防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年2月1日号
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34普連でエイシン(炊事)競技会実施
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 第34普通科連隊(連隊長・三浦直人1佐=板妻)は1月15日、駐屯地芹沢訓練場において中隊対抗(第3・5中隊を除く)による平成19年度第3回エイシン(炊事)競技会を実施し、初級陸曹等の炊事能力に関する知識・技能及び実員指揮能力を向上させるとともに上級陸曹の計画立案及び訓練指導能力の向上を図った。
 参加中隊は陸曹2名、陸士3名の計5名で炊事班を編成し、所定の時間内に約50名分のカレーライスとサラダの調理を行った。各炊事班は、上級陸曹ら指導者の助言を参考に、与えられた材料に創意と工夫を凝らし、整斉と調理作業に取り組んでいた。また競技会に合わせてBU隊付教育実施中の幹部候補生も野外炊事車による主食の炊き出しを体験した。
 審査は「炊事」「試食」「指揮能力」「安全管理」の4部門において行われた。「試食」にあたっては業務隊糧食班長、栄養士をはじめ、部外から女性審査員2名を招き、自衛隊独自の炊事要領で調理されたカレーライスなどを女性ならではの厳しい目と舌の味覚により採点された。また、統裁官は、「各中隊とも調理にあたっては創意を凝らす等、初級陸曹の指揮能力と炊事要員の練度が格段に向上していることが確認でき、橘式野外調理術の基礎が確立されたと感じた」と講評した。

《論陣》
大事なマンション自治
「肉体的弱者への配慮が必要」
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 最近、やたらとマンションが建設されている。不況のあおりで、都心でもシャッター街が誕生しているのだが、そこへと建設・不動産業者がなだれ込んで、次々と新たなマンションが雨後の竹の子のように出現している。いいのか悪いのか不明だが、都会だけでなく地方都市にもマンションが大手を振って久しい。土地の狭い日本向けの住宅かもしれない。
 問題も出てくる。一つは暴力団対策で、二つ目は老齢者世帯への配慮ある対応である。これらは住民自治・マンション自治に属するものといえる。いずれも公営住宅では、問題が発覚して社会問題に発展している。
 あろうことか公営住宅に暴力団が入り込んでいて、そこがピストル乱射事件の現場になったりして、警察庁と国土交通省が対策に乗り出した。暴力団を排除するルールを遅ればせながら確立した。ところが、民間のマンションはどうか。いまでも、あいまいな管理組合規則がはんらん、住民の安全を確保していないマンションがたくさんあるし、そうした関心さえないところもあるようだ。
 筆者もたまたま完成3年目の都内マンションの管理組合理事に2年間、席を置いた。無関心を装うほとんどの理事を説得、暴力団排除の管理規則に改めた。暴力団というと、最初から逃げ出したい、という雰囲気が社会に覆っていることに驚いてしまった。他人に後ろ指を指されるような悪いことをしていない限り、暴力団も手を出してこないのだが、それでも市民はぐらついてしまうものらしい。逆に、だからこそ暴力団排除の組合規則は重要なのである。
 高齢者世帯、すなわち肉体的弱者をどう支えていくのか、これも重大な仕事である。昨年、公営住宅で500人もの孤独死が発生したという。国は対策を打ち出すはめに追い込まれている。このことは一人公営住宅に限ったことではない。マンションも同様である。
 肉体的な弱者は、それゆえに事件・事故に巻き込まれる確率が若者に比べて、はるかに大きい。もしも、彼らを放置しておいて、本来、回避できるはずのことまで事件や事故にしてしまいかねない。
 孤独死などは、住民間の交流さえあれば、未然に救済可能である。一人住まいの老人が「体調を崩した」という知り合いからの一報さえあれば、管理組合は管理会社や隣近所の助けで、救急車や入院などあれこれ支援できる。孤独死は回避できるのである。
 住民の中には「たとえ火事や地震があっても外には出ません」と決意している老人もいるのを、ご存知だろうか。足腰の弱い老人は、たとえ外に出ようとしても人ごみの中で逃げることが出来ない。それならば、部屋に閉じこもっていたほうが安全である、というのである。確かに理屈である。
 管理組合がこうした家庭を掌握していれば、火災時に消防士に通告することで助け出すことが出来るのである。これこそが管理組合自治の大事な仕事なのである。
 ただ、住民には若者も多い。「なぜ、そこまでやる必要があるのか」としり込みするものもいないではない。管理組合理事の真価が問われるところである。若者世帯への説得が必要になろう。
 理由の一つは、弱者への救済はヒューマニズム、人道主義の観点から当たり前のことである。人間性の有無がポイントとなろう。そして第二は、快適なマンション生活を送るための、管理組合全体の利益にかなうことでもあるからだ。事件・事故の発生は、住民の安心・安全を損なうものである。これを防止・抑止することが、マンションのみならず、地域や社会に貢献することでもある。
 筆者の住むマンションでは、お年寄りと若者が交流できる場を提供するための準備を開始している。過度な個人情報にとらわれるのは、愚の骨頂であろう。

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