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自衛隊ニュース   886号 (2014年7月1日発行)
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陸海空隊員
ベトナム カンボジアで医療活動、文化交流

パシフィック・パートナーシップ2014
「くにさき」に同乗 日米豪が共同生活
 米海軍太平洋艦隊が主催する「パシフィック・パートナーシップ2014」に参加するため5月29日に横須賀を出港した海上自衛隊輸送艦「くにさき」(艦長・笹野英夫2海佐)は6月6日、最初の目的地ベトナムのダナンに入港、本格的な活動を開始した。
 2007年から始まったパシフィック・パートナーシップは、アジア太平洋地域を艦艇等が訪問し、各国政府、軍、NGO等の協力で医療活動、土木事業、文化交流を行い、参加国の連携強化や国際災害救援活動の円滑化等を図るのが目的。今年は日米、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、シンガポールが参加し、分担してベトナム、カンボジア、フィリピン、インドネシア、東ティモールを訪問する。
 日本からは陸海空の医療要員約40人、海自輸送艦「くにさき」(乗員約150人)、空自輸送機「C—1」1機(乗員約30人)、陸自施設要員約10人、NGO(12人)が派遣されている。「くにさき」には米海軍と豪陸軍から幕僚・隊員計140人が乗艦し、自衛隊員と寝食を共にしながら現地で活動している。
◇フットサルで交流
 ベトナムでの活動には現地での関心が高く、ダナン港入港後の歓迎レセプションにはベトナムのマスコミが取材に訪れた。レセプションに続いてダナン人民委員長・第5司令部を表敬訪問し、日米の隊員とベトナムの商工会議所関係者は翌日からのベトナムでの本格的な活動開始を前にフットサル競技で共に汗を流し友好を深めた。^k 7日からは第17軍病院やダナン総合病院で医療活動を開始。第17軍病院での救急患者初期治療教育はベトナム人医師や看護師等130人が受講し、日米の隊員達による指導に熱心に耳を傾けた。11日は「くにさき」艦上で、高所からの転落事故発生という想定のもと、日米豪越共同で患者の応急措置及び護送を訓練した。また、12日にはダナン総合病院で薬剤管理等の衛生指導を行ったほか、13日はベトナム側の要望で、火傷治療の医療セミナーを開催した。
 医療活動以外では、11日と12日に児童を含めた現地の人たちが「くにさき」を訪問して、ブリッジや手術台を備えた医務室、エアクッション艇LCAC等艦内を初めて見学した。同じ12日には「くにさき」の乗員有志が孤児院を訪問。子供たちは、隊員からおそわりながらツルや兜(かぶと)を折り紙で作ったり「けん玉」「竹とんぼ」遊びなどを初体験した。折り紙も「けん玉」「竹とんぼ」も隊員の優しい指導により子供たちはすぐにマスター、楽しい時間をすごした。途中、米軍のバンドが登場してマイケル・ジャクソンの「スリラー」を演奏、場を大いに盛り上げるなど、子供たちとの笑顔溢れる交流に隊員達も心が癒されたという。
 現地での10日間の医療活動や文化交流を終えた一行は15日にダナンを出港、19日に予定通り次の目的地カンボジア・シアヌークビルに到着した。
◇児童に歯科検診
 カンボジアでは陸上自衛隊の施設要員の約10名が参加し、医療活動のほかにフンセン小学校を訪問しラッパ演奏や習字、折り紙、剣道で交流し、児童たちは大喜びだったという。小学校1年生に対しては歯科検診や歯磨きの講習も行った。また、現地の資材・機材を活かして産婦人科の病室の新設も支援した。
 カンボジアでの活動は6月19日から28日までの10日間の予定で、その後フィリピンのタクロバンに向かい、同様の医療活動や文化交流を実施する予定だ。

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