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自衛隊ニュース   1121号 (2024年4月15日発行)
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「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
株式会社ハレックス 業務部予報センター 八尾幸藏
八尾氏は令和5年2月に航空気象群本部(府中基地)を最後に1空佐(特別昇任)で定年退官。57歳
 私は、航空自衛隊航空気象群本部防衛部長(府中基地)を最後に令和5年2月に退官し、同年3月にNTTグループ唯一の総合気象会社、株式会社ハレックス(東京)に就職いたしました。弊社は、創業30周年を迎え、防災気象情報を時系列で分かり易く可視化した『気象災害リスクモニタリングシステム』の運用や気象予報士によるサポートなどを提供しています。全国の自治体や多くの民間企業から高い評価をいただいており、私も微力ながらその一翼を担っております。
 さて、私は再就職にあたり、当初、援護担当部隊を新田原基地(宮崎)とし、鹿屋基地(鹿児島)を通じて故郷の自治体での再就職を調整していただいておりましたが、定年の1年前に援護担当部隊を府中基地(東京)に変えました。再就職の場所については、母が故郷で一人暮らしをしているため、夜も眠れないほど悩みましたが、妻や母の面倒を見てくれる親戚、鹿屋及び府中の各援護室長と相談を重ね、最終的に自宅のある東京での就職に決めました。各援護室には大変お世話になったわけですが、援護室に自分の悩みをしっかりと伝え、理解していただくことが再就職をする上で非常に大切なことであると感じました。コロナ禍での職探しは非常に大変だったと思いますが、ライフスタイルに合った仕事を探していただきました。職務内容は、前述したとおりですが、弊社はコロナ禍以降、在宅勤務と出社のハイブリット勤務が制度化されており、東京の自宅と鹿児島の実家の両方で勤務させていただいています。当初は単身赴任を覚悟していましたが、幸いなことに悩みを解決していただきました。当時の援護室長には大変感謝しております。
 入社してちょうど一年、まだまだ学ぶことが多い状況ですが、会社に貢献するため、誠実かつ謙虚な姿勢でお客様の満足度向上に微力ながら尽力する所存です。最後に、一生懸命頑張っている隊員にはしっかりとした再就職先が待っていると思います。援護を信じて付になるその日まで、自衛隊の任務遂行にしっかりと寄与していただきたいと思います。

レンジャー教育 ご家族の思い

成 長
第33普通科連隊(久居) 飯野3曹の妻 飯野伶美奈
 今年に入り、まだ寒さが続く頃、「今年レンジャーに行くことになると思う」という報告を受けました。数年前に一度レンジャー訓練へ行ったものの、ケガで帰ってきたことを知っていたので、心配になった覚えがあります。
 夏頃から準備を始めていましたが、その頃からヒザの調子がよくないと言っており、病院へ通う日々が続いたため、またケガをして帰ってきてしまうのではないかと思うことも多くありました。弱音を吐くようになったのは、試験に合格した頃からでした。弱音を聞きながら、選ばれたからにはやり切って帰ってきてほしいというのが本音でした。
 そしてついに訓練が始まる日になり、泣いている夫にただ「頑張れ」その一言しか声を掛けられませんでした。その後連絡はほぼ取れず、日曜日の外出時にやり取りをする日々が続きました。そのやり取りの中に弱音は入っていたものの、頑張って卒業する!との発言もありました。それを見てきっとやり切って帰ってくるだろうと思いました。
 そしてその思い通り、今回の帰還式を無事迎えることができました。
 帰ってきた夫は、ここからがスタートだという意識を持っており、成長を感じました。訓練は終わってみると、大変だった中に楽しさがあったようで、思い出話をたくさん聞かせてもらっています。
 今回の訓練で指導してくださいました教官助教の皆様、厳しい訓練の中で支えてくださいました学生の皆様、本当にありがとうございました。短期間でここまで成長できたのは皆様の支えがあったからだと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
 未筆ではございますが、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

レンジャー帰還式に参加して
第33普通科連隊(久居) 早川3曹の実父 早川栄一
 この度はレンジャー帰還式にご招待いただきまして、ありがとうございました。
 帰還式では、約3カ月という期間、過酷な訓練を終えた隊員達の、疲労困憊で帰還された姿が印象的でした。改めまして、「レンジャー!おめでとうございます。」
 今回、息子がさせていただきましたレンジャー教育訓練は、「憧れ」と「目標」であったように思います。訓練に参加する前は、いろいろと心配と不安があったようですが、私にできることは、今回の訓練に参加すると決めた息子の背中を押し、応援することだけでした。息子にとっての「憧れ」と「目標」に対して、こんなにも早く挑戦させていただけましたことはとても光栄なことです。
 9月中旬、訓練が開始され、息子とは連絡を取ることはありませんでしたが、私の中では、過酷である訓練が一刻も早く修了してくれないか、という無事を祈る気持ちだけで毎日が過ぎました。そして11月中旬、帰還式への招待状が届きました。招待状が届いたことでの安心感もありましたが、その後も私自身、不安な気持ちを払拭することはできませんでした。
 迎えた帰還式、チヌークから隊員達がロープを伝って降りてくる姿を見て、やっと安堵の気持ちを抱くことができました。その後、レンジャー旗を掲げての入場が始まりました。その時の息子の姿は覇気のない、頼りない姿でした。しかし、その姿こそがレンジャー教育訓練を耐え抜いた「レンジャー隊員の姿」であると認識しました。帰還式の後、隊員達は大勢の仲間から迎え入れ祝福され、仲間の支えがあってのレンジャーであると、感動を覚え、その光景は目に焼き付いています。
 子供の頃、「人の為になれる人間になる。」と言っていたとおり、これからはさらにレンジャーの名に恥じぬ活躍を期待しています。
 3カ月に及ぶ訓練、お疲れさまでした。

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