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   2004年12月15日号
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新田原基地で航空祭 2面

大野長官がサマーワ、クウェートを視察
現地から「引き続き支援を」 の声あがる
派遣期間1年延長に
 大野功統防衛庁長官が12月5,6の両日、防衛庁長官としてはじめてイラク南部サマーワでイラク人道支援活動を行っている陸自復興支援群とクウェートのアリ・アルサレム基地を拠点に輸送支援活動を行っている空自派遣輸送航空隊を視察、隊員を直接激励した。
 イラク・サマーワの陸自宿営地では、松村五郎3次群長はじめ4次隊として7日に任務を引き継ぐ福田築群長、田浦正人業務支援隊長らの出迎えの中、派遣隊員の栄誉礼、儀じょうを受け巡閲した。
サマーワ宿営地で派遣隊員の儀仗を受ける大野長官 
 次いで、群本部での状況報告を受けたあと、宿泊施設、浄水施設など宿営地内の各施設を視察。午後には、軽装甲機動車でサマーワ市内へ移動して治安状況や付近の道路改修を視察した。
 また、宿営地でハッサニー・ムサンナ県知事、現地オランダ軍司令との懇談がそれぞれ行われ、大野長官は県知事にサマーワの治安維持と陸自部隊の安全協力を要請。県知事は「治安は以前よりも更に良くなっている、自衛隊をまもる事は私の義務」と述べ、自衛隊は住民から歓迎されているとした上で、感謝状と派遣延長を求める手紙が手渡された。
大野長官にムサンナ県知事から感謝状と派遣延長を求める嘆願書が手渡された。
 大野長官は整列する派遣隊員を前に訓示に立ち、まず、嵩高な使命のもとに、遠く日本を離れ、家族や仲間と離れて、異郷の地で活動している隊員たちに心からの敬意を表したあと、先日、長官宛てに送られた「日本の自衛隊は正に平和と安全の鳩、一つ一つの家庭の偉大な客人」とのサマーワ評議会からの手紙を紹介。重ねて中越地震の視察の際に聞いた一般の国民の自衛隊に対する感謝の言葉を引用しながら隊員たちを激励、さらに、「これまでの評価の上に新たな気概をもって、このイラク人道復興支援に邁進してほしい」と一層の任務遂行を要望した。
 また、「12月14日で期限切れとなる基本計画の問題をどのように国民に訴え、皆様に益々中東地区の、あるいは世界の平和のメッセンジャーになってもらおうかと考えている」と述べるとともに「現在は今まで付随的な任務だった国際協力活動を自衛隊の本来の任務にしていこうと議論している段階。中東の中央に位置するイラクの復興、民主主義国家になる道のりの一つ一つの大きな柱となるようお互いに心を一つにして、これから平和のメッセンジャーとして頑張ってください」と激励した。
 大野長官の帰国後、政府は臨時国会を開き9日、派遣期間を来年12月14日まで延長することを決めた。
防弾チョッキに身を包み宿営地に降り立つ大野長官ら
クウェートのアリ・アルサレム基地で空自派遣隊のC-130輸送機を視察する大野長官(右から2人目)

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