6月14日午前8時43分頃、岩手県内陸南部でマグニチュード7・2の強い地震が発生、岩手県奥州市、宮城県栗原市で震度6強、宮城県大崎市で震度6弱を観測した。全半壊、一部破損の家屋は400棟以上、死者12人、行方不明者10人、負傷者約350人に上る大災害となった。気象庁は、この地震に「平成20年岩手・宮城内陸地震」と命名した。被災地では、余震が断続的に頻発する中、一時電気、ガス、水道が止まり、大規模な崖崩れ、土石流も発生、せき止め湖が約15カ所に出現するなど、その対応に追われている。
防衛省は地震発生後、直ちに災害連絡室を設置、情報収集にあたった。陸自は東北方面隊(第6師団、第9師団等)を主力に、また、海自は第2航空群、空自は松島、秋田救難隊などが情報収集を開始した。10時50分に岩手県知事から、11時に宮城県知事から、それぞれ自衛隊に正式に災派要請があり、各部隊は被災地に前進、活動を開始した。栗原市駒の湯では、22普連(多賀城)、44普連(福島)が人命救助、捜索活動を、道路が寸断され孤立した住民約150人を東北方面航空隊(霞目)や第9飛行隊(八戸)がそれぞれヘリで救出、避難所へ空輸した。また、奥州市のバス転落現場では、空自松島、秋田両救難隊のヘリが17人を救助した。これまでに自衛隊が救出した被災者は約400人にのぼっている。
22日までに、派遣人員延べ約1万6830名、車両約4350両、航空機約438機の規模で、災害派遣活動を続けている。