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   2002年11月1日号
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海自創設50周年記念 初の国際観艦式 東京湾
参加11カ国、艦艇17隻の一大ぺージェント

「しらね」艦上で各国艦艇の登舷礼に応える観閲官の小泉首相
(写真=畑島岳士)
 海上自衛隊創設50周年を記念して、日本の歴史初めての国際観艦式が10月13日、穏やかな秋の日差しに恵まれ、晴海沖の東京湾で行われた。参加は11ヵ国の外国艦艇を含めて41隻で、前日の予行と合わせて招待者、一般参加者等約1万2千人が海自艦艇に乗艦、海の一大イベントを見学した。13日午前10時すぎ、観閲宮の小泉純一郎首相、石茂防衛庁長官、赤城徳彦副長官、小島敏男、佐藤昭郎両政務官、伊藤康成事務次官、竹河内捷次統幕議長はじめ防衛庁・自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、各国駐在武官らが乗艦した護衛艦「しらね」が晴海を出港、約1時間後に実施海面に到着した。次いで、韓国、インド、フランス、オーストラリア、マレーシア、ロシア、ニュージーランド、チリ、タイ、シンガポール、アメリカの外国艦艇17隻と海自艦艇9隻が順次整然と停泊している間をぬうように観閲部隊が航行、次々に各国艦艇から登舷礼を受けた。観閲終了後、小泉首相が「しらね」艦橋で挨拶に立ち「国際観艦式を通じて各国の防衛当局間の交流が促進されることは国際社会の平和と安定に寄与するもので、今後とも参加国の海軍間の交流が一層深まるよう」要望した。なお、国際観艦式に合わせて艦艇の一般公開、電燈艦飾、満艦飾、スポーツ交歓、市中パレード、軍楽隊演奏会などの行事も開催され、14日(祭日)の晴海での一般公開には約5万人が訪れるなど連日大勢の見学者で賑わった。(関連記事12面)

 午前10時20分、先導艦「むらさめ」に続いて、小泉首相、石破長官を乗せた観閲艦「しらね」が晴海から出港。岸壁を離れ、徐々に速度を上げ「しらね」は受閲部隊の待つ東京湾内会場へと向かった。出港の様子を「しらね」の観閲台から見ていた小泉首相は、厳しい表情を時おり緩め甲板などで手際よく仕事をこなす乗員にも感心した様子だった。「しらね」の乗員の一人は「国際観艦式という晴れの舞台で艦長はもちろん一同張り切ってます。訓練の成果の見せ所です」とその意気込みを語った。また会場に着くまでの間、記念撮影をする隊員の姿もあり、隊員たちにとっても記念すべき海の式典となった。

 「本日天気晴朗にして浪静か。天候に恵まれ」と小泉首相の言葉にあったように、秋晴れの下、海自の各艦をはじめ11ヵ国17艦艇が湾内に整列。その受閲部隊の間を「しらね」を中心とした観閲部隊が航行した。

 自衛艦だけでなく各国海軍の艦艇にも関心が集まり、中には見学者の問から歓声が上がる艦艇もあった。台計26の艦艇観閲を終えた「しらね」は再び晴海に戻りこの日の国際観艦式は終了した。

 国際観艦式の開催にともない各地で様々なイベントが行われた。晴海や横浜新港、木更津、横須賀の岸壁では海上自衛隊を含む参加各国の艦艇一般公開があり、多くのファンが会場を訪れた。

 10月14日、晴海埠頭で行われた一般公開は天候にも恵まれ、家族連れやカップルが迎えられた海自隊員と記念写真を撮ったり、乗員の案内をうけながら、迷路のように入り組んだ艦内の様子を見学したりと終日賑わった。この日公開されたのは護衛艦「しらね」「しまかぜ」「むらさめ」「ゆうぎり」「やまぎり」と韓国海軍の艦艇。前日の観艦式の模様をテレビ等で見た、という人も多く、小泉首相が乗艦した「しらね」には特に人気が集まっていた。

 「乗艦チケットを応募したが当選しなかったのでせめて一般公開で乗れれば」と訪れる人もいて、中には「動いている艦艇にも乗りたかったけど砲弾を持てたりと楽しい」と語る人も。

 また、晴海では12日の夜、停泊する艦艇の電燈艦飾も行われ、ライトアッブされた艦艇を前に見学者たちはレインボーブリッジや湾岸の夜景と合わせた光の競演をいつまでも楽しんでいた。(小川郷太郎)


チリ

フランス

マレーシア

オーストラリア

ロシア

韓国
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8面(2002年国際観艦式記念海図)
12面(浪穏やかな東京湾)

華やかに前夜祭
音楽演奏や兜贈呈式も
 国際観艦式の実施に先立つ10月10日、神奈川県の横須賀芸術劇場で音楽演奏による前夜祭が行われ、参加各国の海の男など1600人が出席した。海自八戸基地女性隊員の「八戸火炎太鼓」や海自東京音楽隊などの演奏に出席者たちも大満足。特別ゲストに歌手の安室奈美恵さんも登場するなど会場は大いに盛り上がった。

 また、その席では、古庄幸一海幕副長から17ヵ国の代表に徳川家康が戦場でかぶったといわれる兜が贈呈された。海上自衛隊を応援する有志が国際観艦式のために本場の山梨県で特別に製作したもの。

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