防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年7月15日号
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海上自衛隊東京音楽隊が足利市でコンサート開催
聴衆を魅了、客席から手拍子も
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 海上自衛隊東京音楽隊(隊長・熊崎博幸2佐)は6月1日、足利市民会館(栃木県足利市)にて演奏会を実施した。この演奏会は、足利市教育委員会、栃木県防衛協会足利支部等の共催で開催されたもので、当日は好天に恵まれ、開場時間前から多くの市民が詰めかけ東京音楽隊の人気をうかがわせていた。
 演奏会は、熊崎隊長指揮により、行進曲「錨をあげて」で幕を開け、第1部はクラシックや吹奏楽の名曲を中心に構成されており、中でもイギリスの作曲家P・スパークの「祝典のための音楽」では、管楽器のきらびやかな音色が吹奏楽の醍醐味を呈していた。また、東京音楽隊のインスペクターを務める宮越総己曹長による真島俊夫作曲「シーガル」では、アルトサックスの透き通った音色とロマンチックな演奏が哀愁漂う繊細な旋律と相まって聴衆を心酔させた。
 休憩を挟んでの第2部はC・コリアの「スペイン」で華々しく幕を開けた。第2部では、第1部とは雰囲気をガラリと変えジャズやラテンの名曲の数々を演奏。2曲目に演奏したA・ジョビンの「ウェーブ」では、沢田勝俊士長の奏でるバストロンボーンの魅惑的な低音のメロディーに聴衆はすっかり魅了されていた。プログラム最後に演奏したC・コリアの「ラ・フェスタ」では、疾走感と緊迫感に溢れるメロディーが指揮者と奏者のテンションを最高潮にまで高め、まさにコンサートの締めくくりにふさわしい力演に会場は喝采の渦に包まれた。
 盛大なアンコールの拍手に応えて、「八木節」、おなじみの行進曲「軍艦」、そして東音の演奏会では定番となっている「トリステーザ」を客席からの手拍子とともに演奏し、大盛況のうちに終演を迎え、演奏の余韻を胸にしまいつつ、楽しげに家路につく聴衆の姿が印象的だった。

呉音は神戸市パレード
93万人に海自アピール
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 呉地方隊所属の呉音楽隊(隊長・樋口好雄1尉)は、地元兵庫地方協力本部及び阪神基地隊の支援を得て、5月18日、第38回神戸まつりのパレードに参加した。
 昭和46年に市民参加型のまつりとして誕生した「神戸まつり」は、平成7年の阪神大震災で一時中断したものの、本年38回目を迎え、「市民の祭り」として、この地域に定着している。
 今年も晴天の下、新緑の六甲山を背景にパレードが実施され、会場は約93万人の人出で大いに賑わった。
 パレード参加79団体中、4番目にスタートした呉音楽隊は、東京ディズニーリゾートのキャラクター:ミッキーマウスなどが華やかに場を盛り上げる中、プラカード員・川村菜々士長(阪神基地隊)の明るい笑顔を先頭に、フラワーロードから三宮中央通りを経て大丸前に至る三宮の大通りを堂々と行進した。
 被災、その後の復興から13年、年月の経過とともに当時の記憶も薄らぎ、また、同時に、この地域における海上自衛隊の存在感も徐々に薄らいでいるのが現状であり、呉音では今後も、「神戸まつり」のような市民参加型のイベントに参加し、海上自衛隊を積極的にアピールしていきたいとしている。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
NOTHING CAN BE DONE WITHOUT MOTIVATION !
ナッシング キャン ビー ダン ウズアウト モティヴェイション
やる気が無ければ何もできませんよ!
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Hi! How are you doing? 皆さん、お元気でしょうか。毎週週末にしとしとと雨が降っているように感じます。紫陽花は、雨に濡れて妖艶な色彩でひっそりと咲いていますね。今年の紫陽花は本当に綺麗です。今年は梅雨が明けて、例年以上に暑い夏が到来するらしいですね。さて、どうなりますか。
 さて、今回の表現は、“Nothing can be done without motivation!"「やる気が無ければ何も出来ませんよ!」です。Motivationは、日本語のモチベーション、やる気、動機のことです。Withoutは「〜なしででは」、can be doneは、「実現しない、ありえない」という意味ですね。最初にnothingが来て文全体が否定されますね。「ありっこない、ありえない」ということになります。
 動機は、何をするにも必要ですね。英語学習の動機は、海外旅行や外国人とのコミュニケーションなど色々です。習得には、時間と努力が必要です。そういった日々の努力をさせるのがモティヴェーションです。初心忘るべからず。
 梅雨が明けて、いよいよ夏の到来となります。今のうちにしっかりと基礎体力をつけておいてください。今年は猛暑がくるような気がします。まだまだ寒く、湿気の多い日が続きます。体調にはくれぐれもお気をつけください。陽気なストレスの溜まらない生活をお楽しみください。それでは、皆さん。See ya!
〈スワタケル〉(イラストも)

