防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年3月1日号
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奈良基地モニターが部隊研修
 空自奈良基地(司令・古賀久夫空将補)のモニター8人が2月7、8日の両日、岐阜、小牧の両基地を順次研修した。
 奈良基地モニターは、これまで奈良基地での幹部候補生の教育訓練や施設などを主として見学してきた。そのため、奈良基地を巣立った幹部候補生が、幹部自衛官となり全国の航空自衛隊の部隊で活躍していることは認識していたものの、実際にその姿を見たことがなかったので、今回の滑走路を持つ航空部隊研修の運びとなった。
 初日の岐阜基地では、モニター一行の眼前で繰り広げられるF—4やT—4のフライトに感動するとともに第4高射群のPAC—3や飛行開発実験団のF—15、XC—2なども研修、興味深そうに隊員に質問を投げかけていた。
 次いで、モニター一行は小牧基地に移動、第1輸送航空隊のC—130Hの機体の中に入らせてもらい、コックピット内の説明も受け、歓声をあげていた。また、KC—767Jの外観を見学した。引き続き、救難教育隊のU—125AやUH—60Jの教官パイロットから説明を受け、機体内部を見学した。最後に、第5術科学校の管制シミュレーターを研修、実際の管制官業務やブルーインパルスの飛行管制の模擬を見学できて、管制官を教育する施設や教官に感動していた。
 今回の研修に参加した基地モニター一行は、行く先々で興味深く質問するなど、「航空自衛隊の部隊概要や業務内容を理解するうえで貴重な体験ができた」「大変有意義な2日間だった」と感激した様子だった。

陸自中央音楽隊がインターンを実施

 2月15、16の両日、陸自中央音楽隊(隊長・武田晃1陸佐)は、朝霞駐屯地において、「2011年陸上自衛隊中央音楽隊インターンシップ」を行い、東京地本が支援した。自衛隊音楽隊を将来の職場として希望する学生を対象に2009年から実施されているもので、練馬区にある武蔵野音楽大学、日本大学芸術学部の学生を中心に、都内近郊の音大生等、両日を合わせて約50名が参加した。
 駐屯地到着後、参加者は隊長や中音人事幹部、広報係から自衛隊及び自衛隊音楽隊についての説明を受けた。歓迎演奏に続き、広報係によって、教場、楽譜室、楽器室等、音楽広場のほか、音楽関連以外の事務室、居室等が案内された。その後、休憩等を挟み、参加者は楽器パート別に分かれ、各奏室で隊員とパート交流及び各個練習。隊員食堂で隊員を交えた喫食体験、隊員と参加者による合同合奏体験と豊富な内容が続き、到着当初は緊張の色が伺えた参加者も次第に肩の力が抜け、合間の休憩時間を生かして、隊員たちに積極的に質問をぶつけていた。合同合奏の最後には全国から集った教育科隊員10名を前にした成果発表が行われた。
 また、今年からは、屋外の音楽広場を使った儀仗訓練体験が新たに加えられた。演奏班長等による参加者への儀仗の基本動作の指導の後、参加者を隊列に加え隊形を組み、米国大統領への儀仗という想定で儀仗行進が行われた。
 最後は第2教場に場所を移し、総括や挨拶が行われた。インターンシップを終えた学生からは、「未知の世界を広く深く知ることができた。演奏のレベルが非常に高く驚いた。就職先として興味が高まった」、「楽器演奏を続けられる選択肢として自衛隊音楽隊員はとても魅力的。現役の音楽隊員の方に体験談を伺えて参考になった」等の前向きな感想が聞かれた。
 インターンは昨年は半日間だったが今年は丸1日間に拡大された。楽器演奏以外の要素も豊富に紹介し、"未知なる自衛隊"への不安を軽減させ、さらには、音楽以外の自己の可能性を広げられる、自衛隊の魅力をアピールする効果を狙った試みだった。
 質疑応答では、参加者から楽器ごとの試験科目や、「採用後のソロ演奏の機会はあるか」「プライベートの演奏や楽器指導は可能なのか」「体力には自信がない。学科試験も心配」等の質問や悩みが寄せられたが、合同演奏で指揮を執り総括で檀上に立ちウィットに富む質疑応答で学生を解きほぐした樋口孝博副隊長をはじめ、中音広報係、東京地本練馬募集事務所の広報官等が笑顔いっぱいに丁寧に回答し、学生の疑問や不安の解消に努めていた。
 「優れた演奏者に就職先として自衛隊を魅力的に感じてもらいたい」(武田隊長)等の目的で開催された陸自中央音楽隊インターンシップは、募集広報において大きな成果を収めた。


女子バレー選手が激励メッセージ!

