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自衛隊ニュース   936号 (2016年8月1日発行)
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第43期レンジャー帰還式
33普連
手にした「レンジャーバッチ」
新たに16名が誕生
第33普通科連隊(連隊長・下本昭司1陸佐=久居)は6月27日、連隊本部前において、4月18日から6月27日の間で実施された第43期部隊集合教育「レンジャー」(以下、43期レンジャー)の帰還行事を実施した。
 レンジャー訓練は困難な状況を克服して任務を完遂できる技能及び精神力を養うことを目的に実施され、「陸上自衛隊の中で最も過酷な訓練」と表現されるほど厳しく、訓練間、学生達は身体的にも精神的にも局限まで追い込まれることになる。訓練期間は大きく基礎訓練と行動訓練で分けられ、前段は体向上運動、生存自活訓練、ロープ訓練など行動訓練を克服するための体力、技術及び精神力等を体得し、後段は主に山岳地で数日間の連続日程で各種任務(想定)を遂行するものである。途中の各訓練課目で検定が行われ、合格しなければレンジャー隊員への道が閉ざされるため、学生は仲間と助け合いながら必死の思いで各種関門を通過していく。
 帰還式は4夜5日の最終想定を乗り切った16名の学生(33普連14名、10特連2名)がレンジャー旗を先頭に駐屯地に進入すると、沿道に並んだ駐屯地の隊員達と故郷から駆けつけた家族が、割れんばかりの拍手と歓声で出迎えた。学生は過酷な訓練により疲労困憊であったが、大きなかけ声をかけながら気力を振り絞り連隊本部まで歩みを進めた。学生長鈴村3陸曹が連隊長への帰還報告の後、「勝利」の象徴である月桂冠に囲まれた「堅固な意志」の象徴であるダイヤモンドを意匠とするレンジャーき章が連隊長から学生一人一人に授与され、感きわまり涙を浮かべる者もおり、自らもレンジャー隊員である下本連隊長は感慨無量の様子で学生の左肩に手を添え、過酷な訓練を労った。
 連隊長は訓示で「ここまで良く頑張った。しかしながら、レンジャー隊員の道はこれで終わりではない。日々精進し、先輩のレンジャー隊員に追いつけるように努力していってもらいたい」(要旨)と述べ、訓練を乗り越えてきた学生に更なる技術向上を要望した。
 行事終了後、学生達は所属する中隊へ帰還報告を行ったほか、家族と対面し、久々の笑顔をこぼしながら訓練間の様子を語っていた。訓練間、鬼のような面持ちで学生達を指導してきた教官・助教達もこのときばかりは、表情が緩み感慨深げであった。
 今回、新たに16名のレンジャー隊員が誕生した。彼らは今後、経験を重ね技術を磨き、部隊の力強い戦力として国防の任にあたっていく。

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