イラク派遣を終えて
シリーズ
過酷な環境が“人"を育てる
北部航空警戒管制団第18警戒隊 1空曹 吉田哲也
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 「寒ぅ〜っ!」
 早朝、薄暮の砂上を歩きながら職場へと向かう。寒さに強いはずの私の口からふと洩れた言葉です。
 私は、イラク復興支援派遣輸送航空隊司令部総務部で、総務係として勤務しています。原隊は、日本最北・稚内に所在する第18警戒隊です。
 「クウェート国」又は「中東」と聞いて、殆どの方は「砂漠」だとか「猛暑」をイメージされると思います。私自身、当地に降り立つまでは、同じような(一般的な)イメージを持っていました。しかし、この予想は、いとも簡単に裏切られました。
 11月中旬に名古屋空港を出発し、十ウン時間の長旅の末にたどり着いた目的地「クウェート国」。寒気が入り始めていた本邦とはうって変わっての暖かさに、隊員一同「やっぱり中東ですね〜!」の声。ジリジリと照りつける強い日射しにも、どこか心地よさを感じながらの勤務。しかし、1カ月を過ぎた頃から、私たちは「砂漠」の真の姿を見ることになりました。
 当地の冬は、本邦の冬と何ら変わりない程に冷え込み、特に年明けからは非常に厳しく、氷点下も記録。路肩の水溜まりは、氷に覆われ、雪国から派遣された私を含め、派遣隊員を一様に驚かせてくれました。
 更に驚かされたのは、前述の水溜まりの原因でもある雨の存在です。私たちが派遣されている期間は「雨期」にあたります。「小雨程度でしょ」という大方の予想は、降り注ぐ大粒の雨と至る所で発生する雨漏りに、これまた簡単に裏切られました。
 そして極めつけは「砂嵐」の存在です。私たちのみならず、誰もが砂漠の代名詞と認めるであろう砂嵐は、この時期の発生率が最も高く、当地での勤務をより過酷なものに変えてくれました。部屋の窓越しに見ると「濃霧」のように見える「砂塵」もひとたび屋外に出ると、宙を舞う砂塵のために、目を開くことや呼吸することさえも困難になります。例えるなら、稚内の「地吹雪」に似ています。
 このように、僅か3カ月しか経っていない私たちを、手を変え品を変え様々な気候で出迎えてくれるクウェート国。当地なりの苦労もありますが、それは決して苦痛ではありません。「暑・寒・砂・雨」などの過酷な勤務環境も、私たち個人を、部隊を、そして自衛隊という組織を、鍛え・養い・大きく育ててくれることでしょう。
 約1カ月後、家族や同僚の前に立った時、きっと一回り大きくなった自分を見せることができる―、そんなことを思いつつ、任務完遂に向け、今日も薄暮の砂上を歩き続けます。


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