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896号 (2014年12月1日発行) |
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平成26年度自衛隊音楽まつり
強い絆、仁の心を表現
3日間で約4万1000人の観衆を魅了 |
11月13〜15日、日本武道館で平成26年度自衛隊音楽まつりが開催された。約1000人が出演した全7公演に、14日の江渡聡徳防衛大臣、左藤副大臣、岩田陸幕長や13日の原田政務官、河野統幕長、武居海幕長、齊藤空幕長、15日の石川政務官をはじめとした約4万1000人が来場した。
今年は自衛隊音楽まつり50回目、自衛隊創隊60周年という節目の年。世界各国との強い絆と人を慈しむ仁の心で今後も平和国家日本の歩みを前へと進める「前へ MOVE ON〜強き、絆の響き。熱き、仁の力動〜」というテーマを全4章約2時間の構成で見事に表現し、観客を魅了した。江渡大臣は開演に先立ち「今回のテーマは、昨年策定された新防衛大綱で新たな1歩を歩み始めたことからつけられた。陸海空の絆のみならず、外国ゲストバンドをはじめとした同盟国、世界との絆を力強い音楽で表現したい」と挨拶をした。
薄暗い会場では、スクリーンに開演までのカウントダウンが表示され、小さくなる数字と反比例して観客の期待と熱気が高まっていく。「0:00」、ドラマ「仁」のテーマ「Reborn」の演奏の中、音楽まつりが静かに開演し、50回の歴史がステージ上に映し出された。12日のリハーサル公演の前では、今年4月に入隊したボーカリスト松永美智子2陸士が、歌姫・三宅由佳莉3海曹とのデュエットを披露、彼女もまた節目の年に初めての大舞台に立ち、この先新たな歴史を刻んで行く。
第1章「from Japan」では北部方面音楽隊が「故郷」、東部方面隊が「朧月夜」等を披露。美しい演奏が懐かしい景色を思い出させる。「固い演奏のイメージがあったけれど、表現の豊かさに驚いた」という声が聞かれた。続いてゲストバンドの米海兵隊第3海兵機動展開部隊音楽隊は「Happy」で、ボーカルがステージを所狭しと動き回る。周囲から「まるでライブ会場だったね」という声も。同じくゲスト出演の在日米陸軍軍楽隊はビートルズの「Hey Jude」を第1章出場部隊全員で演奏。サビでは観客と一緒に笑顔で手を振った。2年前のロンドンオリンピック開会式で同曲が歌われた時の一体感が思い出された。
第2章「to Asia」では防衛大学校儀仗隊によるファンシードリルでスタート。将来を担う若人が見せるキレのある演技に会場がどよめいた。そして今回初参加のフィリピン海兵隊軍楽隊。トランペット奏者が外向きに円陣を組み早吹きするコミカルな演奏で会場を沸かせた。続いて空自中央音楽隊・海自東京音楽隊・陸自中央音楽隊の順でドリル演奏を披露。空中音は白とブルーを基調とした演技隊が鮮やかに舞い、空自60周年記念曲「蒼空」では「60th Anniversary」との文字が描かれた大幕が颯爽とステージを駆け抜けた。海自では隊員が四方八方に交差するスリリングな「マゼランの未知なる大陸への挑戦」の後、三宅由佳莉3海曹ボーカルによる「STAND ALONE」で会場をしっとりとさせた。陸中音は特別儀仗隊を担任する第302保安中隊と共に重厚な演奏を披露。「陸・海・空それぞれ特徴があって飽きなかった」という声も聞かれた。
(2面に続く) |
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