でパレード
日系団体の賞賛浴びる
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 海自練習艦隊(司令官・井上力海将補)は、練習艦「かしま」、「あさぎり」及び護衛艦「うみぎり」(ヘリコプター1機搭載)をもって6月18日、遠洋練習航海の第6番目の寄港地であるサントス(ブラジル連邦共和国)に入港した。
 ちょうど100年前の1908年6月18日、日本人移民781名を乗せた「笠戸丸」がサントス港に到着した。今年で日本人移民100周年を迎えたことを記念し、ブラジル各地では、様々な式典が計画されているが、その一環として、まさにその上陸記念日にあわせての入港となった。
 21日は、午後からサンパウロ市内のサンバ会場サンボードロモにおいて、第1部が13時から16時の間で祭典、第2部は16時30分から18時の間で式典、第3部が18時10分から20時の間で祭典が計画され、練習艦隊は、第2部の式典に参加するため、サントス港から片道2時間の道のりをバス8台で移動し、パレードに備えた。
 この日は、低気圧の通過に伴い雨空となったが、練習艦隊がパレードを実施する第2部の前には雨も止み、皇太子殿下ご臨席の下、いよいよ第2部が開始された。皇太子殿下のご挨拶の後、パレードが実施され、練習艦隊はパレードの先頭という重役を任された。音楽隊を先頭に、実習幹部2個中隊、続いて乗組員による2個中隊(計318名)が日頃の演練の成果を遺憾なく発揮し、皇太子殿下の御前で一糸乱れぬ行進を披露した。なかでも、皇太子殿下に指揮官の練習艦隊司令部航空幕僚・梅田3佐が「頭右」の敬礼を実施した際には、大勢の観客から割れんばかりの拍手と声援を浴びるなど、日本とは地球の反対側にあるブラジルの地で、海上自衛隊の士気の高さと威容をアピールした。
 観覧席にいた日本の国会議員(約10名)、県知事(福岡、鳥取、兵庫県知事等約15名)及び日系団体の代表(約20名)からも賞賛され、特に、日系人の中から「涙が出るほど感動した」との心温まる言葉があった。
 練習艦隊は6月22日、在サンパウロ日本国総領事館員及び日系人約60名に見送られる中、汽笛超長音でお世話になったサントス港に別れを告げた。

「同期の絆大切に」
48普連で新隊員前期修了式
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 第48普通科連隊(連隊長・飯盛謙一1佐)は6月27日、相馬原駐屯地体育館で平成20年度新隊員課程前期(32名)の修了式を挙行した。
 式には来賓・家族約94名が参列し、国歌斉唱、告達に続いて、新隊員を代表して兼俵2士が強く申告を行った。
 執行者(連隊長)が「同期の絆を大切にし、失敗を恐れることなく一所懸命取り組むことを期待する」と式辞したあと、引き続き、来賓がそれぞれ心温まる祝辞を述べた。
 同30日、新隊員達は「後期に行ってもがんばれよ!」と互いに励ましあいながら涙と笑顔で別れを惜しみつつ、先輩達に見送られながら後期教育の行われる各部隊へ巣立っていった。

佐藤3陸曹(通信団通信保全監査隊)が
駅ホーム転落者を救護
救急用具を常に携行
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 通信保全監査隊作成処理隊に所属する佐藤将大3陸曹は5月28日、線路内に転落した負傷者への応急処置を行い、人命救助に貢献した。
 当日午後9時50分頃、都営新宿線小川町駅のホームで線路内に転落した怪我人が駅員に救出された。大学の講義を終えて市ヶ谷駐屯地へ帰隊する途中、現場に居合わせた佐藤3曹は負傷者の頭部から多量の出血が見られるにもかかわらず救急処置が行われないのを確認。救急隊員が駆けつけるまでの約10分間、普段から所持している私物の三角巾を使用し、患部を直接圧迫止血法などで応急手当した。出血は三角巾だけでは止まらず両手が血だらけになるほどの緊迫した状況の中、到着した救急隊に状況や処置内容を伝達、負傷者救護とともに適切な申し送りがされた。
 佐藤3曹は大学の講義中に隣席の学生が発作で倒れた際、自分の救急処置が不十分だったとの思いから救急用具携行の必要性を深く認識。それ以降、三角巾と人工呼吸用のマウスピースを常に携行している。
 救急処置を行なった佐藤3曹は、「もしあなたの大切な人が隣で倒れ、応急処置をすれば助かるかもしれないという時に知識がなく何もできない自分を想像してみてください。私だったら後悔してもしきれません。例えあなたの大切な人でなくても、その人を大切に想う人がきっといるはずです。知っていれば勇気をもって動くことができます。知ることは決して難しいことではありません。私たち自衛官の精神として、人を大切に想う気持ちが国防に繋がると私は信じています」と話している。

秋葉原殺傷事件で救護活動
千葉海士長に感謝状
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 保全監査隊(司令・坪倉恭司1海佐)所属の千葉翔悟海士長(20)は6月20日付で積極的に負傷者を救護した功績により警視庁万世橋警察署長から感謝状を贈呈された。
 千葉士長は6月8日に東京・秋葉原で起きた刃物使用無差別殺人事件に遭遇し、歩行者用通路に多くの人が群がっていた中、勇気を振り絞りナイフで刺された被害者の救護に当たった。
 感謝状贈呈式で万世橋警察署長は「多くの傍観者がいる中、迷うことなく救護した。その積極的な行為は称賛に値する」と謝意を述べた。
 千葉士長は「気が動転して何も考えられなかった。自衛官という職業柄、こういうときにこそ人のために役立つことをすべきだと救護に参加した。言葉では表せない悲惨な状況でした」と語った。
 同署での贈呈式の状況は、テレビ報道や新聞に多く取り上げられた。


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