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   2004年7月1日号
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防大12期生会 会費を贈る
JMAS(日本地雷処理を支援する会)の活躍に期待
 4月22日、陸上幕僚長室で防大12期生会(陸)会長はじめの先崎一陸幕長からJMAS(日本地雷処理を支援する会)の西元徹也会長(元統幕議長)に金一封(100万円)が寄贈された。
 防大12期生会(陸)は、幹候43期生会(大卒昭和43年入校)と会員が重複しており、会費の使用上若干の問題があった。そのため、その会費の活用について検討を重ねた結果、JMASへの寄贈を決めた。
 JMASは、陸上自衛隊OBが主体となって組織されたNPOで、OBにしか
できない紛争後の不発弾処理や地雷処理を少ない予算でカンボジアなどで行っている。このため同会では、JMASを資金無くしては活躍できないNPOであると判断、同期生会会費を最も有効に活用してもらえるものとして、またJMASの今後の活躍を一層期待する意味も込めての寄贈となった。

千歳基地准曹会が環境整備に協力
 千歳基地准曹会(澤山幸会長)は5月別24日、千歳市からの「空き缶ゼロ・クリーンちとせ」の呼びかけに基づき、基地外周(国道、道々)沿いの環境整備を行った。
 この整備には、平成12年度まで基地として参加していたが、翌年度から課業外活動として同会が実施している。
 参加した200人の会員は、国道36号線とミニバイパス沿いに飛散した空き缶、ビニール袋などトラック約1台分を拾い集めた。

海自東京音楽隊がコンサート開催
 海上自衛隊東京音楽隊は次のとおり「ファミリーコンサート」を開催します。
 〈日時〉平成16年9月24日(金)
 〈時間〉18時30分開演(18時00分開場)
 〈場所〉東京簡易保険ホール ゆうぽうと
 〈曲目〉「懐かしき映画音楽の世界〉他
 〈指揮者〉熊崎博幸、田辺眞道
 〈入場料〉無料(入場整理券が必要)
 〈応募方法〉往復はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を記入し申し込む。8月13日(金)必着。応募は1名につき1枚までとし、応募多数の場合は抽選。整理券1枚で1名様入場。不備はがき等は返信致しかねます。
 〈応募・問い合わせ先〉〒158-0098東京都世田谷区上用賀1-17-13 海上自衛隊東京音楽隊「各」係 電話 03-3700-0136

