防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1013号 (2019年10月15日発行)
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キッズサポートセンター運営能力向上
<宇都宮駐屯地>
 宇都宮駐屯地業務隊(隊長・伊高賢1陸佐)は、8月29日・9月10日、隊員に対する緊急登庁支援訓練を実施した。
 本訓練の目的は、緊急登庁時に子どもの面倒を見る支援を必要とする隊員が利用する「キッズサポートセンター」運営の実施部隊として、子どもの面倒を見る隊員の育成と技能向上を図ることである。
 今回の訓練は、北関東綜合警備保障株式会社(以下「北綜警」という)が運営する認可保育施設の協力を得て、当該隊員の保育施設における実習並びに北綜警の保育士による現地指導という2本立てで実施した。
 北綜警は、警備業務を主体とした企業であり、かねてより自衛隊の後ろ楯として様々な分野で自衛隊を支えてくれている企業である。今回の訓練への協力についても、本施策の趣旨をご理解いただき実現したものである。
 8月29日の訓練は、北綜警保育(託児)センター「まもるーむ」において実際の保育の現場を研修するとともに、保育士の勤務要領、使用する施設・備品、掲示物の工夫等、保育士の説明を受けながら、参加した隊員も積極的に質問し、保育に必要な知識を得ることができた。
 また、9月10日の訓練では、宇都宮駐屯地において、北綜警から派遣された保育士による「キッズサポートセンター」施設の確認と、安全かつ衛生的な施設の運営要領を主体に指導・助言を受け、現行施設の改善点を把握することができた。
 今後も、面倒を見る隊員の計画的な練度の向上を図るとともに、現行の施設運営上の問題点の是正を図る等、整斉円滑な施設運営に向けた各種施策を継続していく。

「真の施設科魂」を胸に46名のエンジニア誕生
 <第6施設大隊>
 第6施設大隊(大隊長・初澤渉2陸佐=神町)は、令和元年9月21日神町駐屯地体育館において、令和元年度新隊員課程後期「施設」及び一般陸曹候補生後期「施設」の教育修了式を実施した。
 修了式では、隊員家族35家族、85名が見守るなか、新隊員を代表して後藤洋之2陸士が教育修了申告を実施し、教育期間中に優秀な成績を修めた3名に成績優秀賞を、3名に射撃賞を、3名に体力賞を大隊長より授与した。大隊長は、式辞において「諸官らが学んだ事は、自衛隊の任務である「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つ」ということの基礎であるとともに、国際平和協力活動や災害派遣等、陸上自衛隊に期待される多種多様な任務を遂行するための、基本中の基本である。配属された各部隊において、この基本を拡充し、さらに高度な技術を身につけ、立派な施設科隊員として成長できるよう、情熱をもって勤務に精錬してもらいたい」と激励の言葉を述べた。
 修了式後、新隊員達は、駐屯地隊員食堂での祝賀会食時に上映された、後期教育期間中のスライドを観賞し、この3カ月間の思い出を振り返りながら語り合っていた。同席した家族も逞しく成長した我が子を目の当たりにして、安堵の表情を浮かべ目を細めていた。
 約3カ月の後期教育を修了した46名のエンジニアの瞳の奥からは、部隊配属に向けた新たな決意が感じられた。彼達、彼女達の原点は第6施設大隊であり、ここで学んだ「施設科魂」を忘れる事なく、これからも高いプロ意識をもって自らの知識・技能の練度向上に努め、「真の施設科魂」を堅持した隊員になることを願っている。

一命を取り留める
人命救助で感謝状
<美保分屯地>
 10月3日、陸上自衛隊美保分屯地所属の犬童洋二3陸曹が、島根県松江市消防本部から感謝状を授与された。
 犬童3陸曹は本年8月4日、島根県松江市美保関町の海水浴場においてレンタルボートで子供と遊戯中、防波堤にいた男性から「約50m沖の知人の状況を確認して欲しい」と依頼を受けて急行すると、溺れて意識のない男性を発見。
 周囲に大声で溺れている人がいる旨を伝達し、近傍にいた男性3名と共にボートに担ぎ入れ海岸まで搬送。その後、近傍の方に心臓マッサージをお願いするとともに、男性の嘔吐物にも躊躇することなく人口呼吸を開始し、救急隊員に引き渡すまでの約10分間、献身的に対応した。
 男性は意識不明の重体であったが、2日後ご家族から一命を取り留め意識も回復した旨の連絡を受けるとともに、約2週間後には男性本人から「あなたのおかげで生きることができました。本当にありがとうございました」と感謝の訪問を受けた。
 また、犬童3陸曹は、「男性が一命を取り留めて本当に良かったです。振り返ると、突然の出来事で当初人口呼吸を実施した際、気道の確保を忘れてしまい上手く息が入りませんでした。しかし、すぐに訓練を思い出し実施することができました。今後も何事にも冷静に対応できるよう日々精進します」と感謝状を授与された際に語っていた。

女性職員用隊舎が運用開始
男性隊舎が自隊施工で生まれ変わる
<小平駐屯地>
 10月1日、小平駐屯地(司令・檀上正樹陸将補)は、女性職員用隊舎の運用を開始した。小平駐屯地には、「警務・会計・人事・法務・システム等」の教育を行う小平学校があり、比較的女性の職員が多く在籍する。そのため小平駐屯地は陸上自衛隊で唯一「女性活躍推進モデル駐屯地」として指定されており、今回の事業はその施策の一環として行われた。新しい隊舎は、これまで男性隊員のみが使用していた64号隊舎8階の全フロアを改修してできたもので、工事は業者ではなく駐屯地の技官12名が通常業務と並行して行った。そのため大幅な費用節減にも成功している。定員は66名で継続運用する旧隊舎と合わせて約130名の収容が可能となり、今後増加が見込まれる女性職員の受入れに対応した。
 「運用開始セレモニー」は協力諸団体代表者を始め陸上幕僚監部からも来賓を迎え、防衛・駐屯地モニター等も参加して64号隊舎前で行われた。檀上司令は「引続き女性隊員、全隊員の生活・勤務環境改善に向けて鋭意努力していきます」と挨拶を行った。テープカットに続き、序幕式が行われ、新旧隊舎の愛称も発表された。新隊舎を地元の名産にちなんで「ブルーベリー」、旧隊舎を小平市市民に愛されてきた木にちなんで「イチョウ」と発表された。
 隊舎がある8階のエレベータの扉が開くと、まず目につくのが木目調のシューズクロークと畳だ。このエントランスで靴を脱ぐことにより、オン・オフの切替えをサポートできるよう設計したそうだ。その先は居住区となりナンバーロック錠を解除しないと入れない。自習室、洗面所、トイレ、洗濯室、乾燥室、娯楽室、女性専用ジム等が改修された。娯楽室とジムが併設されているのも特徴的だ。フロア全体は明るく、落ち着きと清潔感のある仕上がりだ。共用廊下の窓がUVカット仕様であったり、洗面所には三面鏡がある化粧台があったりと女性ならではの意見が反映されている。
 今年2月の工事開始から約7カ月間をかけて完成した新隊舎。改修担当者の高橋恒営繕班長は「完成まで長かったが、自隊施工でここまでできて現場も自信になったと思う」と笑顔で振り返り、「『女性活躍推進モデル駐屯地』として全国の駐屯地に提案していきたい」とも述べた。今後は浴室の設置も計画中で、予算要望中とのことだ。

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