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   2004年2月15日号
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第1次イラク復興支援群出発
小泉首相が激励
旭川駐屯地北体育館で行われた隊旗授与式で陸自本隊退院600名に小泉首相が訓辞を述べた
「武士道の国の自衛官らしく」
陸自本隊に待機授与式
<北海道旭川駐屯地>
 「武士道を誇りとし、誠実に規律正しく堂々と」──。北海道旭川市の陸上自衛隊旭川駐屯地内で2月1日、イラクを復興支援するための陸自本隊が「編成完結式」を行った。式には本隊隊員や予備要員ら約600人が参加。約800人の家族や来賓が見守る中で「隊旗授与式」が行われた。「第1次イラク復興支援群」群長・番匠幸一郎1陸佐は、胸中を「武士道」と表現し、任務完遂の決意を記者会見で語った。「大変な名誉として受け止めイラク復興に尽くす」ことを宣言するとともに「1人でも多くの国民に自衛隊を応援してほしい」と訴えた。日本の使者として自衛隊にしかできない貢献がある。国民の期待を一身に、2月3日には第1陣約80名の隊員が千歳空港から政府専用機でクウェートへ飛び立った。(関連2・6・12面)
 石破長官から手渡された白い隊旗のもとに集う600人の隊員たち。誇り高きサムライの志で「心をこめて任務を果たす」。日本人を代表して陸自本隊がいよいよサマワに派遣される。
 午前11時32分。フラッシュを反射して輝く国旗を背負い、派遣隊員たちが駐屯地内の北体育館に颯爽と入場した。曇りない眼差しの我が子、我が夫の横顔に、家族たちは万感の思いで声援を贈った。
 式典には小泉純一郎総理大臣、石破茂防衛庁長官、川口順子外務大臣、中川昭一経済産業大臣ら閣僚が列席。安倍晋三幹事長や神崎武法公明党代表ら政府・与党幹部をはじめ、中島啓雄政務官、石川亨統幕議長、先崎一陸幕長、北原巖男内局官房長、西川徹矢運用局長など防衛庁・自衛隊の高級幹部が出席した。菅原功一旭川市長や関係自治体首長、衆参国会議員も応援に駆けつけた。黄色いリボンを胸につけ、隊員が無事に任務を完遂して帰国すること祈念した。
 群長の入場後、12時までに来賓が着席。開式の辞に続いて総理と長官に栄誉礼が行われた。登壇した石破長官から番匠群長に隊旗が手渡されると、群長の手により高々と掲げられた部隊の象徴が誇らしげにひるがえった。
第1陣の隊員はクウェートの米陸軍キャンプに到着後、気候に適応するための訓練などを行い、装輪装甲車などで国境を越えサマワへ。先遣隊と合流し宿営地を建造する。
3月下旬までに本隊の主力が3回にわたってサマワに入り、イラク復興支援特別措置法に基づきインフラの復興や医療活動などの人道支援を行う。(写真=石破防衛庁長官が第1次イラク復興支援群長・番匠1陸佐に隊旗を授与した)
【首相・イラクと世界と日本のために】
日米同盟がいかに大事であるか。戦いではなく人道支援を行い、そして隊員の家族を万全にサポート──
小泉首相と石破長官はそれぞれの訓辞で従来の主張を熱弁した。
 「政治で最も大事なのは日本の平和を守り、生活を豊かにしていくことである」。そのために重要な国際協調の意義を訴えた小泉首相は、「口だけでなく行動で日米同盟に貢献」し、「戦争に行くのではない。イラク人が国を再建する手伝いに行く」という点を改めて強調した。「諸官の働きで最も喜ぶのはイラク国民でなくてはならない」また「イラクが安定して利益を受けるのはイラク周辺国、世界各国と日本である」ことを踏まえ、「復興支援の失敗は許されない。日本のおかげで復興できたと言われるようにがんばって欲しい」と隊員たちを激励した。また「家族は心配と同時に誇らしく思っているはず。イラク派遣に反対の人々も、心で声援を送っていると信じている」と述べ「厳しい訓練に耐えた成果を発揮し、多くの国々とともに任務を完遂して無事帰国してくれることを祈念する」と訓辞した。
【長官・みえない努力が市民を幸せに】
 「苦しいことは他国がやって、利益だけは日本が得るというのは許されない」。石破長官は「日本は国連の要請に協力する義務がある。この任務ができるのは諸官をおいてほかにない」と隊員を激励した。日本を必ず守ると言っている国はアメリカだけであり、「そのアメリカに協力、人道支援すらしないでいいのか」と叱咤。また「冬まつりのために諸官が創った雪像を市民は喜んでいる。人が見ていないところでの自衛隊の努力が市民を幸せにしている」と訓辞した。今後も政府として最大限努力し、安全に最大限配慮することを約束し、また「黄色いハンカチ運動」について触れ、「自分達に何ができるか」という市民の問いかけを紹介した。さらに「群長は私の長年の友人だ。信頼している」「日本を代表する使者として様々な支援をし、立派に期待に応えて任務を果たしてほしい。帰りを待つ家族のもとへ必ず帰還することを祈念し、諸官の任務完遂を確信する」と述べた。

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