私たち防衛大学校ラグビー部は、学業と訓練にまい進するとともに、ラグビーを通じて真の武人となる資質を高めています。我々は、各国の士官候補生との相互理解を早期に醸成することが、我が国の安全保障を担う上で非常に重要であると考えており、過去に2度、2013年にイギリス陸軍士官学校、19年にオーストラリア国防軍士官学校と交流試合を行なっていて、今回は3度目の国際親善の機会となりました。
70周年記念し
2023年は防大ラグビー部創部70周年ということで、海外遠征を企画し、ラグビーW杯がフランスにて開催されることから、フランスに声をかけ、海軍士官学校が快諾してくれました。同時に、フランス海軍士官学校とイギリス海軍士官学校が定期戦を行なっていたため、3カ国による対抗戦となりました。
3月20日、成田出発予定便の機体トラブルにより1日遅れでの到着となった後の22日、初戦は移動の疲れが残る中、イギリス海軍士官学校との試合でした。相手は体格も技術も一枚上手でしたが、防大の強みであるフィットネスを生かし最後まで走り抜き、数少ないチャンスを得点につなげ、36-7で勝利を収めました。
翌23日第2戦は、フランス海軍士官学校との試合でした。大幅にメンバーを入れ替え臨んだ試合は、天候が悪く、双方にミスが目立つ内容となりましが、防大は展開を果敢にしかけ、3トライを挙げ、19-10で勝利をあげることができました。2戦とも防大の激しいプレッシャーで相手を圧倒し、ピンチの場面で何度も相手のボールを奪い返しました。失トライを最小限に抑えることもでき、ディフェンス力での勝利だったと思います。
日の丸背負う
アフターマッチファンクションでは各士官学校の紹介を行い、自国文化を象徴するお土産などを交換し、食事などを通じて交流を深めることにより国際感覚を涵養しました。
また、フランス海軍士官学校が所在するブレスト市と防衛大学校が所在する横須賀市が姉妹都市であり、双方市長のギフトを受け渡しました。本遠征が友好都市の架け橋となり、地域創生の一助になったことも成果の一つでした。
そして、最も大きな成果は学生の成長です。今回の対抗戦では全ての選手が日の丸を背負って戦うマインドを持って試合に挑みました。これらの経験から、将来幹部自衛官として国防の最前線に立つ崇高な任務を請け負う者に必須の責任感を醸成することができたと思います。また、本遠征の計画から実行までを学生が主体的に行うことで、良くも悪くも準備段階の重要性を体感することができました。
このような海外の士官学校との対抗戦は防衛大学校学生として必要な資質を高められる貴重な機会であり、通常のリーグ戦などでは中々得難いものです。防大ラグビー部としては今後も継続的に海外の士官学校との対抗戦を企画していこうと考えています。
2年後日本で
まずは2年後の2025年に今回交流したイギリスとフランスの海軍士官学校に加え、アメリカの士官学校を含めた4カ国対抗戦を日本で開催したいと考えています。そのためには、運営ナレッジの継承や運営資金獲得などさまざまな課題が存在していますが、一つずつ解決していき、対抗戦の実現に向け前進していきたいです。
防大ラグビー部は、4年間を通じて幹部自衛官となるための教育・訓練を受けるとともに、ラグビーに打ち込んでいくことで、自己能力の進展を図ることができます。互いに切磋琢磨しながら高め合える仲間を募集しています。横須賀の地でお待ちしています。 |