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自衛隊ニュース   2011年11月1日号
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部隊創設記念行事を開催
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中部方面隊
 中部方面隊創隊51周年・伊丹駐屯地開設60周年記念行事が10月16日、伊丹駐屯地(司令・鈴木純治陸将補)で盛大に開催された。この日は、前日までの雨もあがり、穏やかな日本晴れのもと、一般市民約1万7000人が駐屯地を訪れ、観閲行進や訓練展示、装備品展示、体験試乗、音楽イベントなどを楽しんでいた。
 午前10時すぎ、中部方面隊隷下の観閲部隊約900名が順次グラウンドに入場、観閲部隊指揮官の白井純夫3副師団長を先頭に整列した。次いで、観閲官の荒川龍一郎中方総監をはじめ自衛隊の高級幹部、衆参国会議員、関係自治体・協力団体の長、来賓ら多数が臨場、記念式典が始まった。最初に、東日本大震災の犠牲者と殉職した236柱の英霊に対して黙祷し、国旗に敬礼したあと、荒川総監が整列した観閲部隊の全隊員を順次巡閲した。
 荒川総監は式辞の中で、我が国を取り巻く厳しい国際情勢や中部方面隊の歴史・沿革について触れながら、台風12号、台風15号に伴う災害派遣、特に東日本大震災では約8300名を超える隊員を現地に派遣し、人命救助や生活支援、復旧活動にあたったこと、また、ハイチやゴラン高原でPKO活動に派遣され、任務遂行中の隊員がいること、さらに各自治体との防災訓練、国民保護訓練を通して一般市民との連携を着実に推進してきたことなどを強調した。また、中部方面隊の隊員に対して「現在は何が起こってもおかしくない状況であり、我々は如何なる事態においても決して失敗の許されない組織であることを再認識しなければならない。このため、各部隊には常に有事に備え、国民の負託に応えることを肝に銘じ、『任務必遂の信念』をもって、また、それぞれの職務に精通することはもとより基本的な戦技、識能を磨く『たゆまぬ武の練磨』に心がけて、リアリティある陸上自衛隊の実現に向け、努力を重ねるよう」要望した。
 来賓祝辞、祝電披露などに続いて、観閲行進が始まり、中方音楽隊を先頭に人員約900名、車両約140両、航空機13機(海自1機含む)が普通科部隊など各部隊ごとに順次威風堂々のパレードを披露、観客席から大きな拍手が沸き起こった。
 訓練展示では、普通科部隊や戦車部隊などが武装勢力を制圧する状況を展開、実戦さながらの射撃音のすさまじさや装備品の迫力に観客は終始圧倒されていた。特に、155ミリりゅう弾砲の轟音には、思わず耳をふさぐ観客も見受けられた。
 一方、駐屯地内の各地区では、午前9時から人命救助セット、化学防護車、高射砲などの装備品展示、ミニSLや90式戦車のエアドームで楽しく遊べる子供広場(各種自衛隊制服の試着コーナーも)、高機動車・74式戦車の体験試乗、音楽イベント、模擬売店などが催され、大勢の家族づれが各コーナーで長蛇の列をつくりながら終日イベントを楽しんでいた。
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出雲駐屯地

