防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   955号 (2017年5月15日発行)
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雪月花
 筆者の青春時代にはアメリカのミュージカル映画の大作が目白押しだった。「ウェストサイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」「マイフェア・レディ」などなど日本の文化とアメリカ文化の次元の違いにため息をついた。中でも「雨に唄えば」は強烈だった、半世紀以上たった今でもジーン・ケリーの雨の中のダンス場面はあの名曲「雨に唄えば」「グッドモーニング」とともに頭の中に住み着いている。その「雨にー」のミュージカルをこの4月観ることができた。楽団員も一緒にミュージカルの本場ロンドンからの大挙公演である。無声映画からトーキーに変わるハリウッドの舞台裏を陽気に描いたものだ。ジーン・ケリーが演じた主役のドン・ロックウッド役はアダム・クーパー、ロイヤルバレエ学校出の本格派で世界的にも人気が高い。主役3人で踊る雨の中でのダンスやクーパーが傘を振り回して電柱に絡んだりしながら唄うのも50年前の思い出のシーンだ。公演は渋谷の大きな劇場だったので出演者も走り回るのに大変だったようだが、セットも凄かった。本物の雨がどしやぶり状態でステージに降りかかるのだ。出演者がびしょ濡れになるのは当然ながら客席の10列目までも被害が及ぶ。レインコートを配ってはいるが、なにぶんにも12トンの水を使っているのでその効果はなさそうだ。カーテンコールではわざと溜まった水を客席に跳ね飛ばすパフォーマンスで大騒ぎ。手を抜かない彼らの熱演に映画と異なる「生」を楽しんだ。

追悼 飛行安全の誓いを新たに
〈航空支援集団・飛行点検隊〉
 飛行点検隊(司令・吉廣敏幸1空佐=入間)は、飛行点検機Uー125航空事故発生から1年を迎えた事にあたり、ご遺族と隊員等合わせて約110名の参列のもと4月16日、飛行点検隊庁舎及び格納庫で追悼行事等を行った。
 吉廣隊司令は追悼の辞で「旺盛な使命感と責任感のもと、任務遂行中の航空事故、ご遺族の皆様の心情は察するに余りあります。我々にとっても本当に残念で無念でなりません。同時に、人間というものが安全に飛行することの緻密性と困難性を航空自衛隊全隊員が再認識した次第です」「我々は、殉ぜられた6柱の御霊に対し、ご意志と事故の教訓を断じて風化させることなく永遠に引き継ぎ、過去や観念・慣習に捉われることなく、高い当事者意識をもって、良き伝統・守るべき伝統・継承すべき伝統を正しく継承し、発展させ、後世に伝えていく」などと述べた。その後、参加者全員による献花等を行った。
 次いで、航空大事故の教訓の風化防止等のために作製した飛行安全祈念プレートの除幕式を行った。プレートは意識覚醒と個人を偲びやすい場所として、乗組員や整備員らが行き来する庁舎1階の中央壁に設置した。
 参加した隊員は、各方面の方々の支援協力への感謝、また、このような痛ましい事故を起こさない、起こしてはならない、自分たちと同じような悲しみを味わってほしくないという思いから殉職隊員とご遺族の絆を感じていた。
 桜の花びらも風に舞っていたこの日、飛行安全の重要性を改めて強く痛感し、改めて誓いを新たにした一日であった。

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