<論陣>
コンビュータが"罪"をつくる!?
佐世保事件から子ども犯罪に変化の兆し
 小、中学生の「夏休み」の声が近づいてきた。おそらく楽しい"計画"も話し合われていることだろう。しかし、ことしの夏休み前の"論陣"は、そんな気軽な話でお茶をにごすわけにはいかなくなってしまった。さきごろ、長崎県佐世保市で小学6年の女子生徒が、同じクラスの女子生徒の首をカッターで切りつけ、殺してしまうという悲惨な事件が起きてしまったからである。「防衛ホーム新聞」である以上、この事件を中心に夏休みを過ごす上で注意しなければならないことを読者の皆さんとともに考えていく必要があると思ったからである。
 この事件の特徴は、パソコンという機器が被害者と加害者との間に大きく介在していることである。女子生徒同士のパソコンを通してのおしゃべり(チャット)が、「殺してやる」原因になってしまっている。
 ひと昔前の子どもの「交友」や「遊び」は、仲良しが、みんな集まって、駆けたり、隠れたり、おままごと遊びをしたり、実に明るく開放的だった。交わることで自然に人の気持ちを理解し、ひいては社会性の第一歩を身に付けていった。勉強にしてもそうだ。難問にぶつかると、勇気を出して教師に質問をしたり、同じ進路を選んだクラスメイトと一緒に解いたりしながら「明日への栄えの道」を歩んだものである。
 ところが、近年の子どもの"遊び"は様変わりした。少子化のせいもあろうが、遊びの第一歩が「テレビゲーム」である。一人、テレビのブラウン管に映るゲームとだけ闘う。そこには第三者が立ち入る余地は全くない。
 通信手段も大きく変わった。昔は、人から人へ、直接、話しかける「会話」が主だった。「おしゃべり」の最中、相手の顔の表情、口調、素振りなどから、「勘」を働かせて相手の本音を探ろうとし、本心を理解することができた。「対話」の良さである。
 いまは違う。まず、携帯電話である。声を出し合う電話から「メール」時代になった。乗り物の中や、待合室、歩いている時でも、携帯電話でメールの交信をしている風景は、あちこちで見られる。電話を見ながら一人ニヤニヤ。いい感じではない。
 つぎに流行しているのが、パソコン通信である。ホームページという「じぶんだけの通信枠」を確保し、そこに思い付くことをどんどん書き込んでいく。相手が誰であろうと「知ってもらいたい」一点張り。つぎにグループまたは2人だけの「おしゃべり通信」=チャットである。チャットが、佐世保の事件では、"殺意"を決断する大きな要因になったといわれている。
 直接の会話では、相手になにか気に入らないことをいわれたら、その場で、すぐ、言い返したり、間違いを正したりすることができる。ところが、チャットでは、それができない。掲示板に書き込まれたホームページ上の悪口は、書かれっぱなしであり、言われっぱなしである。チャットは短語であることが条件である。だから、ムードもなにもあったものではない。「重い(肥満)」「髪がダサイ(髪形が野暮)」「クサイ(いやな性格)」。そんな短語がくどくどと並ぶだけである。ついさきごろまで、同じバスケット部員であり、親友と信じてチャット交信をしていたクラスメイトが、少しの時間で"変身"してしまったから、そのショックは大きかった。加害者の性格が温和から凶暴へと急激に変わっていったのだという。「バトル・ロワイアル・ゲーム」−−あたなは参加しますか?。殺意への下準備。そして「殺すしかない」。あまりにも少女的な結論→実行。わが国の犯罪史上でも例を見ない悲惨な殺人事件だった。
 確かにコンピュータ万能時代である。コンピュータ抜きにしては世の中が回転しなくなってしまっている。コンピュータ知識と技術を子どもの頃から身に付けさせる。小学校、中学校でも、コンピュータ教育に力を入れている。それを否定するものではない。しかし"教育"の名の下に、すべてを教えるのはいかがなものか。こんどの事件は、節々(ふしぶし)の「段階」の必要性を浮かび上がらせたのではないか。通信の秘密は大切。しかし、夏休み中、「うちの子はどんなことを通信し合っているのだろうか?」。一度だけのぞいてみてはどうだろう。そして「親に話したい子どもの話」を聞いてあげたら。

防衛ホーム 俳句コーナー
 海月浮く落暉に映ゆる波の色  亀田多珂子
 一人居の庭に客とし雀の子  金井 トミ
 水馬雨と見まがふ水輪描く  生嶋千代女
 滝音に天と地黙しをりにけり  樫田 湖風
 供華のなき検校の墓雨深し  朝倉サカエ
 鰻焼く油まみれの扇風機  桑野 英毅
 池隅に恋のボートのそれらしく  畠山 征宇
 人生もかくありたしや揚花火  山下 峰
 向日葵の咲くたましき力欲し  荒木 斗星
 目の前の大滝仰ぐ屋久の島  大元百合子
 木漏れ日も共に吸ひ込む蟻地獄  羽田 豊道
 凡にして凡にあらざる冷奴  津田 啓子
 夏草に追ひかけらるる夢を見し  久保田紀子
 とりどりの風の来てゐる風鈴屋  藤澤うらら
 病窓の一片の雲爽やかに  和田 一菜
 峡の音ひとつ集め河鹿鳴く  山地 里水
 蛍見の幽玄の刻ありにけり  中川 敦子
 道路に線引くごと燕来て反転  西丸 寛月
 勉学の苦しみを知る梅雨の夜  川村 和栄
 退官の声喜々として梅雨晴間  坂本 順一
     選者吟
 片陰に居てこの街のこと知らず  保坂 伸秋
     (「栃の芽」誌提供)
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