 兵庫地本(本部長・西川公康1陸佐)は2月8日、東レ・アローズ女子バレーボール部を訪れ、入隊入校予定者へ向けた激励メッセージを収録した。
 東レ・アローズはVリーグがスタートしてから女子では史上初の3連覇を昨年成し遂げ、今年も優勝争いをしている強豪である。
 撮影はチームの全面協力を受け実施し、代表コメントでは兵庫県神戸市出身の和田麻里江選手が「同郷の皆さんが平和を守ってくれると思うと心強いし励みになります」、サオリンこと木村沙織選手が「皆さんの活躍の場は国内だけではありません。世界が待っています。頑張って下さい」、キャプテンの荒木絵里香選手が「バレーボールではチームワークが非常に大切ですが、自衛隊の中でも大事な事だと思います。自衛隊で最高のチームを作って下さい」と熱いエールを送った。そして最後の1シーンは選手の発意による全員の敬礼で終了した。
 この激励メッセージは、県内数箇所で行われる入隊入校予定者激励会で放映される予定。
 兵庫地本は「これから自衛隊に入る若者の励みになれば」としている。


ゴランPKO(30次要員)任務完遂

分遣班長 1陸尉 大家悠季央
 私は、分遣班長として任務を完遂し、帰国しましたが、派遣前は「環境の異なるゴラン高原において無事任務を終了することができるか?」という不安に駆られていました。
 しかしながら、日本における日頃の訓練で養われた「基本・基礎」により、多様な任務も整斉・円滑に実施することができると気付くと、当初の不安も次第に消え、自信を持って各種任務を遂行することができました。また、他国軍人及び現地住民との交流を通じて、彼らが日本に対して持っている信頼感を肌で感じることができ、日本人としての誇りを高めることができました。
 今後は、今回の海外派遣で得られた教訓を活かし、部隊の更なる精強化及び自己修養に励んでいきたいと思います。

隊本部 2空曹 水田雄一郎
 私は、ゴラン高原派遣輸送隊の一員として、平成22年8月から平成23年3月までの間、主にイスラエル側の宿営地で炊事員として勤務しました。炊事員3名という少人数の編成でありながら2ヶ所の宿営地に分かれ、日本隊隊員の為に日々、炊事業務に励みました。調理場では私以外は全員他国の軍人であり、調整等は全て英語という環境でした。任務遂行上、言葉の壁は厚く、厳しい状況下でしたが、無事に任務を完遂し、帰国する事が出来ました。6カ月間のゴラン高原での任務を完遂し、無事帰国ができたのは、日本で待っていてくれた家族をはじめ、原隊の上司、部下、先輩、後輩、そして友人からの叱咤激励のお陰であったと感謝しています。
 私は、この感謝の気持ちを忘れる事なく、今後の自衛隊生活においても日々努力、邁進していきたいです。

隊本部 3陸曹 前田 達宏
 私は昨年の8月から今年の3月まで、ゴラン高原派遣輸送隊(第30次要員)として、UNDOFにおける国連平和維持活動に参加しました。初めての海外派遣、初めて触れる異なる文化、何もかもが初めてで戸惑い、慣れるのに苦労しました。それだけ多くの苦労もしましたが、またそれだけ多くの事を学べたと思います。
 これはいつも周りで私を支えてくれた人達がいてくれたからだと思います。多忙にも拘わらず私を送り出してくれた原隊、「行ってこい」と背中を押してくれた先輩、派遣に伴う行事・業務でお世話になった方々、日本から電話や手紙で励ましてくれた両親、そして最後に周りで私を支えてくれた派遣輸送隊の方々、全ての人に心から伝えたい。「ありがとう」と。

輸送班 3陸曹 黒竹 真史
 私は、ゴラン高原派遣輸送隊第30次要員として派遣され、念願であった国際平和協力活動に参加する事が出来ました。
 言葉の壁、文化・宗教の違い、そして、停戦しているとはいえ兵力引き離し地域を挟んで武装している両国の軍人、そんな異国での任務に不安はありましたが、部隊の代表、日本の代表として隊長を核心とし、任務完遂・無事帰国する事が出来ました。
 国際任務に従事できる事、第一線での任務の緊張感、両国和平の為の中立的立場、また各国軍人と協同連携の中、私はピースキーパーとしての自負、そして誇りを得る事が出来ました。
 しかし、今派遣任務の完遂は、派遣準備間、派遣間を通じ関係各部隊、各協力団体、家族、上司、同僚の御蔭と深く感謝しています。

輸送班 3空曹 船越 仙幸
 UNDOFには、日本のほかに多くの国々が参加しています。各国軍人が、それぞれの母国語を話すなかで英語は共通の言葉です。初めは、英語がうまく通じないことがあり、任務がスムーズにいかない事もありました。ところが、各国の挨拶やジェスチャーなどを交えて会話をしているうちに、徐々にコミュニケーションがとれるようになり、任務を整斉と遂行できるようになりました。
 この派遣間、完璧に言葉が通じなくとも、気持ちや意思を通じることが出来る、そして無事任務を完遂することが出来ると実感することが出来ました。
 UNDOFでの様々な貴重な経験を活かし、日本でもしっかりと意志の疎通を図り、充実した勤務が出来るよう日々頑張っていきたいです。


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