防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   981号 (2018年6月15日発行)
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地域と共に
周年記念行事

3師団57周年 千僧67周年
 第3師団(師団長・田中重伸陸将)は、5月13日、兵庫県に所在する千僧駐屯地(司令・大内田憲治陸将補)において、第3師団創立57周年・千僧駐屯地創設67周年記念行事を挙行した。
 「躍動〜地域と共に57年〜」をテーマとし、師団地区内の14個部隊等から人員約850名及び車両約120両が参加し、力強い観閲行進や躍動感あふれる訓練展示等を行い、雨天にも拘わらず、来場した約6350名の国民に対し日頃の訓練の一端を披露した。
 田中陸将は、式辞において昨今の国内外情勢に触れ、「第3師団、千僧駐屯地は、今日に即動し、明日に備える中部方面隊にあって、事態に直接対応する実動部隊として、これまで同様、常時即動態勢を維持しつつ、海空自衛隊はもちろん、地方自治体、警察等、関係機関との連携を強化し、あらゆる事態に的確に対応する力を養って参ります」と述べるとともに、隊員に対して「今一度、自己の職責について自問自答・自覚し、揺るぎない信念を持って我々にしかできないこの使命を共に果たしていこう」と述べ、統率方針である「使命を果たす」について徹底した。
 記念式典や訓練展示を見学した観客からは、「雨の中でもあれだけの動きができるのはさすが自衛隊だと思った」等の感想が聞かれた。
 併せて、駐屯地内において装備品展示、戦車試乗、レンジャー体験、制服試着、野外売店等の催しも行い、イベントやアトラクションを通じ、地域の方々と自衛隊・隊員がふれあう絶好の機会となった。

7師団63周年 東千歳64周年
 第7師団(師団長・小野塚貴之陸将)及び東千歳駐屯地(司令・斎藤兼一陸将補)は、5月27日、師団創隊63周年・駐屯地創立64周年記念行事を行った。
 記念行事に先立ち、5月26日、駐屯地慰霊碑において第7師団及び東千歳駐屯地追悼式が執り行われた。
 追悼式において、師団長は、国家の存立を担う崇高な職務に殉ぜられた44柱の御霊に対して追悼の誠を捧げるとともに、「44柱の尊い志を胸に厳しい任務が与えられようともこれまでの教訓を生かし、『我らここに励みて国安らかなり』の気概をもって、真に国民の負託に応え得る強く頼もしい部隊・隊員の育成に邁進すること」を誓った。
 記念式典において、過去最高の2万1000人の来場者が見守る中、師団長は、「陸上総隊等の新編など、新たな陸上自衛隊が始動する中、第7師団は、機動運用師団の先駆けとして、また、わが国唯一の機甲師団として『最も強く、最も頼もしい決戦戦力』たる実力をぶれずに蓄えることが我々の使命である。さらに、諸職種部隊の協同によるバランスの取れた総合戦闘力を発揮し得る数少ない部隊として、陸上自衛隊の『道場』たる北海道大演習場等において、各種訓練に励み、いついかなる任務であろうと即応できる実力を堅持していく。また、東千歳駐屯地は、現在24個の部隊等が駐屯しており、名実ともに陸上自衛隊最大の駐屯地として、地域との共存共栄の中で今日まで発展してきた。重要度を増す新千歳空港、苫小牧港等、交通の要衡の近傍に位置し、部隊の拠点としても、その存在意義が益々高まってきている。今後とも、『地域とともに歩む駐屯地』として、防災や民生支援を始め、様々な分野において地域との連携を図るとともに、地域の皆様の我々に対する深いご理解と温かいご支援・ご協力に感謝し、『強く、明るく、前向きに』日々汗を流し、国民の皆様の負託に応えていく」と述べた。
 式典に引き続き、副師団長の斎藤兼一陸将補を観閲部隊指揮官として、約1350名の隊員と装甲車両等約390両による陸上自衛隊最大のパレードを実施して、機甲師団の威容を示した。この際、航空自衛隊千歳基地所属のF-15戦闘機2機の飛行展示によりパレードに華が添えられるとともに、第7音楽隊(隊長・鍋澤1陸尉)が作曲したオリジナル車両行進曲「先駆の躍進」「翔ける風」が披露され、来場者を魅了した。
 続いて、第71戦車連隊戦闘団(戦闘団長・大北知史1陸佐)が戦車・装甲車、ヘリコプター等を使用した実戦さながらの訓練展示を行い、その圧倒的な迫力に来場者から大きな歓声が上がった。
 記念行事当日は終始天候に恵まれ、普段は間近で見る事が出来ない装備品等を前に記念撮影を行うなど、来場者は年一回のふれあいを楽しんでいた。

