防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年6月15日号
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各地で『南極の氷』体験
小中学生ら
直接見る・触れる・感じる

 自衛隊では民生協力活動の一環で、南極地域観測に対する支援を行っている。昨年11月から今年4月まで第52次隊を支援した海自砕氷艦「しらせ」が持ち帰った"南極の氷"が各地の小学校や中学校に寄贈され、子どもたちを喜ばせた。自衛隊への理解促進を図るため南極についての講義を行うなど、地本では積極的に支援を行った。

和歌山地本
 和歌山地本橋本地域事務所(所長・岩下善信陸曹長)は5月10日、橋本市立恋野小学校で、南極の氷の授業を行った。
 はじめに、所長から南極に関するクイズや、「南極の氷がやってきた」というテーマで子供たちに、分かりやすく、非常に興味をわかすような授業を行った。子供たちからは、「なぜ南極に調査に行くのですか?」や「しらせが南極に行くのにどれくらいかかるのですか」などたくさんの質問があった。
 授業の後は、お待ちかねの「南極の氷」を直接触れる体験学習を行った。冷凍庫で作った氷と南極の氷が横に並べられ、氷の違いを感じたり、水の入ったビーカーに南極の氷を入れて溶ける音を体験した。南極の氷に閉じ込められた気泡がはじける音を聞いた子供からは、「炭酸ジュースをグラスに注いだ時のような音がした」と目を輝かせた。また、直接氷を頬や耳につけて感動している子供がたくさん見られた。
 同校の校長は「この小学生の中から、将来一人でも南極に行く子が出れば非常にうれしい」と感想を述べた。
 和歌山地本は、「今後も子供たちに夢を与えられるように、様々なことをやっていきたい」と話している。

滋賀地本
 滋賀地本(本部長・甲斐田幸輝1陸佐)は5月6日、海自砕氷艦「しらせ」の運用士・西田健悟2海尉による甲賀市立甲南中部小学校への「南極の氷」贈呈を支援した。
 これは同校の卒業生である西田2海尉から「ぜひ母校へ氷を贈呈したい」との申し出があり、同校が快諾して実現したもの。当初は氷の送付だけの予定だったが、ちょうど5年生が社会の授業で世界の大陸について学習中ということで、「せっかくの機会なので、児童たちに南極についての話も聞かせてほしい」と同校から要望があり、ゲストティーチャーとして1時間の授業を担当した。
 当日、西田2尉が教室に入ると、普段あまり目にする機会のない海上自衛隊の制服姿に、5年生児童25人の歓声が沸き起こり興味津々で西田2尉に注目した。画像を交え南極や氷について説明を受けた後、積極的に手を挙げて質問したり、実際に「氷」の感触を楽しんだ。児童たちは順番に「氷」に触れ、「すごい!初めて触った」など感激した様子で話し、それぞれ目を輝かせて氷の感触を確かめ合った。
 また、授業終了後は、南極の氷を同校玄関前に展示し、下校する他学年の児童も体感することができた。同校の校長は「今後の社会の授業の教材として活用させていただきます」と述べた。西田2尉は「学校でこのような授業をさせていただいたのは初めてで難しかったですが、勉強になりました」と感想を語った。
 滋賀地本では、自衛隊の活動を一層理解してもらうために今後もより良い広報活動を実施していくとしている。

島根地本
 島根地本(本部長・森茂敏1陸佐)は5月11日、安来市立伯田中学校1年生と教員60人に対する総合学習「南極の氷」学習会を実施した。この学習会は環境学習の一環として実現した。
 学習会のはじめに島根地本広報室長が、海自砕氷艦「しらせ」の活動、南極の地理、歴史、気候、生息する生物などについて写真や図を用いて説明した。
 説明後、南極の氷と石に触れる時間が設けられ、実物の氷を前にした生徒たちは驚くとともに氷を興味深く観察していた。また、南極の氷は当時の大気を多く含んでいることを知ってもらうため、氷を水に浮かべての観察も行われた。生徒は溶ける時に発する気泡の音を聞き、「家の氷はこんな音はしないよ!」「冷たくて気持ちいい」と目を輝かせて南極気分を味わっていた。
 学習会の様子は生徒だけでなく校長をはじめとする教員も多く授業に参加しており、島根地本広報では「海上自衛隊の活動の一端を広報できた」としている。


