防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年12月15日号
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自衛隊について学ぶ
《茨城地本》
中学生の職場体験学習を支援
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 茨城地本(本部長・杉本正明事務官)は11月26日、水戸市立水戸第一中学校生徒11人の職場体験学習を支援した。
 職場体験学習は、社会勉強の一環として、「就労の尊さを学び、また、将来の進路選択の参考とする学習」で、毎年行われている。今回は、自衛隊での体験学習を希望した男子7人と女子3人が参加した。
 午前9時、勝田駐屯地に到着した生徒たちは、はじめに基地の概要及び学習内容についての説明を受けた。その後、駐屯地施設や装備品の見学をし、隊員食堂で体験喫食をした。
 施設等の見学では、行きかう隊員に、元気いっぱい「こんにちは」と挨拶しながら駐屯地内を回り、国際貢献の資料が展示されている資料館では、メモを取りながら熱心に広報担当者の説明を聞いていた。また、自衛隊車両の見学では、感激した様子で見たり触ったりしていた。
 そして最後の懇談では、「やりがいは何ですか?」「辛いときはどんな時ですか?」「自衛隊にはどうやって入るんですか?」など多くの質問が寄せられた。また、「今日は自衛隊のことをよく知ることができました」「自衛官になります」などの感想も聞かれた。そして、朝は自衛隊を「怖そう」と言っていた生徒たちも「皆優しい人ばかりで自衛隊は面白そう」と印象も変わっていた。
 茨城地本では、「今後も中学生等の職場体験学習を積極的に支援し、自衛隊に関心を持ってもらうとともに、生徒たちに将来の職業として選択してもらえるように頑張りたい」としている。

防衛フォーラムで学生が激論交わす
《京都地本》
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 京都地本(本部長・大内田憲治1陸佐)は11月8日、防衛大学校で「防衛フォーラム2008」と題して防衛大学生、京都大学生による討論会を実施した。「防衛フォーラム」とは、毎年防大の開校祭にあわせて防大生・京大生が安全保障について意見交換し、相互に啓発することを目的としている。
 当日、討論会に先立って防大の太田教授による講話が行われた。今年の討論会のテーマ「新しい日米関係と安全保障政策の展開」に基づいた講話は、日米関係の歴史から始まり、現在の具体的な状況、今後の新しい日米関係についてなど非常に分かりやすい内容で構成されていた。学生にとっては既存の知識が膨らみ、また討論会に向けて一層質問の出来る有効な時間となった。
 午後からは、防大生・京大生のそれぞれのテーマに基づいた発表が行われ、引き続いて討論会が開かれた。討論会には東京、早稲田、立命館、京都外の各学生も加わり、総勢30人がアフガニスタンへの自衛隊派遣の賛否について議論した。討論は約2時間半にわたり、アメリカとの関係を含めた世界の中の日本の立場、今後の方向性について激論が交わされた。

即応予備自衛官希望39名が企業研修
《宮城地本》
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 宮城地本(本部長・冨井稔1陸佐)は11月20、27の両日、平成21年3・4月に退職を予定している隊員で即応予備自衛官を希望している39名に対し、仙台市内の企業(運輸2社、警備2社)で即応予備自衛官企業研修を実施した。
 今回研修した企業は第一貨物(株)、東北三八五流通(株)、セントラル警備保障(株)、綜合警備保障(株)の4社で、即応予備自衛官を多数雇用し、合同企業説明会においても、隊員の就職希望の多い企業である。研修では、支社長をはじめ元自衛官による会社の業務内容、現場の勤務状況及び即応予備自衛官の雇用環境について説明を受けた。特に、OB社員との懇談においては、今まで緊張気味で無口な隊員も社員が即応予備自衛官と聞いた瞬間に笑顔がこぼれ、招集訓練のことや企業の対応、手当など現実的な多数の質問が出され、和やかな中で懇談は終わった。
 宮城地本では、「これからも多くの合意企業への研修を通し、即応予備自衛官の雇用促進を図っていきたい」としている。

野外炊具が大活躍
《岡山地本》
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 岡山地本(本部長・佐々木茂1陸佐)は11月9日、岡山市生涯学習センターで実施された「おかやま学びフェスタ2008」(岡山県・岡山県教育委員会主催)に第13高射特科中隊の支援を得て参加した。
 同中隊はイベントの一つとして、演習及び災害派遣等で活動している野外炊具1号を用いて、岡山県が県の郷土料理としてPRしている「桃太郎鍋」の炊事支援を実施した。
 このイベントの来場者は、日頃見慣れない野外炊具1号に興味津々に見入っていた。
 隊員からの野外炊具1号の説明に対して、多くの来場者から「何人分の食事が作れるのか?」といった質問が沢山寄せられ、自衛隊の活動に対する理解及び周知に寄与した。
 岡山地本は、今回のイベント参加により自衛隊をより身近に感じてもらえたと確信し、今後もこのような広報活動を通じて、募集基盤の拡充を図りたいとしている。

