海上自衛隊幹部学校(学校長・江川宏海将=目黒)は、2月13日から17日まで目黒地区大講堂や関東周辺で「第27回インド太平洋海軍大学セミナー」を開催した。1998年から開催されているもので、インド太平洋諸国における海軍大学の大佐級の教官等が一堂に会して、テーマに沿った意見交換や文化研修を通じて相互理解を深めた。今回は日本、アメリカ、イタリア、インド、インドネシア、イギリス、オーストラリア、カナダ、シンガポール、タイ、韓国、中国、チリ、ニュージーランド、フィリピン、フランス、ベトナム、ペルー、マレーシアと初参加となるカンボジア、トンガ、フィジーの過去最多となる22カ国が参加した。
参加者は、「平和で安定し、繁栄したインド太平洋に向けて、法の支配に基づく国際秩序の維持」を主題に、「『治安』『環境』に関連した海洋安全保障における脅威と海軍の取り組み」、「各国・地域との連携・協力と海軍の役割」について議論を交わした。期間中は慶應大学の土屋教授による基調講演や横須賀基地研修に加え、明治神宮や浅草等の名所を訪ねて日本の文化にも触れる機会を設けた。
江川学校長は開会式で本セミナーを通じて「対話を通じ皆が互いに学び合えること」、「その学びのプロセスによって、より良い協力ができること」、「協力することが最終的に地域の安全保障に役立つこと」の3つを期待すると述べ、「参加者相互の交流が、自由で開かれたインド太平洋の維持に資する海軍間協力を進展させ、ひいては共存共栄の国際社会の一助になることを祈念します」と挨拶した。 |