久居66周年
 久居駐屯地(司令・能勢龍一郎1陸佐)は、年4月15日、久居駐屯地開設66周年記念行事を三重県知事・鈴木英敬氏、津市長・前葉泰幸氏をはじめとする多数の来賓、県内外から詰めかけた来場者が見守る中、久居訓練場において盛大に開催した。当日は、朝方の不安定な天気にも関わらず、この日を待ちわびた来場者約5000人が訪れ、66周年を祝うにふさわしい場となった。
『感謝状贈呈式』
 観閲式に先立ち、日頃から駐屯地の発展にご尽力を頂いた団体及び個人に対して駐屯地司令より感謝状の贈呈が行われた。
【感謝状受賞者の団体及び個人(敬称略)】
▽株式会社赤福▽美里龍神太鼓▽有限会社石斎・西川芳樹▽平成28・29年度防衛モニター・木村康洋▽表千家・宮武慶之▽三重県隊友会久居支部長・中尾一旦、第1中隊OB会・佐藤寛治▽第2中隊OB会会長・林清美▽大鷹会・小谷文雄▽個人協力者・八木理恵
『観閲式及び観閲行進』
 午前10時、久居訓練場において、観閲部隊指揮官(第33普通科連隊副連隊長・柳澤和之2陸佐)が指揮する第33普通科連隊及び第10後方支援連隊第2整備大隊第2普通科直接支援中隊、第10音楽隊(守山)、が整列、厳粛に来賓・観衆とともに国旗を迎え入れ、式典が開始された。
 観閲官の能勢司令は、観閲部隊を巡閲後、式辞で「我々は『最後の砦』として、国家、国民の負託に応えるべく、任務あるいは日々の訓練に邁進しなければならない。任務を遂行するために、普段から何をすべきか問い直し、そして努力を惜しむことなく地道に成果を積み上げ、今日よりも明日、日々、新たな気持ちで成長していくことを期待する」(要旨)と力強く述べた。また三重県知事、津市長から自衛隊に対しての強い期待感を感じられた祝辞が贈られ、部隊は士気を更に高揚させた。
 引き続き観閲行進へと移行し、第10音楽隊を先頭に三重県旗、連隊旗と観閲部隊指揮官が乗車した指揮通信車が行進、続いて徒歩行進部隊と車両部隊が威風堂々と行進し、航空部隊が祝賀飛行を披露した。
『アトラクション及び訓練展示』
 観閲式後は、アトラクションとして第10音楽隊と駐屯地らっぱ隊との合同演奏が行われ、音楽隊の華やかな演奏と統制された節度あるらっぱ隊ドリルが見事に調和して観衆を魅了していた。続く第10偵察隊(春日井)によるオートバイドリルでは、スピーディーかつ大胆なライディングテクニックを披露し、動きの激しい中でも一糸乱れぬアクセルターンやジャンプ等を繰り広げていた。その後、久居駐屯地開設記念行事初の第10戦車大隊(今津)による戦車ドリルが行われ、大きな車体の迫力ある機動、一斉射撃や油圧制御による上下左右自在の姿勢変換が行われる度に観客からは大きな歓声が沸き起こっていた。
 アトラクションの最後を締めくくる訓練展示では、第1中隊長(村川政史3陸佐)を指揮官とした諸職種協同の攻撃行動を展示。第10特科連隊のFH-70による天地に轟く射撃や74式戦車の迫力ある陣地進入、明野駐屯地各部隊のUH-1J、UH-60、AH-1Sの各種ヘリコプターによる圧巻の陣地偵察、火力戦闘、空中機動に続き、普通科部隊が敵陣地に突入を敢行。その後、間髪入れず、戦車を始めとした車両部隊が次々と地響きを立てて突入し、敵陣地を制圧し状況は終了となった。式典の興奮は最高潮に達し、あまりの迫力に訓練展示後も会場のどよめきは収まる事はなかった。
『祝賀会食及び関連行事』
 興奮覚めやらぬ訓練場を後にして、来賓及び隊員は駐屯地体育館に移動し、中勢防衛協会(会長・岡本直之氏)主催の祝賀会食が催された。第33普通科連隊協力会大鷹会副会長・片岡氏による乾杯の発声のもと祝賀会食は盛大に開始され、参加者達はオードブルに舌鼓を打ちつつ終始和やかに歓談が続いていた。
 一方、その他の会場では、戦車や高機動車による体験試乗や装備品展示、子供広場での遊具、野外売店、茶会等様々なイベント・ブースが展開され、来場者達は大いに楽しんでいた。
 午前8時30分の開門をもって開始された本行事は午後3時、大盛況のうちに終了となった。
 駐屯地を後にする来場者達からは「迫力満点だった」「楽しく1日が過ごせたよ、また来るよ」などの声が聞かれ、見送る隊員達からは笑顔がこぼれていた。
 また本行事の様子は地元の新聞、テレビなどの多くのメディアに取り上げられ、大きな広報効果も得ることができた。

