空自幹部学校(学校長・吉田浩介空将)は11月5日から14日の間、多国間セミナー(第12回指揮幕僚課程学生多国間セミナーと、第17回国際航空防衛教育セミナー)を開催した。
アジア太平洋地域諸国等の空軍の中級幹部による安全保障などに関する意見交換等を通じて、国際的視野を拡大し、参加国間の相互理解の深化、信頼醸成、教育訓練の向上に役立てることが目的。
今回のセミナーには14ヵ国の空軍から14名と、幹部学校から指揮幕僚課程の学生や教官など約70名、航空支援集団と技術研究本部から4名が参加。航空支援集団司令官・<INLINE NAME="画像枠" COPY=OFF>中雅之空将が「自衛隊の人道支援、災害救援への関与と国際協力—東日本大震災の教訓について—」と題して、大震災対処の際に統幕運用部長として全自衛隊の作戦指揮をした経験をもとに基調講演を行い、セミナーのオープニングを飾った。
指揮幕僚課程学生多国間セミナーでは、とくに多国間協力を主題として「各国空軍の現状、課題と今後の方向性」について日本を含む15ヵ国がプレゼンテーション。続いて各国混合の6グループに分かれ「アジア太平洋諸国等空軍の多国間協力、現状と課題および今後の方向性」について活発な討議と発表を行った。
2日間にわたって行われた国際航空防衛教育セミナーでは「大規模災害における空軍の諸活動と課題—支援国、被支援国双方の視点から—」をテーマに各国が発表、2グループに分かれた討論を行った。参加国在京武官も聴講するなど、参加各国の相互理解と情報共有の貴重な機会となった。
皇居や浅草寺での散策、江戸東京博物館の見学といった文化研修も行い、空自幹校は「今回のセミナーを通じて深まった相互理解と構築された人的ネットワークを活用し、参加者が各国空軍のそれぞれの役職において、様々な分野での多国間協力の促進に寄与することが期待される」としている。 |