|
|
945号 (2016年12月15日発行) |
|
|
雪月花 |
87歳の男性が学童の列に車を突っ込み一人を死なせた、東名高速では車線を逆走する、スーパーではブレーキとアクセルを間違えて駐車場から店内に向けて暴走するなど毎日のように高齢者による車の事故が報じられている。これを受けて高齢者の運転免許証返納が話題になっている。65歳以上の免許証保持者は15年末で1710万人、37年には人口の20%が70代後半の後期高齢者になるというのだからみんなが返納したら社会はどんな状況になるのか、いま研究が進められている自動運転車に頼るのか?しかし実用化はまだまだ先のようだ。都会の交通アクセスの充実している地域は問題ないにしても地方の若手が居ない高齢者ばかりで鉄道やバス路線が廃止された所では生存権の問題にもなってくる。買い物や病院に行く時はもちろんだが外部との交流も遮断されてしまう。筆者自身もこの問題に直面するようになり真剣に悩んでいる。免許証には年齢制限はないのだから更新できる間は持っていてもいいじゃないか、若い時は東名高速を120キロで飛ばしたもんだ、油断せずに緊張と慎重を忘れずに走るから大丈夫だなどなど自分に都合のいいように理屈を付けている。しかし交通被害者の惨状を見ると足がすくむ。年齢を重ねるとどんな運転のプロでもどんなに注意しても無事故100%とは保証できない。被害者になるのはお断りだがそれ以上に加害者になるのも絶対に嫌だ。50年走り続けたがそろそろ終わりの時期かもしれない。 |
|
NEXT → |
|
|