充実のイベントに多数来場者集まる
《栃木地本》
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 栃木地本(本部長・山野順良1陸佐)は、11月2日、上三川町にある日産自動車栃木工場敷地内で行われた第7回朝日新聞読者フェスティバルの場を活用し、自衛隊広報展を実施した。当日は晴天に恵まれ、会場には早朝から多くの来場者が集まり、10時開催予定の広報展も1時間早めての開催となった。
 今回の広報展は南極の氷の展示、中央即応連隊による装甲車展示、“自衛隊員なりきりコーナー"など工夫を凝らし、大勢の人々の足を止めた。南極の氷展示コーナーでは、多くの人々が氷に触れ、「冷た〜い、気持ちいい」などの感想や「この氷。本物なの?」などと疑う人達がいて隊員を困らせる場面も。しかしながら、その神秘的で美しい輝きを魅せる氷に多くの人々が感動した。自衛隊員なりきりコーナーは、行列ができるほど子供達に人気で、パイロット服を着ると皆笑顔で、装甲車の前で、隊員と記念撮影をしたり、実際に装甲車に乗り、さながら自衛隊員になりきったように楽しんでいた。広報展が終わりになる頃には、展示隊員もくたくたの様子で、その盛況ぶりがうかがえた広報展になった。
 栃木地本では、「この広報展によって、今まで以上に自衛隊を身近に感じてもらい、今後の募集に寄与できた」としている。

コンビニで募集告知
《岩手地本》
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 岩手地本(本部長・浅野浩一事務官)は、12月1日、自衛隊生徒採用試験に向け若者が集まりやすい岩手県下のコンビニエンスストアの協力による募集広報活動を開始した。
 これは、ローソン、ファミリーマート、デイリーヤマザキ、サンクスのコンビニ約200店舗に募集ポスターを掲示するもので、ローソンとファミリーマート及びサンクスは昨年に引き続き、デイリーヤマザキは今年度から、4社の協力を得て無償で掲示することになった。
 また、今年度作成した庁舎壁のパネル式の掲示板(縦60センチ・横5メートル)に横断幕を付し生徒募集の告知を開始した。
 岩手地本は、「厳しい募集環境の中、引き続きあらゆる策を講じ優秀な隊員の確保に尽力する」と意気込みを示している。

@@所感文
@@カサブランカでの雑感 予備2陸尉 西山 猛郎 <福岡地本>
(写真1枚、エトキ=現地で合気道を指導する西山さん)
 北アフリカ、モロッコ王国でJICAの派遣により、合気道の指導を開始して通算4年の月日が経過した。
 現在、カサブランカに居を構えてモロッコ全土の巡回指導を行っている。当国の合気道人口は約8000人、道場の数も200以上となり、私が直接、手を取り指導した生徒数も述べ2万人を超えた。モロッコはイスラム圏で一番の武道人口を持つ国なのである。
 日本から西へ約1万2000キロ離れたイスラム圏のモロッコでなぜ武道が盛んなのか? 第一の理由を極端に言えば、「武道の精神的側面に対する共鳴」と言えるだろう。そう、武士道とイスラムに共通項が多く存在するのである。簡潔で、清らで、無駄がなく、正直で、己を無にして他に尽くす心。
 私はよく生徒に「なぜ、武道が好きなのか?」と尋ねることがある、当然、十人十色の返事が返ってくる。一般によくある答えが「今より強くなりたい」「更に健康になりたい」など、他のスポーツでも代用できる様な答えである。
 しかし、こと上級クラス(黒帯)に関して言えば、私の経験から約5割強の生徒が「武道が好きな理由」として次のような深遠な答えをする。
 「神(アッラー)への祈りを終えた後の心の静寂と、稽古を終えた後の心の静寂に共通のものを感じるからです」、更に「身体的、精神的ストレスの解消と発散は多くのスポーツで可能ですが、心の静寂と平安は得ることは出来ません。しかし、武道ではそれが出来るのです」と。
 武道の精神的側面とその深さにおいて人間の一普遍的な価値観に到達しているが故に宗教、文化、人種を超越して受け入れられているのである。
 戦後、本来の目的であった精神修養として武道が影を潜めて、スポーツとしての武道、競技としての武道が主流の日本にあって、我々日本人は、この1万2000キロ離れた武道家達になにを提示できるだろうか。本家本元の武道国、日本でその普遍的精神性が希薄になり、脆弱になっている。スポーツと武道の違いすら知らない多くの日本人は、その価値を知らず、学ぶこともない。しかし、地球の反対側でその価値を知り、学ぶ者たちが多数存在するのである。
 戦後、物質的繁栄の陰で捨て去ったもの、忘れ去ってきたもの、否定してきたものの中に実は我々を支える精神の根幹があるのではないか。遠い異国の地でこのことを今更ながら痛感するのである。


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