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自衛隊ニュース   2011年4月15日号
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予備自等が初招集
東日本大震災に派遣

 東日本大震災の発生に伴い3月16日、予備自衛官等の災害等招集が閣議決定され、北澤防衛大臣は災害招集命令を発令した。これを受けて各地方協力本部では、被災者の民生支援のため即応予備自衛官と予備自衛官に災害等招集命令書を交付した。予備自衛官らが実際の任務に招集されるのは、予備自等の制度が始まってから初めて。招集期間は約2週間で、主に給水や食事の提供などの被災者の生活支援を行う。

札幌地本
 札幌地本(本部長・阿部知己1陸佐)は即応予備自衛官及び予備自衛官(医療)に対して、災害等招集命令書及び災害招集命令書を交付した。 札幌地本管内の即応予備自衛官、予備自衛官の中には「是非派遣に加わって貢献したい」と連絡を入れる人も多く、招集訓練参加時や長年の部隊での教育訓練によって培われた高い意識がうかがわれた。
 毎年、招集等命令書の交付(使送)訓練を実施している札幌地本は、命令受領後、「迅速かつ確実」「即自・予備自隊員の命にかかわる命令書」を旨とした訓練どおりの手順で速やかに招集命令書や必要書類などを封入し、3月23日午前5時に使送担当者に命令を下達、使送担当者が滝川から静内にわたる各地を走った。この日、使送者から招集命令書を受け取った即応予備自衛官のうち浦臼町の金澤大輔即応予備士長は、「被災された方々のために頑張りたい。体力にも自信があるので即応予備自衛官の任務を全うしたい」と強く語った。
 また、札幌市在住の川元勝則即応予備2曹はメディアの取材に対し、「選ばれたのは会社の代表として、また即応予備自衛官として大変名誉なことです。被災者のために力になりたい」と決意を新たにした。
 予備自衛官(医療)の木田智子予備2曹は「被災地へ行って活動したい思いはあります。今回は自衛隊札幌病院での勤務ですが、それも予備自衛官として大事な仕事なのでしっかり務めたい」と抱負を述べた。

山形地本
 山形地本(本部長・小泉秀充事務官)は3月17日、即応予備自衛官17名に対し災害等招集命令書を、予備自衛官(語学)1名に対し災害招集命令書を、それぞれ自宅または企業等を訪問し直接本人に手渡した。招集された即応予備自衛官及び予備自衛官には、家族の同意を得て万全の体制で出頭できるよう求めた。
 招集日を翌日にひかえた同22日、即応予備自衛官6名と予備自衛官1名が神町駐屯地に集合し、それぞれの招集部隊等に向け出発した。
 今回、予備自衛官(語学)として派遣される阿部美奈子3陸曹は「被災者のために精一杯頑張りたい。組織の中の一員であるという自覚を持ち、着実に落ち着いて任務遂行にあたりたい」と決意を語った。
 また、即応予備自衛官の災害派遣にあたっては、企業等の理解と協力が不可欠であることから、小泉本部長はホームページ上で「今回ご協力頂いた企業には、災害等招集に対する深いご理解とご協力を賜り厚く御礼します」と感謝の意を表した。

帯広地本
 帯広地本(本部長・城戸正志1陸佐)は3月23日、第7特科連隊所属の即応予備自衛官2名に対し、災害等招集命令書を交付した。命令書は即応予備自衛官が勤務しているそれぞれの企業において、帯広地本道東地域援護センター長から手渡された。
 今回の招集に応じた羽賀照樹即応予備3曹は、「ニュースで被災地の大変な状況を見て、少しでも被災者の役に立ちたいと思い、命令を待っていた。与えられる任務は大変だが、被災者のことを思えば全然辛くない」と意気込みを語った。
 また、羽賀即応予備3曹が勤務する河井ローダー建設(株)の横山宣昭社長は、「自衛隊に彼を預けることに不安はありません。会社を代表し、活躍してきてほしい」とエールを送った。

岡山地本
 岡山地本(本部長・吉永幸男1陸佐)は3月18日、即応予備自衛官の矢野2曹に対し勤務先の浅野産業(株)で災害等招集の命令書を交付した。岡山県からは女性2名を含む23名が招集された。
 矢野2曹は、「仕事から帰宅しテレビに映し出される被災地の状況を見て、行かなければと思った」と語った。家族も矢野2曹の気持ちを聞き、「行ってあげて」と送り出す決意をしたという。
 吉永本部長は招集命令書を手渡した際、「温かい支援を心がけ、活躍してきてほしい」と訓示し、矢野2曹は「苦しんでいる人に笑顔を与えられるよう頑張りたい」と決意を述べた。

