防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1035号 (2020年9月15日発行)
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警備犬アイオス号永眠のお知らせ
<入間>
 航空自衛隊入間基地で警備犬として活躍していた国際救助犬のアイオス号が、令和2年8月18日、低たんぱく血症が悪化し血便のため入院、深夜に永眠した。享年7歳だった。
 アイオス号は、平成29年国際救助犬試験に合格。その後、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)で行方不明者5名の発見に、平成30年北海道胆振東部地震で行方不明者8名の発見に、令和元年台風19号で行方不明者2名の発見などに貢献。平成30年9月26日には、小野寺五典防衛大臣から褒賞状を受賞している。葬送式で人犬一体となって活躍したハンドラー笹田3曹は「アイオスとの想い出は語りきれません。最高の親友であり、相棒でした。天国では美味しいものを食べて、ゆっくりと過ごしてください。今まで本当にお疲れ様でした。ありがとうございました」と挨拶した。これからアイオス号は、天国から後輩警備犬たちを見守ってくれるだろう。ご冥福をお祈りします。

緊急登庁支援要員の子供預り
コロナ下を想定した訓練
<築城>
 空自第8航空団(団司令・大嶋善勝空将補)は8月6日、緊急登庁支援要員の運営訓練を実施した。
 本訓練は、大規模災害が発生して自衛隊が災害派遣などに出動する際、基地内に設置する「子供一時預かり施設」の運営手順について演練するもの。今回は、新型コロナウイルス感染予防の観点から子供の預かりは見送り、緊急登庁時に子供を預けたいとする基地内の男女8名の隊員が参加した。
 新型コロナウイルスの影響下での訓練を想定し、新しい生活様式を取り入れた中で実施され、受付、子供の引き取り、食事、遊具を使った面倒見、子供の引き渡しなど、参加隊員が一連の手順を確認。企画運営側と参加者のディスカッションでは、「時間を決めて子供に消毒させては」「時差を設けて子供に食事をさせては」など、子供が密にならないよう安全面に気遣う意見が交わされた。
 訓練終了後、参加者から「今回は子供に気をとられることなく訓練に集中できて良かった」「基地内で子供を預けるサポートがあると有難い」「夫婦で参加している方がいたので、次の機会は主人を誘ってみたい」などの意見があった。
 訓練を企画した業務隊厚生班長(井浦大 防衛事務官)は、「参加者が積極的に状況下に入り有意義な訓練となった。今後は実動に即した訓練を企画し、隊員が安心して任務に従事できるような環境に改善していきたい」と話した。

災害派遣雑感
<府中>
鶴田曹長、附柳1曹、井出2曹(共著)
 我々は、海外において新型コロナウイルスに感染したと疑われる入国者による感染拡大防止のための水際対策強化活動へ航空開発実験集団司令部から派遣されました。簡単に言うと、成田空港に到着した帰国者が新型コロナウイルスへの感染を確認するためのPCR検査の結果が判明するまでの間、ホテルに滞在するため、その間の食事等に関する支援を行うというものです。
 派遣の概要について事前に比較的多くの情報を入手することができたので、派遣に対する不安は軽減されていましたが、それでも、派遣中は高熱が出る夢を見たりと比較的眠りは浅く、それなりのストレスは感じていたものと思います。(鶴田)
 今回の相手が、目に見えないウイルスということで、それに対する向き合い方として、武器弾薬員として普段から身上としている「火薬は手順を守れば安全である。」というものの「火薬」を「ウイルス」に読み替えて、「ウイルスは手順を守れば安全である。」という考え方をしていました。そのお陰で、ウイルスの特性を理解するまではそれを恐れ、その理解を基に行動する際は、自信を持って行動するということができたと思います。(井出)
 教育訓練員やマスター・レジリエンス・トレーナーとして培ってきた技能を今回の派遣では、活かすことができましたし、これまで自分が教えてきたことが正しかったということを再認識することができて、改めて自衛官としての誇りや自信を感じることができました。また、宿泊者から寄せられた弁当の包装紙に書かれた感謝のメッセージには、本当に励まされました。(附柳)
 我々の最後の任務は、民間業者への業務の引き継ぎでした。使用する用語やそれぞれの行動の意味を分かりやすく説明するというところから始める必要がありましたが、みなさん一生懸命吸収してくださり、厚生労働省職員の方からは、「あなた方と活動を共にして、自衛隊から1名の感染者も出ていないことの理由が分かりました。」という言葉もいただきました。
 この他にも、ホテルの従業員や警備員の方などと協力することで、この水際対策は成り立っていました。最後に現場を離れる際には、「後をよろしく頼みます。」という思いと、先にこの場を離れる申し訳なさを感じつつ、後ろ髪を引かれる思いでバスに乗りこみました。
 この派遣で得られた経験は、これからの自衛隊生活の糧となるものであるとともに、また何か起こった際には、自分が役に立てるという自信を与えてくれたものと感じています。

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