第3施設団(団長・河口弘幸陸将補=南恵庭)は、5月8日から同年5月19日までの間、北海道大演習場(恵庭・千歳、島松各地区)、矢臼別演習場等において、「令和5年度北部方面隊演習場春季定期整備」を実施した。
本整備の目的は、作戦運用の実効性向上に資するため、訓練基盤の充実を重視した演習場整備を実施し、北海道の道場化を推進することであり、各部隊は特有の施設技術を積極的に発揮し、担任する整備任務を着実に実施しつつ、作戦能力・従来施設技術能力向上の他、特にICT・新素材等先進的な技術の定着向上に力を入れ、与えられた任務を完遂した。
「プライドとこだわりを見せよ」
整備隊長(団長)は、本整備が融雪後訓練最盛期を迎える準備として非常に重要な整備であることも踏まえ、特に実施する事項としてライフサイクルコストを考慮した「新素材を活用した施工」、迅速性をもって施設科の未来を切り開くための「ICT化の定着・改善」、意思決定の迅速化に寄与する「システムによる工程管理・指揮幕僚活動」等を挙げた。そして整備隊長要望事項として「施設科としてのプライドとこだわりを見せよ」「施設科としての未来を拓け」「安全管理の徹底」の3点を掲げた。
装輪車道約261km、装軌車道約104kmの路面成形等を実施
北海道大演習場及び矢臼別演習場等において、装輪車道約261km、装軌車道約104kmの路面成形等に加え、ため枡浚渫及び埋戻し整備、RC道荒廃箇所整備、漕舟訓練場整備、テンサーを使用した機動路新設整備、D・BOXを使用した装軌車道路盤強化整備等の整備、機力支援として道内各地の演習場等における戦車射場拡張整備等、全ての整備任務を完遂した。特に、安全管理についてはKY(危険予知)活動を導入し、全隊員に作業内に潜む危険要因を抜け漏れなく列挙・認識させ、具体的な対策を確立・共有し安全を確保した。
また、本整備間に恵庭市長の原田裕氏、北広島市長の上野正三氏、登別市長の小笠原春一氏等の演習場整備視察受けや南恵庭駐屯地モニターの訓練見学を実施して、第3施設団のICTにより先進化された施工を見学してもらった。見学者は広大な演習場に驚くとともに、最先端の技術を用いて演習場内を整備する姿に関心を持った様子であった。 |