第5普通科連隊(連隊長・伊藤裕一1陸佐)は1月31日から2月1日までの間、八甲田山周辺において、令和5年度八甲田演習を実施した。
本演習は、今を去ること122年前、旧陸軍の八甲田山雪中行軍遭難事件において不幸にして護国の礎となられた山口少佐以下210柱の勇士を偲び、諸先輩方の遺訓を継承し、そのご遺志を全うすべく昭和40年に初めて実施。その後、昭和46年より毎年実施している演習であり、今年で55回目となる。
任務の自信へ
本演習の目的は、「積雪寒冷地における部隊の基本的行動の練度向上」であり、冬季におけるスキー行進の練度向上を図るとともに、陸軍歩兵第五聯隊の遺訓を継承し、武人としての使命感を醸成することを狙いとして実施された。
1月31日、連隊長は幸畑陸軍墓地での参拝において、山口少佐以下210柱の英霊に哀悼の誠を捧げ、伝統の継承と更なる部隊の精強化、そして本演習の完遂を誓い、出発の辞とした。
翌2月1日、初参加者34名、女性自衛15名を含む隊員約560名が重さ約20キログラムの背のうを背負い、4人一組でストーブ、灯油、水缶及び宿営資材を積載した重さ約150キログラムのアキオ(曳きソリ)を曳行し、小峠を出発。厳寒の中、目標である銅像茶屋へ向け、約7・5キロのスキー行進を開始した。
銅像茶屋到着後、馬立場にそびえ立つ後藤伍長像に拝礼し、祈りを捧げた。八甲田演習が初めての隊員もいたが防寒対策、発汗処置、事前訓練により万全に準備を整え約5時間の道のりを全隊員が無事に踏破した。
本演習を終えた隊員の顔は自信と達成感に満ちあふれ、スキー行進の練度向上と郷土部隊としての伝統の継承及び使命感を醸成し、これからの任務への自信につなげた。 |