防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   982号 (2018年7月1日発行)
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東北方面フラッグ隊集合訓練を開始
 東北方面隊(総監・山之上哲郎陸将=総監部・仙台)は5月9日、平成30年度東北方面広報基幹要員(東北方面フラッグ隊)集合訓練を開始した。
 訓練担任官である東北方面音楽隊長・酒井伊知郎2陸佐は、訓練開始式において、東北方面隊各部隊から30期生16名に対し「執念を持て」を要望し、執念(そうしようと思い込んで、その実現を片時も忘れない心)の大切さ、心の在り方を常に意識した日々を積み重ねてこそ初めて本物の技術が身に付くと訓示した。
 東北方面フラッグ隊は、6月22日の新隊員終了式(予行)時の演技披露を皮を切りに、8月のフェスティバルinしばた、仙台七夕まつり、岩手巡回演奏、9月の音楽フェスティバル等に出演、11月の自衛隊音楽まつりを最終目標として、各種部内外行事において華麗で凛々しい姿を披露し、陸上自衛隊及び東北方面隊に対する親近感の醸成を図っていく。今後は、心と演技を一つにして統制美を追求し、観衆へ感動を与える、華麗で凛々しい姿を披露できるようフラッグ隊を育成していく。

射撃検定
<21普連>
 第21普通科連隊(連隊長・荒巻謙1陸佐=秋田)は、5月15日、平成30年度自衛官候補生課程(以下48名)の射撃検定を実施した。
 今回の射撃にあたり、前日駐屯地において、射撃予習及び空包射撃による練成を実施し、射場と同様の設備を駐屯地グラウンドに作り上げ、自衛官候補生(以下自候生)たちが現地で動揺せず、実弾射撃に臨めるよう、綿密に準備した。
 射撃当日は、春とは思えないような寒さであったが、寒波を吹き飛ばすほどのやる気に満ち溢れた自候生たちは、事前教育の成果もあり、正確かつ確実な射撃訓練を主眼に臨んだ。その結果、見事全員が射撃検定合格の成果を収めた。
 訓練担当助教の伊藤3陸曹と大庭3陸曹は、「正しい照準及び個癖を矯正して堅確な姿勢をとるように指導した」と語り、全員合格の成果に微笑を隠せない表情であった。
 自候生たちは、今回の射撃の成果を糧にし、教官・助教や部隊の期待を一身に受け、教育終了に向け切磋琢磨していく。

ガス体験訓練
<9特連>
 第9特科連隊(連隊長・野口紀幸1陸佐=岩手)教育隊は6月6日、自衛官候補生に対して「ガス体験訓練」を実施し、個人装備である防護マスクの装面・脱面要領、機能を理解するため催涙ガスの充満した天幕内で装着時と脱面時の違いを身をもって体験させた。
 当初候補生は防護マスクを装着したまま天幕に入り、普通に会話などをしていたが、班長の「脱面!」の指示で防護マスクを外すと、皮膚のピリピリとした痛み、止まらない涙や鼻水に「痛い痛い」など声をあげる姿が見られた。天幕の外に出た候補生からは、「防護マスクってありがたい」などの声があがった。
 本訓練を通じ、身をもって個人装備の機能等について理解を深めるとともに、候補生に対して装備や他の物品に対する愛護心を深めることができた。

25km行軍
<12普連>
 第12普通科連隊(連隊長・渡辺亘紀1陸佐=国分)は、6月2日、25?行軍を行った。駐屯地から霧島市の上野原縄文の森を折り返し、高低差200メートルの道のりを歩いた。4月に10?行軍を行ったが、当日は、30度を超える真夏日で、前半は登りということもあり、背のうと小銃が、重さを増して感じ、足取りが重たかった。
 折り返しとなった、上野原縄文の森には、霧島市隊友会国分支部の会員と渡辺連隊長の応援があり、その声援を力に変え、自衛官の卵達は、己と戦い、25?を無事歩き切った。

