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自衛隊ニュース   968号 (2017年12月1日発行)
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ひとつに…
自衛隊音楽まつり
 11月16日から18日まで、日本武道館で「平成29年度自衛隊音楽まつり」が開催された。防衛省移行10周年という節目の年は、「ONE 音が結ぶ、ひとつの想い」をテーマに全7公演行われ、4万333名が夢の舞台を観賞した。陸海空各音楽隊、第302保安警務中隊、防大儀仗隊、自衛太鼓が出演、ゲストバンドには米海兵隊音楽隊、在日米陸軍軍楽隊のほか、タイ王国空軍軍楽隊が初出演した。総勢約1440名(出演約880名、後方支援約600名)が紡ぐ音は、観衆の心に響き会場をひとつにした。18日の最終公演はインターネットでライブ配信され3万833名が視聴した。(7面、12面に関連記事)

航空研究センター主催国際セミナー
<空幹校>
「グレーゾーン事態」と「エア・パワー」を議論
 11月14日及び15日、「グレーゾーン事態の課題への取り組み」をテーマに、航空自衛隊幹部学校航空研究センター主催による国際セミナーが、都内ホテルを会場に行われた。
 航空研究センターは、平成26年に設立された航空自衛隊唯一のシンクタンク。航空自衛隊の大部隊運用に関する戦略研究や、運用理論研究等、多岐に及ぶ活動を行っている。航空自衛官、事務官及び技官からなる約50名の陣容だ。設立から3年を経て成長した航空研究センターは、エア・パワーに関する研究活動の一環として、今回のセミナーを主催した。
 航空研究センターの2名のほか、7カ国(アメリカ、イギリス、インドネシア、オーストラリア、ドイツ、フィリピン及びフランス)から12名の招へい者(米空軍参謀本部に派遣中の航空自衛隊連絡幹部1名を含む)が参加した。このうち2名は、アメリカに所在する世界的に著名な民間シンクタンクである「ランド研究所」及び「CSBA(戦略予算評価センター)の研究員であり、そのほかは、各国参謀本部や研究機関等の大佐クラスの空軍将校である。また、聴講者として、大学やシンクタンクの代表や著名な研究者、在京大使館の大使や武官、関係省庁及び企業等、約200名が会場を訪れ、エア・パワーに関する最新の議論を注視した。
 セミナー初日の開会式で挨拶した学校長・長島純空将は、グレーゾーン事態やグローバルテロリズムに対する国際社会の協力の重要性や、宇宙・サイバー領域を含めたマルチドメインでの対処については、統合化の中でもエア・パワーがけん引していくこと、この際も各国の協力が重要と指摘した。
 続くセッションでは、初日は「グレーゾーン及びハイブリッドな戦いとは何か?」、2日目は「戦略的多国間防衛協力のためのエア・パワーの課題」を主要な論点に、各国の意見発表と討論が行われた。セッションを通じ、グレーゾーン事態におけるエア・パワーの有効性を確認するとともに、変化に柔軟に対応できるそのレジリエンシーは、多国間の相互理解の下における情報共有や防衛協力によって、より強固なものにできることが指摘された。さらに、セミナー期間を通じて醸成されたセミナー参加者及び関係者間の信頼関係は、多国間の信頼醸成、友好親善にも大きく寄与するものとなった。セミナーは、2日間の全日程を終え、盛況のうちに閉会した。

第2回最先任上級曹長課程卒業行事
空自から初の履修者
陸幹校
 陸上自衛隊幹部学校(学校長・西 浩徳陸将=目黒)では、第2回最先任上級曹長課程の卒業行事を来賓2名(陸幕人教部長・森下泰臣陸将補及び陸幕最先任上級曹長・高橋将准陸尉)等を招いて11月15日に行った。最先任上級曹長課程は、今年度より集合教育から課程教育化され、本期は第2回となり8月25日から11月15日の約11週をもって実施された。今回の教育履修者は、学生長の伊藤惣悦准陸尉(21普連)以下15名と空自より始めての履修者となる上治忠義准空尉(空幕教育課)の16名。
 卒業式で西学校長は「『本物は感化する』という言葉を送る。諸官は目立とうとするな。指揮官と一心同体となった本物の最先任上級曹長になれ。そして地道に職務規定を遂行せよ。本物になった諸官の影響は、もはや単なる影響ではなく、隊員の骨髄に浸透する。身になり、身につく。上面で指導するな。そんなものは、諸官の姿が見えなくなった途端に消えてなくなる。本物になって、本物を指導し、諸官と接するものを感化するのである。諸官の立派な勤務ぶりは、諸官の指揮官をも感化し得るのである。ここで知りえたことを実際に行動に移すことにせよ。知ったことを行なわないのは知らないのと同じである」などと式辞を述べた。
 初めて航空自衛隊から入校した上治准空尉は「選ばれし陸上自衛隊の最先任達と切磋琢磨し、同期の絆を築きながら、多くのことを学び、統合運用における現場レベルでの関係を構築することが出来た。短い期間だったが、多くの知識の修得と素晴らしい経験をさせていただいた本課程教育は、陸自と空自だけではなく、いずれは海自も含めた、現場レベルにおける統合運用の礎となるべく、今後も継続していただければと思う」等とその思いを語った。また、伊藤学生長は上治准空尉に対し「陸自とは違う視点、レスポンスの速さ、行動力が大いに参考になり刺激を受けた」などと語った。

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