8師団56周年 北熊本61周年
 第8師団(師団長・吉田圭秀陸将)及び北熊本駐屯地(司令・藤井祥一陸将補)所在部隊は、4月22日、北熊本駐屯地において師団創隊56周年及び駐屯地開設61周年行事を「郷土とともに あらたなステージへ」をテーマに盛大に行った。
 本記念行事に先立ち、前日21日の記念行事総合訓練を隊員家族限定開放の場として活用し、隊員家族の理解獲得に努めるとともに、同日夜は熊本市内ホテルにおいて、歴代師団長をはじめとする招待者等を迎え、機動師団改編報告会を開催、この中で師団の「現在・過去・未来」を紹介し、参加者一同は不易流行を感じつつ、和やかな雰囲気の中で同報告会は進行された。
 また記念行事当日は22日朝8時の駐屯地一般開放と同時に多数の来場者を迎え、10時から第2訓練場において、熊本県知事等の来賓参列の中、観閲式典が挙行された。本式典において観閲官吉田師団長は「本記念行事を挙行できるのは、熊本、宮崎、鹿児島県民の温かいご支援・ご協力、並びにこれまで第8師団と北熊本駐屯地の尚武の伝統を築き上げてこられた諸先輩のご尽力の賜物と、全隊員を代表し、心からお礼申し上げます」との感謝の言葉に続き隊員に対して「平和と独立を脅かすものから、大切な人や故郷を断固守り抜く覚悟が必要だ。最後の砦としての気概を持ってほしい」と式辞を述べた。
 引き続き観閲行進が行われ、観閲部隊指揮官車両を先頭に熊本、宮崎、鹿児島の県旗が行進、次いで第8師団隷下部隊の車両約150両が整斉と行進した後、青空の中、ヘリコプター及び戦闘機が迫力ある飛行を披露し、多数の来場者から歓声があがった。また、観閲行進終了後は音楽隊による演奏に引き続き、第42即応機動連隊等による模擬戦闘訓練展示が行われた。
 本訓練は、離島侵攻対処を想定して行われ、ヘリコプターを使用した即応展開、島内に侵入した敵武装工作員の制圧・捕獲、偵察部隊・無人偵察機による偵察・情報収集及び目標情報獲得に伴うFH-70等の迅速な火力発揮状況を展示した。また、戦闘後半においては、FH-70の空包射撃の大きな音がする中、10数両の機動戦闘車を主体とした部隊が敵主力部隊を撃破するや、来場者からは大きな歓声が沸き起こった。
 午前中の観閲式典・観閲行進及び訓練展示が終了した後は、駐屯地食堂において防衛協力会との共催による記念会食を粛々と行うとともに、駐屯地各所においては、装備品展示・体験搭乗、音楽・太鼓演奏、写真・パネル展示会等を行い、地域市民はもとより隊区内外からの多くの来場者に安全に、かつ、心行くまで楽しんでもらった。
 本年度の来場者数は約1万2000人程度であったが、第8師団及び北熊本駐屯地は、引き続き地域とともに未来に向かって歩んでいく。

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