イベントに広報ブース出展
装備品展示等でPR
東京地本
自衛隊を身近に

 東京地本(本部長・小川清史陸将補)は5月28日、代々木公園けやき並木(渋谷区)において開催された「ニーモスマイルフェスタ2011」に自衛隊広報ブースを出展した。
 当日は、あいにくの雨の中での開催となったが、若者の街・渋谷での開催とあって約4000人が会場を訪れた。自衛隊広報ブースでは、軽装甲機動車及び偵察用バイクを展示したほか、防弾チョッキやミニ制服の試着コーナーを設けるなど、自衛隊に対する理解と信頼を得るためのPR活動を実施した。また、訪れた募集対象者に対してはアンケートを実施し、自衛隊に興味がある人には募集案内を説明するなど、積極的な募集広報を行った。
 特に、防弾チョッキを試着した若者たちは、「キャー重すぎ!耐えられるかなぁ!」などと歓声を上げながら、自衛隊車両の前で記念撮影するなど、普段馴染みのない自衛隊を身近に感じている様子だった。
 さらに、今回は自衛隊広報ブースを出展するにあたり、主催者である笑顔会所属の専属モデル「更紗」さんを一日体験入隊者として迎え、数多くの来場者に自衛隊をPRした。
 東京地本では、今後も様々な機会を捉えて効果的な募集・広報活動を行っていきたいとしている。


県内初、大震災の災派パネルを展示
広島地本

 広島地本(本部長・天野寛雅1海佐)は4月30日〜5月1日の間、尾道港祭協会の協力により「尾道みなと祭」で東日本大震災における災害派遣パネルを広島県内で初めて展示した。
 尾道街かど文化館に設けられた展示会場では、被災者のため過酷な環境のなか黙々と任務を遂行する自衛官のパネルを熱心に見学する市民の姿が見られ、会場に置かれた応援メッセージノートには「隊員の皆さん頑張って下さい」「応援しています」など心のこもったメッセージが数多く寄せられた。これらのメッセージは派遣隊員に届けられる予定。また、ちびっこ夢広場では、ミニ制服を着てパジェロの前での記念撮影するコーナーも設けられ、あわせて約1200人の見学者で賑わった。
 広島地本は、今後も各種広報の機会を通じて一般市民の方々に自衛隊への理解と認識を深めてもらいたいとしている。


募集担当者会議に参加
秋田地本

 秋田地本(本部長・阿部博文1空佐)は5月17日、秋田地方総合庁舎及び秋田駐屯地で実施された、県主催による「平成23年度募集事務に係る市町村担当課長会議」に参加した。この会議の目的は、県及び各市町村募集担当課長等と秋田地本との自衛官募集事務に関する認識の統一を図り、自衛官募集基盤の育成を促すもの。
 成果として、募集事務に関する県・市町村担当者と地本担当者間の認識の深化が図られるとともに、部隊見学支援を通じて県等担当者との連携の強化が図られた。
 特に、秋田駐屯地の部隊見学では、駐屯地広報室長の佐藤2陸尉による「駐屯地概況」及び「東日本大震災における自衛隊の災害派遣活動の状況」についての説明があり、市町村担当課長等は自衛隊部隊の状況及び、その意義について改めて理解を深めた。
 秋田地本は、「今後も地域や各協力団体と連携し、募集協力態勢の更なる充実を目指した活動を積極的に進めていく」としている


防災訓練を支援
熊本地本

 熊本地本(本部長・坂本知司1陸佐)は5月22日、天草市栖本総合グラウンドで行われた天草市総合防災訓練を支援した。
 この訓練は、「高知沖を震源とする南海地震が発生。天草市では震度5強、栖本町でも家屋の倒壊や道路の崩壊など甚大な被害を受けるとともに多数の負傷者が発生した」との想定のもと実施され、担任部隊として第8特科連隊情報中隊・田上3尉を長とする中隊隊員25名が参加した。自衛隊が担当した埋没車両救助訓練では、車両に取り残された要救助者を油圧救助器具等で速やかに救出するとともに、応急処置を施し救急車に後送。防災訓練の見学者からは「東日本大震災に出動されている皆さんの献身的な活動を見ると感謝の気持ちで一杯です」など激励の言葉が寄せられた。


ホビーショーで就職援護
静岡地本

 静岡地本援護課は5月14日と15日の2日間、静岡市で行われた「第50回静岡ホビーショー」で就職援護広報を実施した。
 援護課は、昨年に引き続き、自衛隊広報展示コーナーの一角に就職援護説明コーナーを設け、パンフレットの配布や就職援護及び予備自衛官等制度に関する説明を行った。就職援護説明コーナーを訪れた企業の採用担当者は、退職自衛官を雇用することの有用性や、予備自衛官、即応予備自衛官制度についての説明に熱心に耳を傾けていた。また、退職自衛官の状況や、東日本大震災で初めて災害招集された即応予備自衛官制度に関する質問を多く受け、高い関心がうかがえた。援護課では、「今後もあらゆる機会を捉えて制度の普及を図り、即応予備自衛官等の受け入れ合意企業の拡充に努めていく」としている。


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