自衛隊では、組織の精強性を維持するという観点から、若年定年制と任期制という特殊な退職制度を採用している。いずれの退職制度においても一般の公務員に比べ若くして退職することになるため、ほとんどの自衛官が再就職による第2の人生を前提として、日々、任務を見つめて職務に邁進している。
「自衛隊新卒」とは
「自衛隊新卒者」とは、任期制(期間を区切って任用する制度)の退職自衛官を意味する。彼らは、自衛隊を途中で辞めた中途退職者ではなく、定められた任用期間を最後まで全うした隊員達であり、仕事に対する責任感、チームで協力する協調性、厳しく自己を律する厳正な規律心などが養われている。自衛隊では、このような人材と中途退職者との差別化を図るため、彼らを「自衛隊新卒」と呼称して、再就職の援助の対象としている。
2回目となる自衛隊新卒者入社説明会
一方で、彼らにとって第2の人生に対する不安は大きい。そんな状況の中、三和シヤッター工業株式会社は、4月3日に東京都板橋区の本社にて、第2回目となる「自衛隊新卒者入社説明会」を実施した。本行事は、一抹の不安を抱えて入社に臨む自衛隊新卒者を激励することで、彼らが不安を解消し、今後の活躍を期することを目的として行われている。本紙では以前、1回目の説明会を紹介した(2022年9月1日号)。2022年の第1回入社説明会にて、先輩社員として自衛隊新卒者に激励の声をかけたのが、当時入社5年目だった坂下OBだ。「私たちと手を取り合って、一緒に頑張りましょう」と激励を受けた当時の9名は、全員が正社員として登用されて活躍している。そして、2回目となる今回は、7名の自衛隊新卒者が参加することとなった。
自衛隊OBが生き生きと働けるために
自衛官OBが活躍することは、現役自衛官が後顧の憂いなく任務に邁進するための何よりの支えだ。三和シヤッター工業株式会社では、本説明会の他にも、自衛隊新卒者用の教育プログラムの新設、元気に活躍している姿をかつて勤務していた部隊に本人自ら報告する帰郷報告など、自衛隊新卒者が生き生きと働ける様々な施策を、企業と自衛官OB社員が一丸となって実施している。 |