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自衛隊ニュース   1103号 (2023年7月15日発行)
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海幕長、蘭海軍司令官と会談
インド太平洋地域での連携強化
 7月10日、酒井良海上幕僚長はオランダ海軍司令官兼ベネルクス(※)司令官のルネ・タス海軍中将の表敬を受けた。ルネ・タス中将は2021年に着任、酒井海幕長とは昨年10月にイタリア海軍主催のシンポジウム以来2度目の会談となった。
 酒井海幕長とルネ・タス司令官は、2021年9月にオランダ海軍フリゲート艦「エヴァーツェン」が横須賀港に寄港した際に防衛交流が進んだことを歓迎し、今後も防衛交流をますます発展させていくこを望んだ。またルネ・タス司令官から、オランダがインド太平洋地域を重要視している旨が酒井海幕長に伝えられ、当地域での連携強化についても一致した。
(※)ベルギー・オランダ・ルクセンブルク3カ国の総称

陸上自衛隊、各国と共同訓練
カーン・クエスト、サザン・ジャッカルーを実施

 令和5年度も陸上自衛隊は、米軍を含む各国との共同訓練が目白押しだ。

【カーン・クエスト23
 6月19日から7月2日の間、陸上自衛隊はモンゴルで実施された国連平和維持活動(PKO)に係る訓練としては世界最大級となる多国間訓練「カーン・クエスト23」に参加した。モンゴルと米国が共催する本訓練には日本を含む21カ国が参加、PKO派遣の能力向上、ノウハウの獲得と共に、参加国との相互理解の促進・信頼関係の強化を図った。日本からは陸上総隊司令官の竹本竜司陸将を担任官として、総隊司令部、隷下の中央即応連隊、国際活動教育隊、北部方面隊から第11普通科連隊が参加した。
 指揮所訓練では多国籍の国連現地司令部が編成され、他国の幕僚と共に連携してPKOの任務遂行に係る幕僚活動を演練した。また実働訓練においても多国籍で編成された指導部による指導を受けた参加部隊が、PKOに係る多様な教訓をもとに、車列警護、国連指定施設警護・検問、文民保護等を演練した。

【サザン・ジャッカルー23】
 6月22日からは豪州で米豪との実動訓練「サザン・ジャッカルー23」を行い、対ゲリラ・コマンドウ対処に係る作戦遂行能力や米豪軍との相互運用性の向上を図った。
 日本からは東北方面総監の梶原直樹陸将を担任官として第44普通科連隊、東北方面特科連隊が参加。米海兵隊からは第1海兵機動展開部隊、豪軍からは第7旅団が参加した。
 今年は豪軍が保有する交戦用訓練装置を使用した対抗演習に陸自として初めて参加し、重要施設等の防護、攻撃・防御に係る行動を演練した。また豪州の広大な訓練環境を活かし、豪軍第7旅団が統制する実弾射撃訓練に参加して迫撃砲を含む各種地形に応じた射撃を演練した。
 陸自は直近でも7月10日から米海兵隊と共に国内で「レゾリュート・ドラゴン23前段指揮所演習」が始まり、7月20日からは豪州で米豪軍等との実動訓練「タリンスマンセイバー23」を控える。今後も米のみならず、二国間、多国間での訓練を通じて相互運用性の向上、信頼関係強化を図っていく狙いだ。


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