香川地本
 香川地本(本部長・萩庭賢了1陸佐)は3月17日、即応予備自衛官15名に対して災害等招集命令書を交付した。交付を受けた朝比奈即応予備3陸曹は、「今まさに即応予備自衛官の力が必要とされている時だ。自らの持てる力を最大限発揮し、被災者の生活再建のために尽力したい」と派遣に臨む決意を新たにした。
 招集された15名は、同23日午前8時までに全員が善通寺駐屯地に出頭を完了し、健康診断を受けた。次いで戦闘用靴等個人の装備品や資材の準備に取り掛かるとともに被災地に関するブリーフィングを受けて派遣に備えた。
 派遣部隊は大津駐屯地での編成完結式を終えたあと、同25日早朝に被災地に向けて出発、27日から石巻市、女川町一帯で給水、給食、物資輸送などの生活支援に当たった。

岩手地本
 岩手地本(本部長・高橋竣哉1陸佐)では3月22日、即応予備自衛官30名が生活支援活動要員として、岩手駐屯地に出頭し第38普通科連隊が駐屯している八戸駐屯地に向け出発した。翌23日、船岡駐屯地及び多賀城駐屯地で編成完結した。
 米軍との通訳要員として菅原尚予備3陸曹が東北方面総監部(仙台)へ出発した。菅原予備3陸曹は「米軍と自衛隊の架け橋となって被災者のために頑張りたい」と取材に答えた。


青森地本部長が激励
 青森地本部長・竹本三保1海佐は3月23日、八戸駐屯地で即応予備自衛官に対し激励を行った。今回、県内の即応予備自衛官ら55名が、災害等招集に応じ、八戸駐屯地に出頭した。
 竹本本部長は「今回の招集に際し、隊員はもとより、出頭にご理解いただいた隊員のご家族、雇用企業の皆様に心から敬意を表する。派遣先では健康に十分留意され、被災地支援に全力を尽くしてほしい」と激励した。隊員の一人は「ニュースで悲惨な状況を見て、何か自分でも出来ないかと考えた。今回の招集に、家族も企業も応援してくれた。少しでも被災者の助けになりたい」と語った。隊員達は同日、多賀城駐屯地に移動し、部隊計画により被災地の復興支援にあたった。
 青森地本では、隊員家族及び企業と連絡を密に取り合い、隊員の支援に努めていきたいとしている。

父兄会会員に防衛講話
震災への災派に高い関心集まる
旭川地本

 旭川地本(本部長・豊田和男1陸佐)は3月24日、士別グランドホテルで士別市父兄会会員に対する防衛講話を実施した。
 当日は講師として募集課長を派遣、約60名の父兄会会員に対し、「東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣の概要」として陸海空自衛隊の活動状況を、「平素からの自衛隊の活動」として各種警戒監視任務、日米共同統合演習ならびに海賊対処等、海外における各種活動について紹介した。
 地元の名寄駐屯地、旭川駐屯地からも多数の隊員が派遣されていることから、家族が被災地に派遣されている父兄会会員もおり、「災害派遣の概要」の紹介については、特に高い関心が寄せられた。
 また、「平素からの自衛隊の活動」についても、空自の緊急発進や我が国周辺海域における警戒監視などに関する説明に会員が熱心に耳を傾けている姿が印象的だった。
 講話終了後、「災害派遣における隊員の献身的な活動ぶりがよく分かった」「自衛隊の平素の活動の重要性をあらためて認識することができた」などの声が寄せられた。
 旭川地本は、今後も機会を捉えて様々な世代に対する防衛講話を行い、地域と自衛隊の絆をより強固なものにしていきたいとしている。

大学生に一般幹部候補生をアピール
新潟地本
 新潟地本(本部長・佐藤末明1陸佐)新潟募集案内所(所長・渡部哲也3陸佐)は2月8日、新潟市秋葉区にある新潟薬科大学主催の「企業説明会」に参加した。
 説明会には、県内企業41社が参加、来年卒業を迎える新潟薬科大学の3年生に対して、それぞれの企業が内容を説明した。
 新潟所からは、同大学担当の塩谷健1陸曹及び本間学2空曹が参加した。自衛隊のブースには、男子学生9人が訪れ、一般幹部候補生及び一般曹候補生の説明を行い、学生からは「地元に戻って来られますか?」「今勉強していることが自衛隊で活かせますか?」などの質問に丁寧に答え、学生は熱心に耳を傾けていた。
 新潟所では、「学生から提出された情報カードを基に、個別訪問等を行い、一般幹部候補生の募集に拍車を掛けていきたい」としている。

マラソンで募集広報
鹿児島地本

 鹿児島地本(本部長・福永賢太郎1海佐)は2月27日、第24回種子島ロケットマラソン(フルマラソンの部)に募集課長(高石2陸佐)ら2名が参加するとともに、同地本種子島駐在員事務所(所長・山田陸曹長)がメイン会場の種子島宇宙センターほか沿道で「自衛官募集」の幟を立て、募集広報活動を行った。
 この大会には、県内外から約2500人が集まり、フルマラソンの部には約850人が参加し健脚を競った。募集課長らは、「自衛隊鹿児島地本、自衛官募集中 来たれ、若人!」とプリントされたTシャツを着用。風雨の強い悪条件だったが、沿道からは「自衛隊、頑張れ」のエールが送られる中、目標の4時間30分以内で完走した。

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