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自衛隊ニュース   975号 (2018年3月15日発行)
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小野寺大臣、各国要人と会談
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日-ラトビア防衛相会談
 2月28日、小野寺五典防衛大臣は、ラトビア共和国ライモンツ・ベルグマニス国防大臣と防衛相会談を実施した。ラトビアの国防大臣が訪日するのは初めて。
 首脳間では今年1月の安倍首相のラトビア訪問をはじめ緊密な関係が続いており、小野寺大臣から「今後のあり得べき交流の方向性について議論したい」と述べられた。
 北朝鮮問題については「国際社会が圧力を最大化し、北朝鮮が対話を求めるような状況を作ることが大切だ」と述べ、ラトビアの北朝鮮に対する独自制裁や市中銀行のマネーロンダリングの対応を高く評価するとともに「ラトビアを含む欧州諸国と緊密な関係を作っていきたい」と述べた。
 これに対しベルグマニス大臣は、ラトビア独立100周年の今年、「独立をいち早く承認した国の一つ」の日本を訪問できたことが光栄であるとし、マネーロンダリングに関しては米国とも協力しつつ透明性を確保すべくしっかり対応していきたい旨述べられた。
 その後、会談ではロシアを含む地域情勢、NATOを通じた協力、サイバー分野やコミュニケーション分野での協力について意見交換が行われた。
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英国第1海軍卿兼海軍参謀長
 2月27日、小野寺五典防衛大臣は防衛省で、英国第1海軍卿兼海軍参謀長海軍大将 フィリップ・ジョーンズ卿の表敬を受けた。
 両氏は昨年のメイ首相の訪日や「2+2」の成功、今年予定されている英国軍艦HMSサザーランドやHMSアーガイルのアジア太平洋地域への派遣や日本で初実施の陸軍種共同訓練に触れ、日英防衛協力の深化を歓迎した。
 また小野寺大臣は、北朝鮮籍関連船舶による洋上での違法な積み替え、いわゆる「瀬取り」を行っていると見られる現場写真を見せながら、「(昨日の日英首脳電話会談でも)緊密に連携していく旨合意がありました。今日はぜひ防衛省と英国海軍との間でもこの問題についてしっかり共有したい」と述べた。ジョーンズ海軍卿は、国連安保理決議を確実に履行していくことが重要であり、そのためにどのような協力ができるかしっかり検討していきたい旨の発言があった。
 ジョーンズ海軍卿は、村川豊海上幕僚長の公式招待により訪日。27日から3月2日に横須賀方面や第111航空隊(岩国)、幹部候補生学校(江田島)等の部隊研修を行った。
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米国防次官補
 2月26日、小野寺五典防衛大臣は防衛省で、ランドール・G・シュライバー米国防次官補(アジア太平洋安全保障担当)の表敬訪問を受けた。
 小野寺大臣は、昨年末に米上院本会議で承認されたシュライバー氏の就任を歓迎すると、「北朝鮮への対応に関しては核、そしてミサイル開発、基本的な政策を変えさせることが前提での対応が重要だと考えています。北朝鮮の『微笑み外交』に惑わされることなく日米がしっかり連携を取っていきたい」と述べた。シュライバー氏は「(平昌)パラリンピック後には(米韓合同軍事)演習を再開させる状況にあり、常に北朝鮮に対する圧力をかけ続けたい。そして我々としては、北朝鮮が核の放棄を示唆するような状況はない、という立場にあるので、このやり方を続けていきたい」と応え、両氏は引き続き日米が連携して、北朝鮮に圧力をかけることを確認した。
 シュライバー氏は2002年から2年間、国務次官補代理(東アジア太平洋担当)を務めた。

自衛隊高級課程合同卒業式
〜統合運用体制の更なる強化の索引者として〜
留学生含む52名が卒業
 3月5日、目黒地区に所在する統幕学校・陸自幹部学校・海自幹部学校・空自幹部学校は、合同で自衛隊高級課程卒業式(執行者‥統幕学校長、陸海空幹部学校長)を実施した。統合スピリッツの醸成を目的として行われる合同卒業式も今期で3回目となり、インド、韓国からの留学生を含む第23期統合高級課程卒業生52名(陸18名、海16名、空16名、印1名、韓1名)が卒業式に臨んだ。
 式には本松敬史統幕副長、山崎幸二陸幕長、村川豊海幕長、丸茂吉成空幕長をはじめとする高級幹部、学生家族、ホストファミリー等来賓と学校関係者約100名が出席し、卒業式を見守った。
 高級課程は1佐または2佐の幹部を対象とし、昨年3月に各幹部学校に入校後、統幕学校で「3幹校合同統合教育」を約6週間履修。その後各幹部学校で約20週間、上級部隊の指揮官・幕僚としての知識・技能を修得し、昨年10月からは統幕学校で「統合高級課程」を約22週間履修した。約1年間の課程は「防衛戦略研究」、「統合運用研究」等のグループ研究を柱とし、講義や国内外現地研修を実施した。国外研修ではインドとオーストラリアを訪問し、両国との安全保障における協力の進展と重要性を再認識した。
 厳かに挙行された卒業式では、代表して湯下兼太郎1陸佐が修了申告を行った後、学生ひとりひとりに出口佳努統幕学校長から卒業証書が授与された。
 執行者を代表して出口統幕学校長が祝辞で「諸官は1年に渡る自衛隊高級課程の目的を十分に達成したものと認める」、「安全保障環境に的確に対応するため、統合運用態勢の更なる強化の牽引者として今後の平素における戦いに勝ち抜いてもらいたい」と激励した。
 統幕長訓示(本松副長代読)では、「真に戦える体制の構築を追及せよ」「良き伝統の継承」の2つを要望。「既成概念に捉われることなく、精強、即応を念頭に統合機動防衛力を構築し、真に戦える体制を構築してもらいたい」と期待を述べた。
 なお、陸自幹部学校は、今年度末に教育訓練研究本部発足により発展的解消するため、「統幕学校・3幹校」としての合同卒業式は今回が最後となる。

木下准教授 モンゴル国防大臣から勲章を受章
<防衛大学校>
 防衛大学校長國分良成教授と同校人文社会学科木下哲生准教授は昨年12月2日から12月5日までの間、モンゴル国を公式訪問し、国防大学や教育訓練所を訪れ、軍関係者との意見交換等を通じ教育研究体制の現状調査を実施した。
 12月5日にモンゴル国防省を訪問した際には、エンフボルド国防大臣名により、木下准教授に対し、モンゴル留学生に対する長年の日本語教育への功績を表彰する「国際軍事協力」勲章が贈られた。当該表彰式はモンゴル側のサプライズであり、木下准教授の教え子達であるモンゴル卒業生の粋な計らいであった。モンゴル全国から駆けつけた卒業生21人が見守る中、ソソルバラム国防省対外協力局長(准将)より勲章と賞状が手渡され、木下准教授の長年における多大な功績を称えた。
 防衛大学校は1958年より海外士官学校の候補生を本科留学生として受け入れ、現在までに13カ国491名の留学生に対する教育を実施している。モンゴル国からは1994年より留学の受入を実施し、これまでに本科34名、研究科10名の卒業生を輩出、現在はモンゴル国軍参謀本部をはじめモンゴル各地の部隊で幹部軍人として活躍している。防大では現在も11名の留学生が木下准教授を中心とした指導の下、日本語教育をはじめ、日本文化や慣習を学び、防大での教育・訓練に励んでいる。

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