海上自衛隊の遠洋練習航海部隊(指揮官・大塚海夫海将補=練習艦「かしま」「あさぎり」、護衛艦「みねゆき」で編成)の帰国行事が10月27日、東京・晴海埠頭で行われた。実習幹部約180名を含む総員約730名は、156日間にわたって約5万5000キロを航海し、6ヶ国14寄港地を歴訪した。
当日は雲一つない晴天に恵まれ、午前9時に練習艦「かしま」「あさぎり」、護衛艦「みねゆき」が順次岸壁に接岸、隊員の家族らが出迎えた。帰国行事には神風英男防衛政務官、杉本正彦海幕長、河村克則横須賀地方総監をはじめとする防衛省・自衛隊の高級幹部、国会議員や協力団体などが列席する中、大塚練艦隊司令官が帰国報告を行った。これを受けた神風政務官は、実習幹部に対して「今回の航海を通じて初級幹部として必要な知識と技能を身につけるとともに、国情を異にする各国の国防体制や文化等に接し、国際的視野と高い識見を培ってきた。諸官はこれからそれぞれの任地に赴き、幹部自衛官としての第一歩を踏み出すことになる。自衛隊に対する国民の期待に応えるべく、常に誇りと自覚を持ち、今後とも不断の研鑽を積んでいくことを期待する」と述べた。続いて、杉本海幕長が訓示で、「海上自衛隊の全ての活動目標が海の上にあるのを肝に銘じ、この5ヶ月間の海上勤務における厳しさと楽しさを忘れることなく、いかなる配置にあろうとも海の上を基本とした物の見方・考え方を持ち続けてもらいたい。そして諸君は、その若さをもって失敗を恐れず、まっすぐ正直に、行き脚のある初級幹部として何事にも積極的に挑戦し、精進を続けてもらいたい」と実習幹部を激励した。その後は来賓紹介と祝電披露等が行われ、協力団体からの花束贈呈で帰国行事を終えた。
遠洋練習航海は昭和32年から行われ、今年で55回目。初級幹部としての基礎的な知識・技能の習得、シーマンシップの育成などを目的とし、同時に訪問国との親善を深めることで国際的視野を養う。今回は北・中・南米の各都市を歴訪し、現地との交流を図った。
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