防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1036号 (2020年10月1日発行)
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雪月花
 65年前に中学校の3年間を担任していただいたK先生が5月に93歳で亡くなられた。筆者たちが卒業するのを見届けるように先生も教職を去り実業界に入られ何十年も連絡が取れなくなっていた。10年ほど前突然先生から連絡が入り奄美大島にいるから当時の教え子に会いたいと言われた。四国の最南端から奄美大島までは、70才に近い元生徒にはちょっと厳しい。東京に住んでいる筆者がお伺いすることになった、2時間のフライトで名瀬空港に。先生は友人の車で奄美大島南端の瀬戸内町に着くまで「うちの学校の名前は世界一長いんだよね」とか27人の生徒の名前を上げながらお話は止まらない。その晩のカラオケから翌日の島内巡り。先生のお顔は当時と変わらず生き生きしていた、筆者もはしゃぎっぱなしだった。次回は大勢で来ることを約束した。家庭の事情で先生はご家族とは別れて一人暮らしだったせいか年齢を加えるにしたがって元生徒に会いたくなったようだ。5月3日、あの時車を提供していただいたMさんからK先生の死去の電話をいただいた。「施設に入っていたので連絡をとる身内はいなかった、あんたの名前だけが出てきたがウィルス問題もあり火葬に付して昨日海に遺灰をまいたよ。」町の福祉の人と葬儀屋さんだけで太平洋に向かったそうだ。先生には防衛ホーム新聞を読んでいただいていた、その新聞を瀬戸内町の役場に持っていき総務課長や町長(当時)にもよんでいただいたとか。「近く自衛隊が奄美に来るから取材にきなさい、一緒に式典を見に行こう」とも。筆者が体調を崩していたので実現しなかったことが悔やまれる。先生は入院中にMさんに防衛ホームがポストに溜まるから役場に届けるようにとも頼んでくれていた。先生には本当に防衛ホームを可愛がって頂いた。身内がいないため先生には位牌もなく入るお墓もない、先生が存在していたことを証明するのはMさんや元生徒の証言だけだ。お盆には先生に褒めていただいた弊社販売の「撃まんじゅう」を遺灰がまかれた海に流していただいたがその海に参れるのはいつの日になるか。
 「世界一長い名前」高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山中学校 ローマ字になおすと?(所谷)

深化を遂げた北海道訓練センター(HTC)
陸自最大級の実動対抗演習
<教育訓練研究本部>
 9月3日〜9日までの間、陸上自衛隊教育訓練研究本部長(田中重伸陸将)を担任官として、矢臼別演習場(北海道)において令和2年度北海道訓練センター(HTC)第2次運営が実施された。本運営は本年3月以来、訓練評価支援隊(隊長・山下博二1陸佐=北千歳)新編後2回目の運営となる。実施にあたって、陸上幕僚長(湯浅悟郎陸将)が本運営を視察した。
 統制官となる訓練評価支援隊長山下1陸佐は、状況開始に先立ち実施された統制センター編成完結式の訓示において「実動対抗演習が最大限の成果を獲得できるよう統制を実施せよ」「自己の任務・地位・役割を踏まえて積極的に行動せよ」と要望した。
 攻撃部隊として第10師団の第33普通科連隊を基幹とする第33戦闘団(戦闘団長・向田俊之1陸佐)が、防御部隊として第5旅団の第6普通科連隊基幹とする増強第6普通科連隊(連隊長・佐藤靖倫1陸佐)が参加し、普通科連隊を基幹とする諸職種協同に係る練度の向上を図ることができた。
 第1次運営で得られた教訓を深化し、対戦車ヘリコプター(AH-1S)の実機による参加や、航空自衛隊による近接航空支援(CAS)の様相も取り込み、運営の実戦的要素を更に高め、現代戦の実相に近い環境を構築した。

<第6普通科連隊>
 第6普通科連隊(連隊長・佐藤靖倫1陸佐=美幌)は9月3日から9月9日までの間、矢臼別演習場において令和2年度北海道訓練センター実動対抗演習第2次運営に参加した。
 第2次運営は、戦車部隊及び野戦特科部隊を含む諸職種協同の普通科連隊等に対し、実動対抗演習の場を設定し、指揮幕僚活動の定性的な評価により、諸職種協同等に必要な練度の向上に資することを目的に行われ、本訓練においては、第6普通科連隊は増強普通科連隊(防御部隊)として参加し、第33普通科連隊(久居)を基幹とする第33戦闘団(攻撃部隊)と実動対抗演習を実施した。
 9月3日午前2時に状況開始と同時に情報小隊が前進して偵察活動を実施し、午前6時に連隊主力が作戦地域へ前進、速やかに防御準備に移行した。
 9月5日午前7時に前方地域の戦闘が始まり、敵の遅滞・阻止及び敵戦闘力の減殺に連隊は全努力を集中するとともに、9日午前7時30分には主戦闘地域における防御戦闘が開始され、敵の攻撃に対して、連隊は積極果敢に抵抗し、同日9時25分状況終了となった。

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