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899号 (2015年1月15日発行) |
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新防衛大臣に中谷元衆院議員
「原点回帰」を基本方針に
「再び諸君と働くことになり誠に光栄」
「リーダーシップを持ち率先垂範の気持ちで」 |
中谷元新防衛大臣は高知県出身、57歳。土佐高等学校、防衛大学校を経て陸自に入隊し普通科部隊で小銃小隊長、レンジャー教官等を経て2陸尉で退官後に政治の世界に入り、1990年に初当選。2001〜2002年に第1次小泉内閣で防衛庁長官を務めた。
昨年12月24日、特別国会が召集され、衆参両院本会議の首相指名選挙で安倍晋三衆院議員(自民党総裁)が内閣総理大臣に選出された。安倍首相は直ちに18人の閣僚を任命。同日、皇居での首相親任式と閣僚認証式、初閣議などを経て、正式に自民・公明連立の第3次安倍改造内閣が発足した。17閣僚は再任で防衛大臣のみ中谷元衆議院議員が新たに任命(安全保障担当大臣兼務)され、これに伴い翌25日に防衛大臣の離着任行事が行われた。
12年ぶりに防衛相に復帰した中谷大臣は着任式で、「再び、志を同じくする防衛省・自衛隊の諸君と国家、国民、国益のために働くこととなり誠に光栄に感じると共にこの職責の重さに身の引き締まる思いがいたします」と全隊員に訓示した。訓示の中では、統合機動防衛力の構築に努めること、防衛省改革の推進、安全保障法制の整備に向けた準備を着実に進めることの3点を目標として掲げた。年が明けて1月5日の年頭の辞では、昨年を振り返り、真っ先に、関東や四国の雪害、広島の土砂災害、御嶽山の噴火に伴う行方不明者捜索等、相次いだ災害派遣の現場で活動した隊員を労った。また、不安定さを増す日本の安全保障環境下において、「昼夜を問わず、我慢の限界に耐え、緊張感を持って、警戒監視などの任務についている隊員の皆さんがいます」と述べたほか、ジブチの海賊対処、南スーダンPKO等海外での活躍にも触れたことはもちろん、業務隊や全国地本、研究職の隊員等にも言及、「皆さんが心を合わせて、いついかなる事態が発生するか分からない状況の中、それぞれが与えられた任務・職務を常に緊張感を持ってきちんと遂行していることで、我が国の防衛は成り立っていること、ここで、心から感謝し、御礼を申し上げます」と全隊員への深い感謝の気持ちを表した。
中谷新大臣は年頭の辞の最後に「原点回帰」を基本方針として掲げた。中谷新大臣の原点は自衛隊にあるのだろう。1月11日に行われた第1空挺団「降下訓練始め」視察の際、空挺隊員が訓練に用いる高さ11mの跳出塔から跳び降りた。率先垂範の気持ちからの行動という。13年前の防衛庁長官時代にも同様の跳び降りを行った。最初にここから跳び降りたのは防大生時代のこと。30年以上前に思いを馳せる中谷新大臣の表情は往時を想像させる若々しさに満ちていた。 |
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