 出雲駐屯地(司令・岡本宗典2陸佐)は10月2日、「出雲駐屯地開庁58周年記念日行事・市中パレード」を出雲市今市町のくにびき中央通りで人員約150名、車両約50両の陣容をもって行った。
 この日は金木犀香る爽やかな秋空の下、来賓に衆議院議員竹下亘氏代理秘書今岡真治氏、参議院議員青木一彦氏代理秘書小松原守氏、島根県知事溝口善兵衛氏代理危機管理監大國羊一氏、出雲市長(出雲地区防衛協力会会長)長岡秀人氏、島根県隊友会会長桑原壽之氏をはじめ、部内外から多数の招待者やOBを迎え、盛大に開庁58周年記念日を祝った。
 行事に先立ち、出雲市駅前くにびき中央通り式典会場、第13音楽隊(隊長・渡部1尉)による野外演奏が行われ、観衆を魅了した。
 その後、観閲部隊が威風堂々の徒歩行進を披露し式典会場に入場した。
 式典では、駐屯地司令が「出雲駐屯地は、常に市民の皆様との強い絆で結ばれて参りました。毎年市中パレードが実施できますことは、地元出雲市をはじめ島根県の皆様のご理解・ご支援の賜物であり、心より御礼申しあげます。国内外の防衛省・自衛隊を取り巻く環境は日々刻々変化しており、今まで以上に即応態勢の維持に努め、いかなる任務も迅速かつ積極的に対応することが必要であり、本年3月11日に発生した東日本大震災において、出雲駐屯地からも部隊は速やかに出動し、隊員約200名、車両約50両をもって約3ヶ月間にわたり、人命救助、行方不明者の捜索および被災地の復興支援に努めて参りました。自衛隊はより迅速・的確に行動して必ず成果を出す時代にあります。『信頼され、愛され、そして郷土にねざす出雲駐屯地』を創り上げ心身を鍛え、技を磨き『今日に即動、明日に備える強靱な部隊』を育成して、国民の皆様のご期待に添えるよう努力して参ります」と式辞を述べた。
 式典終了後は、全国の自衛隊でも実施している駐屯地は数少ないという市中パレードで観衆を沸かせた。
 第13音楽隊の軽快な行進曲に合わせ、島根県旗・出雲市旗がパレードの先頭を行進し、観閲部隊指揮官の第304施設隊長(松本2佐)の車両が続いた。
 その後、駐屯地所在部隊が3個グループに分かれ行進をし、続く第5グループには、支援部隊の第8普通科連隊(米子)、第13特科隊(日本原)、第13高射特科中隊(日本原)及び第13後方支援隊第2整備中隊戦車直接支援小隊(日本原)が堂々の行進をし、車両部隊の最後として災害派遣器材車両等が行進をしたとしている。
 最後に第13飛行隊(防府)のOH—6及びUH—1が上空を観閲飛行しパレードを締めくくった。
 車両約50両航空機2機が整然と迫力ある行進をした、市中パレード実施中は約4000人の観衆の大きな拍手と歓声が鳴り響いていた。
 パレード終了後は出雲市役所南側公園付近で装備品展示及び災害派遣活動写真パネル展示を実施し、沢山の家族連れで賑わっていた。
 駐屯地では、記念日行事全般を通し、陸上自衛隊出雲駐屯地の真摯な姿を広報し、地域防衛基盤の拡充を図る事ができたとしている。

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木更津駐屯地

 10月2日、木更津駐屯地において「心ひとつに…がんばろう日本」のテーマのもと、木更津駐屯地創立43周年記念行事・第39回木更津航空祭が行われた。震災等の犠牲者に対する黙祷に引き続き行われた式典において、駐屯地司令・清田安志陸将補は「駐屯地全隊員の心をひとつにし、更には、陸・海・空三自衛隊と米軍、また更には、全国民が心をひとつにして困難を乗り越え、子や、孫の代、五十年、百年後も国民が安心して暮らしていけることを切に願う。日本の安寧のため、今後とも我々は、事態に即応し任務を完遂できる部隊を目標とし、国防という崇高な任務に対する誇りと使命感を堅持し、謙虚さを忘れずに、引き続き精進努力していくことを改めて誓う」と述べた。
 式典終了後22機の航空機が一斉に離陸し、一糸乱れぬ編隊で会場上空を通過した。そのあと行われた木更津名物の立体模擬戦では、OH—1による偵察飛行に始まりCH—47からの空挺降下、ドアガン射撃等、地上部隊と連携し、敵を制圧する場面を実戦さながらに展示した。引き続き災害派遣における運用場面の展示では、UH—60のホイスト(ロープ)による救助、さらに、福島第一原子力発電所原子炉建屋への放水を行った第一輸送ヘリコプター群第104飛行隊CH—47の搭乗員による空中からの放水が行われた。搭乗員紹介のアナウンスが流れると会場から大きな歓声があがった。ほかにもCH—47の体験搭乗と地上滑走、高機動車試乗が行われ、多くの観客が空の散歩と高機動車の機動性を体感した。また広い会場では、海・空自衛隊や米軍等計27機の航空機の展示、パネル展示等各催し物には多くの来場者が集まった。
 震災の影響により開催も危ぶまれた今年の航空祭は、天候にも恵まれ、予定していた行事の全てを実施、多くの航空ファンや家族連れでにぎわいをみせる中、来場者の多くは満足そうな笑顔を残して駐屯地をあとにした。
 ますます自衛隊に対する関心や期待が高まっている今日、駐屯地隊員は来年も来場者の「笑顔」に出会えるようにさらに隊員一丸となり身を引き締め、いつ、いかなる事態にも対応できるよう訓練に励んでいこうと決意している。


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