〜時代の責任を果たす〜
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
平素より自衛隊に対する深い御理解と御厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
一昨年から始まったロシアによるウクライナへの軍事侵略に引き続き、昨年十月、ガザ地区におけるハマスとイスラエルの軍事衝突が勃発しました。
欧州及び中東における戦火を、インド太平洋地域に波及させないために、我が国及び日米同盟の抑止力・対処力を強化するとともに、インド太平洋地域に同盟国・同志国を結集する必要があり、その最前線にある我が国は、正に正念場の時代に入ったと感じています。
本年も統合幕僚監部は、当面の作戦任務を完遂するとともに、将来に向けた統合運用態勢の抜本的強化を進めて参ります。
当面の作戦の完遂については、警戒監視・情報収集、対領空侵犯措置、ミサイル対処、在外邦人等輸送、災害派遣、海賊対処やPKO等の国際任務などを、「複合事態が常態化」する中、大局観を持ちながら完遂して参ります。
統合運用態勢の抜本的強化については、(1)戦略レベルと作戦レベルの融合、(2)防衛力整備と防衛力運用の融合、(3)統合・日米共同・多国間連携・省庁間協力の融合の三つの「融合アプローチ」を推進し、国家防衛戦略で示された「二〇二七年度までに我が国が主たる責任をもって、我が国への侵攻を阻止・排除できるように防衛力を強化する」という目標達成に寄与して参ります。
特に、本年の焦点は、令和六年度末に新設される常設の統合司令部の準備であり、平時から有事までシームレスに領域横断作戦を遂行できる体制を構築し、新設と同時に実効的に運用開始できるよう、全力で準備を推進して参ります。
統合幕僚監部は、本年も、我が国を取り巻く波濤を超えて、統合運用態勢の抜本的強化に邁進し、「時代の責任を果たす」ことをお誓い申し上げますとともに、皆様にとって心穏やかな一年になるよう心からお祈り申し上げ、年頭のご挨拶と致します。 |