防衛省の政策方針の周知徹底と当面する重要課題の意見交換を目的に、第48回自衛隊高級幹部会同が、自衛隊最高指揮官の安倍晋三首相を迎え9月12日に防衛省で行われた。小野寺五典防衛大臣、左藤章・佐藤正久両政務官、折木良一防衛大臣補佐官、西正典事務次官をはじめ各幕僚長、部隊・機関の長(将官)ら約180名が出席。内閣総理大臣訓示、防衛大臣訓示、事務次官説示、統合幕僚長挨拶、作家・浅田次郎氏の講演、防衛研究所・統合幕僚監部の各発表が行われた。安倍首相は高級幹部を前に訓示の中で「現実とかけ離れた建前論に終始し、そのしわ寄せを現場の自衛隊員に押し付けるようなことはあってはならない」とし、そのために、国家安全保障会議の創設・国家安全保障戦略の策定・防衛大綱を見直し南西地域の防衛体制の強化を含めた自衛隊の対応能力の向上に取り組む、など、「現実を直視した我が国の安全保障政策の立て直しを進めている」と述べ、フランスの哲学者アランの「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」を引用して、意志の力で安全保障政策の立て直しを「必ずや実行していく」とし、「諸君にも、強い意志を持って、日々それぞれの持ち場において、自衛隊の果たすべき役割を全うして欲しい」と要望した。次いで小野寺大臣は訓示で「共に取り組むべき三つの点」として「現下の厳しい環境に対応した防衛態勢の強化」、「日米同盟の更なる強化」、「国際的な安全保障環境の安定化のための積極的な取組」を挙げた。また、孫子の『謀攻篇』から引用し、国家を補佐する将軍の役割の重大さを説いて「国家の補佐役としての使命の重みを片時も忘れることなく、自衛隊25万人の陣頭にあって常に率先垂範し、益々任務に精励されることを期待する」と要望した。 |