ノーサイド
2020東京オリンピックパラリンピックに向けて
北原 巖男
 暑中お見舞い申し上げます。
 冒頭から読者の皆さんがウンザリするようなことを申し上げて恐縮です。日本気象協会の発表によれば、今年の夏の気温は平年並以上!とのこと。猛暑日の襲来です。お互い熱中症にはくれぐれも気を付け、栄養を摂り、この夏を乗り切りましょう。
 特にこの時期は、大規模自然災害発生に伴う隊員の皆さんの出動機会も多いことが予想されます。十分な水分補給と体力維持は、任務完遂の大前提です。
 さて、この暑さの中、とても気になることがあります。
 2020年7月24日から8月9日までの17日間開催される東京オリンピックと、8月25日から9月6日までの13日間実施される東京パラリンピックです。ちなみに前回1964年の東京大会は、爽やかな秋空の下10月10日から24日まで行われ、熱戦が展開されました。
 選手はもちろん、外国人を含む観客や障害者の皆さん、大会スタッフ等の暑さ対策に万全を期すことは、セキュリティと並んでオリンピック・パラリンピックを誘致した主催国日本・主催地東京として、最大の責任事項です。
 厳しい暑さのど真ん中での大会の成否は、一に暑さ対策にかかっていると言っても過言ではありません。
 政府では、既に平成27年5月22日に「2020東京に向けたアスリート・観客の暑さ対策に係る関係府省庁等連絡会議」を設置し、関係府省庁、東京都、組織委員会等が連携を密にし、これまでに無い暑さ対策が今後、レガシーとなるよう、ソフト、ハード面での対策を着実に推進すべく努めてきています。関係府省庁等それぞれの暑さ対策が一つ一つ形に成ってきていると言われ、来年2019年夏には、暑さ対策を全部揃えてテストイベントに臨みたいとしています。日本の威信にかけて、是非、頑張って頂きたいと思います。
 オリンピックやパラリンピックの裏方として支援に当る自衛隊員や警察官、消防隊員の皆さんの暑さ対策にも万全を期することは論を待ちません。
 ところで、今回の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、内閣官房の東京オリンピック・パラリンピック事務局では、参加国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図る地方公共団体を「ホストタウン」として登録して来ています。本年4月27日現在の登録件数は227件、209の相手国・地域となっています。
 私の住んでいる東京都世田谷区はアメリカのホストタウン。JRA馬事公苑での馬術競技の開催や大蔵運動場等でのアメリカ選手団のキャンプ実施が決まりました。
 そして私のふるさと長野県伊那市は東ティモールのホストタウンです。東ティモールは、アジアで一番新しい小さな国。前回のリオオリンピックでは、1500メートル走に男女各1名、マウンテンバイクに女子1名、パラリンピック400メートル走に女子1名が参加しています。僅か4名の選手ですが、みんな全力を尽くしました。
 2020東京大会では、どの種目に何人くらい参加するかは未定です。東ティモールのオリンピック国内委員会は、新たな種目にも派遣したいとの意向を示しています。とても楽しみです。
 ちなみに、東ティモールの言葉でina(イナ)はお母さんのこと。伊那市は、東ティモール選手の日本のお母さん。昨年伊那市を訪問した駐日東ティモール臨時代理大使や東ティモールの高校生たちも、その偶然に喜びを禁じ得ませんでした。伊那市民の皆さんは、母親として、東ティモールの皆さんを熱く全力で応援しています。伊那市では、今後、2020年に向けた準備や大会後を見据えた様々な取組みが進めて行かれることでしょう。
 読者の皆さんの住居地や任地、あるいはふるさとは、どこのホストタウンでしょうか。
 東京オリンピック・パラリンピックが、グッと身近な存在に成るかもしれませんよ。
 北原 巖男(きたはらいわお) 中央大学。70歳。長野県伊那市高遠町出身。元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長

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