10月1日、自衛隊記念日行事の一環として航空自衛隊主催の「体験飛行」が行われた。
今迄は入間基地だけでの開催だったが、今年は三沢基地、入間基地、浜松基地、那覇基地で開催。5・6倍の倍率の中、見事当選した人達は、各地で思い出に残る時間を過ごしていた。
4基地の中で唯一YS-11の体験搭乗をした「浜松基地」。集合時間の1時間前からぞくぞくと人が集まってくる。車のナンバーは浜松のみならず、他県のものも多数見うけられる。「初めて当選しました。他の3基地はCH-47JでYS-11に乗れるのはここだけと聞き2重の喜びです」と、当選葉書を大事そうに握りしめている神奈川県から来たご夫婦。
待ち合い場所の格納庫では、展示してあるT-4の写真を撮る人、隊員に質問をする人と様々。中には「今日渡そうと思って書いて来た」激励メッセージを隊員に渡す子どももいた。美保基地から来たYS-11がいよいよ飛び立つと、待っている人は一斉に航空機に向かって手を振っていた。
航空機の中では、眼下の風景や室内での記念撮影に一生懸命。「ベルトをはずしていいですよ」のアナウンスと同時に全員カメラを手に立ち上がる。コックピットを覗きに行く人、シートの下を覗き込む人、緊急脱出の説明書までもが、カメラの中に納められる。民航機では少し大きく揺れると「うわぁ〜」という声が上がるが、この航空機の中では恐がる声は聞こえない、むしろ揺れを楽しんでいるようだった。
「テレビで見た災害派遣の自衛隊員は怖そうに見えたけど、今日の隊員さんはとても優しかった」「楽しかったぁ、地図が見えた」「思ったより飛行機は小さいんだね」などと言いながら、名残惜しそうに基地から帰って行った。 |