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自衛隊ニュース   967号 (2017年11月15日発行)
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平成29年度 遠洋練習航海部隊帰国
164日間で8ヵ国、13寄港地を訪問
 11月1日、海上自衛隊横須賀地方総監部(逸見岸壁)で、「平成29年度遠洋練習航海部隊帰国行事」が行われた。
 練習艦隊(司令官・眞鍋浩司海将補)として、練習艦「かしま」(艦長・堀川雄司1海佐)、護衛艦「はるさめ」(艦長・樋之口和隆2海佐)に乗員した第67期一般幹部候補生課程修了者約190名(うちタイ王国海軍少尉1名)を含む約580名は、大勢の家族や関係者が出迎える中、無事に帰国を果たした。
 帰国行事で村川豊海上幕僚長は「今回の航海を通じて、訪問した各国との相互理解の促進や信頼醸成に大きく貢献したものと確信する。実習幹部は、海上を基本とした考え方を持ち続け、同期との絆を大切にし、鍛錬を継続することを希望する」等と訓示した。
 今年度の遠洋練習航海は、5月22日から11月1日の164日間で北中南米、ロシア、韓国等8ヵ国、13寄港地(総航程約57000km)を巡った。
 精悍な顔つきで帰国した実習幹部は、帽振れで練習艦隊に別れを告げ、それぞれの勤務地へと赴いていった。

自衛隊記念日・内閣総理大臣表彰式
5コ部隊に栄えある特別賞

 11月8日、総理大臣官邸で「自衛隊記念日・内閣総理大臣表彰式」が執り行われ、5コ部隊が受賞し、安倍晋三内閣総理大臣から各部隊代表者に、特別賞状、副賞の楯、バッジが授与された。
 当初は、10月28日の「防衛省移行10周年記念航空観閲式」で実施予定だったが、悪天候で中止となり、日を改めることとなった。
 式には、小野寺五典防衛大臣、山本明広副大臣、福田達夫政務官、大野敬太郎政務官、豊田硬事務次官、河野克俊統幕長、山崎幸二陸幕長・山村浩海幕副長、杉山良行空幕長、田原克志衛生監が陪席した。
 安倍晋三内閣総理大臣は「皆さんの部隊は、これまで、国民から直接、称賛の言葉、感謝の言葉を受けたことは、なかったかもしれません。しかしそれでも、強い使命感と責任感を持って、黙々と任務に当たり、国民の負託に全力で応えてきた隊員の皆さんを私は誇りに思います」と栄誉を讃えるとともに、「今回の特別賞を機に、その自信と誇りを胸に、更なる高みを目指してほしいと思います」と期待を述べた。

【受賞部隊(指揮官)、受賞理由は以下のとおり】
○陸上自衛隊第301沿岸監視隊(隊長・森正博2陸佐)▽北方地域における長年の警戒監視のための任務活動に関する功績
○陸上自衛隊第302沿岸監視隊(隊長・小俣好史2陸佐)▽北方地域における長年の警戒監視のための任務活動に関する功績
○海上自衛隊対潜資料隊(司令・落合健1海佐)▽大規模災害等における海洋情報の収集・分析等の任務に関する功績
○航空自衛隊特別航空輸送隊(司令・富崎秀樹1空佐)▽天皇皇后両陛下をはじめとする皇族や政府要人等の輸送任務に関する功績
○自衛隊中央病院官邸医療チーム(官邸医療チーム長・大川英徳1陸佐)▽危機管理体制確立のための最良の医療支援による功績


御遺志を受け継ぐ
平成29年度自衛隊殉職隊員追悼式
 10月28日、防衛省メモリアルゾーンで自衛隊記念日記念行事「平成29年度自衛隊殉職隊員追悼式」がしめやかに執り行われた。
 式典には、今年度追悼の対象となる隊員の遺族、殉職後10年目及び20年目等の遺族をはじめ、安倍晋三内閣総理大臣、小野寺五典防衛大臣以下防衛省・自衛隊高級幹部および来賓として歴代防衛大臣、関係協力団体長等約370名が参列した。
 不幸にも任務遂行中に職に殉じた隊員を追悼する当式典は、昭和32年から防衛大臣の主催で実施。今年度(平成28年9月1日から同29年8月31日)の顕彰者は25柱(陸自‥ 14柱、海自11柱)で、累計は1934柱(陸自‥1048柱、海自440柱、空自419柱、その他27柱)となった。
 小野寺大臣が新殉職隊員名簿を奉納し、参列者全員で拝礼・黙祷が行われた。安倍首相は追悼の辞で「それぞれの持ち場において、強い使命感と責任感を持って職務の遂行に全身全霊を捧げた皆様は、この国の誇りです。私たちは、その勇姿と名前を永遠に心に刻みつけてまいります」と述べ、小野寺大臣は、「御遺志を受け継ぎ、国民の生命と財産、領土・領海・領空を断固として守り抜くため、あらゆる事態に切れ目なく対応し、最後の砦として、全身全霊で取り組むことを、ここにお誓いします」と述べた。
 指名献花では、ひとりひとりが慰霊碑の前で思いを馳せた。遺族代表挨拶では、自衛隊遺族会副会長の中村ミツエ氏が「殉職した家族を偲び、国のために精一杯力を尽くしたことを誇りに思い、今後力強く生きていくための心の支えにしたいと思っています」と述べた。
 最後に特別儀じょう隊による弔統が放たれ、閉式を待っていたかのように、雨が地面を濡らし始めた。

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