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   2006年9月1日号
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平成18年度富士総合火力演習
一般市民ら8万人が感動
霊峰富士の下、迫真の戦闘訓練
実戦さながらに砲弾鳴り響く
陸上自衛隊が誇る最新の装備を展示、迫力ある実弾演習が繰り広げられた
会場からは大きな歓声と万雷の拍手
 平成18年度富士総合火力演習が昼間・夜間の予行や教育演習、一般公開も含め8月24、26、27日の3日間にわたって陸自東富士演習場畑岡地区で行われ、富士学校(学校長・直海康寛陸将)、富士教導団(団長・牧幸生陸将補)を中核に人員約2千人・戦車・装甲車、火砲・航空機など多数の陸上自衛隊装備品が参加、実戦さながらの火力戦闘を展示した。また、3日間で一般市民ら約8万人がこの迫真の戦闘訓練を見学した。
 この演習は、昭和36年以来、富士学校の学生教育の一環として陸自の保有する各種火力等の効果と現代戦における火力戦闘の様相を認識させるために開始され、昭和41年から一般公開も行われている。今年の一般公開日の27日には、朝早くから公募に当選した市民ら多数が御殿場駅からの臨時バスなどで会場に詰めかけ、広い演習場内の見学席はぎっしり超満員となった。
 午前10時すぎ、額賀福志郎長官をはじめ防衛庁・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、各国駐在武官、関係団体の長らが来賓席で見守る中、前段の陸自主要装備品の紹介が始まり、特科火力・迫撃砲・誘導弾・対人障害・ヘリ火力・普通科火力・戦車火力の順で高度な戦闘能力を公開。特に、りゅう弾砲が空中で破裂してオレンジ色の光で富士山の形を描く様子、遠方の風船や四角の的を指向性散弾と誘導弾が的確に打ち抜く様子、AH―1S、CH―47Jヘリコプターと軽装甲機動車、89式装甲戦闘車、90式戦車などが連携を保ちながら展開、射撃していく様子などには、会場から大きなどよめきとともに拍手が沸き起こっていた。
AH−1S、CH−47Jが連携を保ちながら航空攻撃
 富士学校音楽隊による音楽演奏をはさんで11時半から後段の「攻撃の場を通じた諸職種協同の戦闘様相の展示」が始まった。上空に各種ヘリコプターが飛来、航空偵察やヘリボン行動に続いて、いよいよ攻撃を開始。りゅう弾砲、迫撃砲、装甲戦闘車、戦車などのすさまじい実弾射撃音に思わず耳をふさぐ観客も。演習場に発煙弾の白い煙が覆い、全部隊が上空と地上に集結、敵陣へ向け前進しながら総攻撃を開始。総火演のクライマックスを迎えた。
 演習終了後、装備品展示やビデオ放映も行われ、一般市民らが終日熱心に見学していた。
 

500ポンド爆弾2発を同時爆破
空自「滑走路復旧訓練」
 平成18年度「実爆を伴う滑走路被害復旧訓練」が8月9日、宮城県の王城寺原演習場で実施された。この訓練は毎年実施されているもので、今年は中部航空方面隊が担当した。航空施設隊の滑走路被害復旧能力の向上などを目的として、中部航空方面隊司令官の外薗健一朗空将を訓練部隊指揮官に中部航空施設隊(田口克己司令)を中心とした訓練で人員約220名が参加した。
 あらかじめ設置した45m×35mの模擬滑走路を500ポンド爆弾2発で爆破(=写真)、その後、重機を使用しての弾痕を復旧し、飛行場の運用を再開させるという内容で、この訓練の状況は、第1移動通信隊により全国の基地に衛星回線で中継された。
 爆撃されたとの想定のもと、弾痕状況を化学防護衣を着用しての調査、これは化学兵器が使用された可能性があるためで、弾痕の調査後、いち早く飛行場を再開するために、どのように普及するかが検討され、復旧活動が開始された。500ポンド爆弾2発の爆破により浮き上がったコンクリートを除去し、土砂により埋め戻し、表面を平にする。狭い滑走路上に多くの施設器材がぶつかることなく行き交う様子は正に圧巻であり、普段からの訓練の賜。そして滑走路復旧マットを展張、敷設、固定、最後に飛行場のマーキング、非常用滑走路灯が設置され、訓練は終了した。
 陸海空各自衛官、防衛施設庁職員や米軍関係者など200名以上の研修者、また、地元テレビ局による取材の中、訓練は整斉と行われ、最後に、外薗中空司令官から隊員に対するねぎらいの言葉があり、訓練を終了した。

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