12月2、13の両日に香港で開催された東アジア大会において4名の自衛隊体育学校所属選手が参加し、池田ひとみ2曹(柔道女子78kg級)が金メダル、浅野大輔3尉(柔道男子60kg級)が銀メダル、山下敏和2尉(射撃10m)、吉岡3尉(ウエイトリフティング男子85kg級)がそれぞれ銅メダル、出場選手全員がメダルを獲得した。また、12月12、13日に開催されたグランドスラム東京2009国際柔道大会に國原頼子2曹、平井希2曹が出場し、それぞれ銅メダルを獲得した。 〈柔道〉東京でワールドランキング制度導入元年を締めくくるグランドスラム東京大会が開催されている中での大会だが、中国、韓国、北朝鮮、台湾、モンゴル等の近隣アジア諸国が参加し、JOC派遣である意味は大きく、日本チームは絶対負けられない。そんな中、柔道第一日目12月12日、女子78kg級に池田2曹が出場。池田は初戦、韓国のパク・ジョンゴンに一本勝ち、続くモンゴルのツルバトにも一本勝ちし、大学時代にもこの東アジア大会を制している池田は2回目の優勝を飾った。また、柔道第2日目12月13日、男子60kg級に出場した浅野3尉は、モンゴルのダルグバトリに一本勝ち、続く予選ファイナルは中国のリに技あり×1、有効×1で勝利を収め、決勝は北朝鮮のキム。しかし、浅野はキムに一本勝ちで敗れ、準優勝に終わる。 東アジア大会 〈射撃〉ライフル競技第3日目12月7日、男子ライフル10mエアー競技に参加した山下2尉は予選を594点4位で通過したが、決勝では勝負強さを発揮し、ファイナル103・5点を獲得、逆転で銅メダルを獲得した。 〈ウエイトリフティング〉ウエイトルフティング競技第3日目12月9日、男子85kg級に出場した吉岡3尉は自己新記録には及ばないもののスナッチ150kg、ジャーク170kg、合計320kgで銅メダルを獲得、日本ウエイトリフティングのメンツを保った。 グランドスラム東京 12月12日、女子63kg級に出場した平井2曹は初戦ハンガリーのガスパーを押さえ込み合わせ一本で勝利し、続く2回戦もオーストリアのアンターワルザハーにも試合開始1分30秒押さえ込みで一本勝ち、予選ファイナルもロシアラワジナを2分38秒押さえ込みで一本勝ちし順調に勝ち上がる。準決勝の相手は09世界選手権王者上野順恵。決して本調子ではない上野は平井に柔道をさせない。試合開始25秒、攻めきれない両者に指導。そして、1分05秒、防戦する上野に自分の持ち味が発揮できない平井に指導。上野に有効のアドバンテージ。だが、1分27秒、上から組み手をつぶしにかかる上野に試合前からこういう展開になることを予想し狙っていた袖つり込み腰を仕掛け、上野が体が畳に沈んでいくが、浅い掛りのため、有効を奪えず。危機感を抱いた上野は、防戦一方の展開となるが、パワーの勝る上野を攻めきれず、2分3秒、両者指導。また、3分25秒、またもや、両者指導となり、4本の指導を受けた平井はここで反則負けとなり、平井は3位銅メダルが確定。結果的に敗れた平井だが、上野との距離は確実に縮まっていることを印象づけ、今回ポイントは獲得できなかったものの、最終的なワールドランキングは11位、来年1月の2009年度真の世界一を決定するマスターズ選手権出場は確実となった。マスターズの戦いで、今度こそ上野越えを果たしてもらいたい。 また、同じく女子70kg級に出場した國原2曹は、1回戦オランダのボルダーに試合開始3分47秒で一本勝ちすると、2回戦はカナダのズパンシス。試合開始37秒で技ありが決まり、そのまま押さえ込みの態勢となるが、状態が不十分。その後、逆に國原が押され気味の展開となるが、守りきり國原の勝利。予選ファイナルはドイツのグレーブが2回戦での負傷により棄権のため國原の準決勝進出が決定。準決勝はワールドランキング2位のメサロシュ。試合は上背に勝るメサロシュを攻めきれない國原が指導を試合開始52秒、1分53秒に受け、メサロシュ有利のまま、試合が運び、國原は敗れ、3位銅メダルに終わる。この大会で國原は120ポイントを稼ぎワールドランキング7位が確定、1月の世界マスターズ選手権出場を決めた。 (以上、体校広報)